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女装と復讐 -発起編-
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僕は初めての女装での街歩き…プレデビューからアパートに帰ってきた。
急いで手帳を出し、詩織の《あの可愛い歩き方》を思い出す…ドキドキ。
思い出すって言っても、卑猥な意味で思い出してるわけじゃない。
詩織のあの可愛い歩き方を真似する…身につける。それができれば必ず、街の女の子らへの良い《武器》となるはず。
よし…と。
書き終えて手帳を鞄へ仕舞い、机の上の小さな置き鏡をちらりと覗く…黒ぶち眼鏡のない自分の顔。
詩織は《中性的でいい感じ》だと言ってた。
確かに…眉も細くなり、男子女子…思い方によってはどちらの顔にも見える…ヤバい!
コンタクトレンズ着用のみで大学なんて行ったら、また《ちょっと!あれ!見て!》なんて必ず言われる…。
でも、その黒ぶち眼鏡は使い捨てコンタクトレンズ2週間分と引き換えに、アンナさんに預けてしまった…。
コンタクトレンズを毎日着けてね、って言われたし。
明日は日曜日…仕方ない。
度の入ってない《伊達眼鏡》でも買いに行くか…。
月曜日。
僕はコンタクトレンズを着けた上にブロンズカラーのフレームの細い伊達眼鏡…黒ぶち伊達眼鏡なんて無かった…を掛け、マフラーを首に巻いて代学へと向かう。
ちゃんと《男歩き》を意識しながら、キャンパス内に入ると…。
「うわぁ…ちょっとちょっと!あれ…岩塚見てよ!」
「やだぁ…今度はダサい黒ぶち眼鏡やめて新しい眼鏡に変えたんだ…」
「しかも首にマフラーなんか巻いちゃって…」
…マフラーぐらい巻くだろ!もう寒い季節なんだから!!
「歩き方にあのイメチェン…俺は男だアピールの癖強っ!」
「遂に宮学の《バイオハザード》襲来だよ!これ!!」
「うん!他の女の子たちにも注意を呼び掛けないとね!!」
「うわぁ!こっち見たぁ!」
『……。』
……………おいおい。宮学のバイオハザードってなんだよ…。
僕は謎のウィルスに感染したゾンビか…っての。
そして…11月第2週の土曜日…朝の女装後の美容院《クローシュ・ドレ》にて。
『…本当に僕にできるのかな…』
『大丈夫よ。普段から声が高めな信吾だもん。女の子をイメージして…とりあえず「あ」って言ってみて』
店内のあのロングソファーに座る、女の子姿の僕と詩織。
『……あ』
『おー!信吾!女の子の声、できてるよ!!』
…できた…!
パチパチと手を叩く詩織。
『じゃあ…次は女の子声を意識しながら、なんでもいいから女の子っぽいセリフとか一言、言ってみて』
『ぉ…女の子らしい…セリフ?』
『うん。ほら』
…僕はほとんど女の子と話したことがない…。
女の子ぽいセリフって…何を…お、思い浮かばない…。
『どうしたの?信吾…一言でいいんだから。早く』
『そ、そうは言われましても…!』
そして…悩んだ挙句、僕が不意に口にした言葉は…。
『み……みんな~♪こんにゃにゃニャ~♪元気してたかニャ…』
『待て待て待てーぇ!!』
『えっ?』
『待ちなさーい。信吾!なんでようやく出た一言が、Vtuberか何かの挨拶なのよ!!』
わざわざ振り付けまでつけて、Vtuberの《猫田ぺるしあ》の挨拶を真似たら突然…詩織に《待った!》を入れられたうえに、怒られたんだけど…あぁ。
…なんでもいいから、って詩織が言ったのに…理不尽。
『詩織、信吾くん。行くわよ』
アンナさんから《お出掛け》の合図。
『あ、はぁーい』
『はい』
急いで手帳を出し、詩織の《あの可愛い歩き方》を思い出す…ドキドキ。
思い出すって言っても、卑猥な意味で思い出してるわけじゃない。
詩織のあの可愛い歩き方を真似する…身につける。それができれば必ず、街の女の子らへの良い《武器》となるはず。
よし…と。
書き終えて手帳を鞄へ仕舞い、机の上の小さな置き鏡をちらりと覗く…黒ぶち眼鏡のない自分の顔。
詩織は《中性的でいい感じ》だと言ってた。
確かに…眉も細くなり、男子女子…思い方によってはどちらの顔にも見える…ヤバい!
コンタクトレンズ着用のみで大学なんて行ったら、また《ちょっと!あれ!見て!》なんて必ず言われる…。
でも、その黒ぶち眼鏡は使い捨てコンタクトレンズ2週間分と引き換えに、アンナさんに預けてしまった…。
コンタクトレンズを毎日着けてね、って言われたし。
明日は日曜日…仕方ない。
度の入ってない《伊達眼鏡》でも買いに行くか…。
月曜日。
僕はコンタクトレンズを着けた上にブロンズカラーのフレームの細い伊達眼鏡…黒ぶち伊達眼鏡なんて無かった…を掛け、マフラーを首に巻いて代学へと向かう。
ちゃんと《男歩き》を意識しながら、キャンパス内に入ると…。
「うわぁ…ちょっとちょっと!あれ…岩塚見てよ!」
「やだぁ…今度はダサい黒ぶち眼鏡やめて新しい眼鏡に変えたんだ…」
「しかも首にマフラーなんか巻いちゃって…」
…マフラーぐらい巻くだろ!もう寒い季節なんだから!!
「歩き方にあのイメチェン…俺は男だアピールの癖強っ!」
「遂に宮学の《バイオハザード》襲来だよ!これ!!」
「うん!他の女の子たちにも注意を呼び掛けないとね!!」
「うわぁ!こっち見たぁ!」
『……。』
……………おいおい。宮学のバイオハザードってなんだよ…。
僕は謎のウィルスに感染したゾンビか…っての。
そして…11月第2週の土曜日…朝の女装後の美容院《クローシュ・ドレ》にて。
『…本当に僕にできるのかな…』
『大丈夫よ。普段から声が高めな信吾だもん。女の子をイメージして…とりあえず「あ」って言ってみて』
店内のあのロングソファーに座る、女の子姿の僕と詩織。
『……あ』
『おー!信吾!女の子の声、できてるよ!!』
…できた…!
パチパチと手を叩く詩織。
『じゃあ…次は女の子声を意識しながら、なんでもいいから女の子っぽいセリフとか一言、言ってみて』
『ぉ…女の子らしい…セリフ?』
『うん。ほら』
…僕はほとんど女の子と話したことがない…。
女の子ぽいセリフって…何を…お、思い浮かばない…。
『どうしたの?信吾…一言でいいんだから。早く』
『そ、そうは言われましても…!』
そして…悩んだ挙句、僕が不意に口にした言葉は…。
『み……みんな~♪こんにゃにゃニャ~♪元気してたかニャ…』
『待て待て待てーぇ!!』
『えっ?』
『待ちなさーい。信吾!なんでようやく出た一言が、Vtuberか何かの挨拶なのよ!!』
わざわざ振り付けまでつけて、Vtuberの《猫田ぺるしあ》の挨拶を真似たら突然…詩織に《待った!》を入れられたうえに、怒られたんだけど…あぁ。
…なんでもいいから、って詩織が言ったのに…理不尽。
『詩織、信吾くん。行くわよ』
アンナさんから《お出掛け》の合図。
『あ、はぁーい』
『はい』
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