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6話
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「婚約破棄もあくまで悪ふざけでして……!」
「では、お前は婚約破棄しないのだな? ん?」
「え、あいや……」
「もう一度聞く、ビスタ。悪ふざけなどという言葉で言いくるめられると思ったのだとしたら、お前はバカ以外のなにものでもない。しかも23歳にもなって……お前は幼児かなにかかな?」
「カイン王子殿下……いくら王子殿下でも、そのような暴言は……」
ビスタ様は先ほどから劣勢に立たされている。彼は少しでも言い包めようとして、自分でも何を言っているのか分かっていないようだ。明らかに話が矛盾しているし……。
「エルネに対して浮気での婚約破棄を堂々と言ってのけるその態度……貴族として失格だ、お前は」
「くっ、ビスタ様……いくら王子殿下でもそのような言葉は……!」
「ビスタ様、カイン様……?」
「これは一体、どうなってしまうんだ?」
私だけでなく、ハリー兄さまも先行きが不安になっているようだった。その気持ちは分からなくもない。先ほどからビスタ様の態度がどんどん悪くなっているような気がしたから……。
「私は侯爵家の人間です。王子殿下にとやかく言われる筋合いはない。たかが、子爵令嬢と別れるくらい、王族にとっては関係ないでしょう?」
「関係ないだと? 私の大切なエルネ……」
「えっ?」
「お、幼馴染みたいなものだからな……うん」
なんだか王子殿下が言葉を濁していた。それにしても幼馴染……? 前から何度か会っているけれど、幼馴染という関係性ではないような気がするけれど。まあ、そちらで進める方がスムーズかしらね。
「本性が見えましたね、王子殿下!」
「ん? どういうことだ、ビスタ?」
「カイン王子殿下は私のエルネのことが好きなのでしょう! だからこそ、こんなところに現れて味方をしている!
これは越権行為ですよ! 言い逃れはできないでしょう、私をとやかく言えるものではないはずだ!」
「……」
最早、ビスタ様が必死にしか見えなかった。必死で相手の揚げ足をとろうとしていると言うか……しかも、この程度の……。
「よし、では国王陛下に物事の是非を判断してもらうか」
「えっ……国王陛下に……」
「その通りだ。私に決められたくないのなら、国王陛下に聞くしかないだろう? どのみち、陛下の許可が必要だしな。貴族同士の婚約破棄というものは……」
ビスタ様が一気に萎んだ気がしてしまった。彼から出ていた覇気が消えているような。現実を知ったのかしら。
「では、お前は婚約破棄しないのだな? ん?」
「え、あいや……」
「もう一度聞く、ビスタ。悪ふざけなどという言葉で言いくるめられると思ったのだとしたら、お前はバカ以外のなにものでもない。しかも23歳にもなって……お前は幼児かなにかかな?」
「カイン王子殿下……いくら王子殿下でも、そのような暴言は……」
ビスタ様は先ほどから劣勢に立たされている。彼は少しでも言い包めようとして、自分でも何を言っているのか分かっていないようだ。明らかに話が矛盾しているし……。
「エルネに対して浮気での婚約破棄を堂々と言ってのけるその態度……貴族として失格だ、お前は」
「くっ、ビスタ様……いくら王子殿下でもそのような言葉は……!」
「ビスタ様、カイン様……?」
「これは一体、どうなってしまうんだ?」
私だけでなく、ハリー兄さまも先行きが不安になっているようだった。その気持ちは分からなくもない。先ほどからビスタ様の態度がどんどん悪くなっているような気がしたから……。
「私は侯爵家の人間です。王子殿下にとやかく言われる筋合いはない。たかが、子爵令嬢と別れるくらい、王族にとっては関係ないでしょう?」
「関係ないだと? 私の大切なエルネ……」
「えっ?」
「お、幼馴染みたいなものだからな……うん」
なんだか王子殿下が言葉を濁していた。それにしても幼馴染……? 前から何度か会っているけれど、幼馴染という関係性ではないような気がするけれど。まあ、そちらで進める方がスムーズかしらね。
「本性が見えましたね、王子殿下!」
「ん? どういうことだ、ビスタ?」
「カイン王子殿下は私のエルネのことが好きなのでしょう! だからこそ、こんなところに現れて味方をしている!
これは越権行為ですよ! 言い逃れはできないでしょう、私をとやかく言えるものではないはずだ!」
「……」
最早、ビスタ様が必死にしか見えなかった。必死で相手の揚げ足をとろうとしていると言うか……しかも、この程度の……。
「よし、では国王陛下に物事の是非を判断してもらうか」
「えっ……国王陛下に……」
「その通りだ。私に決められたくないのなら、国王陛下に聞くしかないだろう? どのみち、陛下の許可が必要だしな。貴族同士の婚約破棄というものは……」
ビスタ様が一気に萎んだ気がしてしまった。彼から出ていた覇気が消えているような。現実を知ったのかしら。
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ビスタ…頭湧いてるの?
頭がいっているんでしょうね……