夢中になる

ライ子

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ふたりは、食事を終えるとホテルの部屋に入った。大きな窓から、夜景がよく見えた。部屋の隅には、クリスマスツリーも飾ってあった。
「私、贅沢し過ぎてますね。何かバチが当たりそう…。」
「たまには、いいんじゃない?バチが当たらないように、俺が守るよ。」
窓の近くで夜景を見ている瑠羽華を、後ろから抱きしめた。なぜか、この時、瑠羽華が消えてしまうような気がして、急に怖くなった。
「京介さん…。」
「ん?」
「あの…、今日、すごく楽しかったです。ありがとうございました。また、いつか旅行したいです。」
「うん。俺も楽しかった。まだ明日もあるよ。明日も楽しもう。」
「はい。」
瑠羽華は、京介の方に体を向けて、京介の胸に顔をうずめた。
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