夢中になる

ライ子

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「痛い…。離してください。」
震える声で瑠羽華が京介の手をふりほどこうとした。
「ごめん…。」
京介が手を離すと、瑠羽華は、ポロポロ涙を流しながら、顔を上げた。
「何で追いかけて来るんですか…。せっかく決心したのに。」
瑠羽華が言っていることが理解できない。好きと言ったり、もう会わないと言ったり。京介は、混乱していた。
「瑠羽華が、どうしたいのか分からないよ。ちゃんと話してくれない?」
瑠羽華は、泣いているばかりで、何も話そうとはしてくれなかった。
周りの目もあったので、とりあえず、タクシーを拾って京介の部屋に行くことにした。
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