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25話

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 私とバルサーク様の二人は数日後、第二のハウスに集合した。第二のハウスという呼称はどうかと思ったけれど、とにかくあのバルサーク様がローザハウスを模倣して建てた屋敷に集まったわけで。

 ローザハウス……違った、リシェルハウスに集まらなかったのには理由がある。単純にリシェルに力づくで奪われた屋敷には戻りづらかったわけで。私の世話を焼いてくれていたメイド達も本邸に戻っている。今はあそこには誰も住んでいない。




「さて、話を進めたいのだが、よろしいかな? ローザ嬢」

「は、はい……バルサーク様」


 内容については分かり切っている……既にバルサーク様からは告白を受けているのだから。その理由についても、教えてもらっている。とても嬉しいことだった。幼い頃の無駄だと感じていたこともある頑張り等で、彼を……バルサーク・ウィンドゥ大公殿下に希望を与えていたのだから。

 バルサーク様の護衛役である二人、エリーゼさんとヨハンさんも今回ばかりは笑っていなかった。私達の話を真剣な表情で聞いているようだ。

 思えばリシェルにローザハウスから強制的に退去させられた後、助けてくれたのはバルサーク様だけでなく、エリーゼさんとヨハンさんも含まれるのだった。直接的にというよりは、二人の雰囲気に和ませてもらった気がするわ。まだ、大して前の話じゃないのに、懐かしい気がしてしまう。


 それから……今回の件で一番お世話になったのは、お父様なのかもしれない。お父様がバルサーク様に連絡を取ってくれたおかげで、今回のことは無事に解決したのだから。私は部屋を自然と見渡していた。まあ、居るはずはないのだけれど……無意識に探していたようだ。


「ローザ嬢、ブライアン殿が居なければやはり、盛り上がらないか?」

「えっ? あ……いえ、そういうことではないですが……つい」

「そうだな。私としても礼儀を欠いてしまっていたようだ」

「バルサーク様……?」


 頭を抱えている様子のバルサーク様。別にそんなに落ち込むことではないように思えるけれど、彼は思いのほか悩んでいるようだった。


「しかし……いくら、大公という立場があるとはいえ……ローザ嬢のお父上の前で告白をし直すというのは、やはり緊張してしまうな。う~ん」

「いえ、バルサーク様! バルサーク様が望まれないのであれば、お父様を呼んでいただく必要は……!」

「いや……やはり、こんなところで逃げた態度を取ってしまっては、この先、ローザ嬢に顔向けが出来ない。それに……偉そうにデナンとリシェルの二人を叱責したことも意味が薄れてしまいそうだからな」

「バルサーク様……」


 それだけ私のことを本気で考えてくれている……そんな覚悟にも近い何かが私には感じられた。こんな、第二のハウスを大金を使って建てるくらいだものね。


「デナン様とリシェル嬢の件に関しては何ら、影響は与えない気がしますけどね」


 と、その後に呟かれた、エリーゼ様の静かな突っ込みが面白かった。


 バルサーク様は私のお父様を呼んでくれるということで、納得してくれた。いよいよ、決断の時ね……!
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