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女装と復讐 -発起編-
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僕は時計を見た…来年まであと56分。
今年を振り返ると、本当に色々あったなと改めて実感する。
受験…そして念願の宮端学院大学合格と藤浦市の西隣、佐原市での一人暮らしのスタート。
何と言っても、僕の人生最大の転機…それはやっぱり菊江のおっさんを介して、アンナさんと知り合ったこと。
心から信頼できる仲間や友達なんていなかった僕に、今はアンナさんや詩織や秋良さん、啓介さん、春華さん、大基さん…こんなに温かくて、まるで家族のような大切な仲間が一度にたくさんできた。
それに中学高校と、女の子と一言さえ交わしたことの無かった僕が…樋口絵里佳は例外として…今じゃ毎週、詩織と一緒に行動してずっと会話してる。凄い大革命。
何より…僕を《笑いもの》にした瀬ヶ池の女の子たちに復讐を誓い、女装を始めたのが今年一番の出来事…。
そういえば秋良さんは?…お酒をたらふく飲んで、酔ってふかふかカーペットに大の字になって、今ぐっすりと睡眠中。
部屋の向こうを見ると、大基さんも隅っこのほうで、やっぱりカーペットに横になって眠っている。
アンナさんはキッキンで後片付けと食器洗いを済ませ、おせち料理を作って重箱に綺麗に盛り付け中。
僕はお喋り中の春華さん、詩織、啓介さんの3人の近くへと移動して座った。
『今、何の話をしてるんですか?』
『色々と雑談だよ』
雑談か。そう啓介さんが教えてくれた。
『特に決まった話題はないんだけど…今は《丹波彩乃》って子が《G.F.アワード》に選ばれたって話をね』
…丹波彩乃。
僕はそう話してくれた春華さんの顔を、強張った表情でまじまじと見た。
『あの…僕、今《金魚が瀬ヶ池で1番になる》ってことに少し…自信を失いかけています…』
『ちょっと…急になに言い出すのよ…信吾』
詩織も、春華さんと啓介さんと同じく、僕を心配そうに見ている。
『詩織は…どう思う?金魚と丹波彩乃…どっちが見た目、可愛いって思う?』
『……そりゃ…』
返す言葉に詰まる詩織。
『だけど、金魚だって…本当に凄く可愛いって思うよ…本当に…』
…そういうことを僕は言っているんじゃないよ…詩織。
1番じゃなきゃ意味がないんだ…。
『…丹波彩乃だって《瀬ヶ池で1番》を目指したいって言っていたし…これからは…金魚の《見た目の可愛さを武器に》だけでは…無理かもしれない…』
僕のその予想外の発言に、テレビの他は誰もが黙り込んで…しんと静まり返ってた…。
今年を振り返ると、本当に色々あったなと改めて実感する。
受験…そして念願の宮端学院大学合格と藤浦市の西隣、佐原市での一人暮らしのスタート。
何と言っても、僕の人生最大の転機…それはやっぱり菊江のおっさんを介して、アンナさんと知り合ったこと。
心から信頼できる仲間や友達なんていなかった僕に、今はアンナさんや詩織や秋良さん、啓介さん、春華さん、大基さん…こんなに温かくて、まるで家族のような大切な仲間が一度にたくさんできた。
それに中学高校と、女の子と一言さえ交わしたことの無かった僕が…樋口絵里佳は例外として…今じゃ毎週、詩織と一緒に行動してずっと会話してる。凄い大革命。
何より…僕を《笑いもの》にした瀬ヶ池の女の子たちに復讐を誓い、女装を始めたのが今年一番の出来事…。
そういえば秋良さんは?…お酒をたらふく飲んで、酔ってふかふかカーペットに大の字になって、今ぐっすりと睡眠中。
部屋の向こうを見ると、大基さんも隅っこのほうで、やっぱりカーペットに横になって眠っている。
アンナさんはキッキンで後片付けと食器洗いを済ませ、おせち料理を作って重箱に綺麗に盛り付け中。
僕はお喋り中の春華さん、詩織、啓介さんの3人の近くへと移動して座った。
『今、何の話をしてるんですか?』
『色々と雑談だよ』
雑談か。そう啓介さんが教えてくれた。
『特に決まった話題はないんだけど…今は《丹波彩乃》って子が《G.F.アワード》に選ばれたって話をね』
…丹波彩乃。
僕はそう話してくれた春華さんの顔を、強張った表情でまじまじと見た。
『あの…僕、今《金魚が瀬ヶ池で1番になる》ってことに少し…自信を失いかけています…』
『ちょっと…急になに言い出すのよ…信吾』
詩織も、春華さんと啓介さんと同じく、僕を心配そうに見ている。
『詩織は…どう思う?金魚と丹波彩乃…どっちが見た目、可愛いって思う?』
『……そりゃ…』
返す言葉に詰まる詩織。
『だけど、金魚だって…本当に凄く可愛いって思うよ…本当に…』
…そういうことを僕は言っているんじゃないよ…詩織。
1番じゃなきゃ意味がないんだ…。
『…丹波彩乃だって《瀬ヶ池で1番》を目指したいって言っていたし…これからは…金魚の《見た目の可愛さを武器に》だけでは…無理かもしれない…』
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