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女装と復讐 -躍動編-
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アンナさんは小さなフォークで切り分けた、ケーキの一片を口へと運ぶ。
『…歩き方や話し方、細かな仕草、愛嬌ある笑顔…今や金魚は誰が見たって、本物の女の子以上に理想的…ってほどの、可愛い女の子になったわ…』
…そして紅茶をひと口、静かに含みコクッと飲んだ。
『だけど…丹波彩乃のように、あなたと詩織をライバル視する女の子たちは、針の穴ほどの小さな欠点の一つでも、難癖付けられる部分を見付け出そうと躍起になる…陰湿にね』
今は《おばタク》に送迎をお願いしてるけど、以前はアンナさんが送迎してくれてたことは、瀬ヶ池の女の子たちだって知ってる。
だからアンナさんの言うとおり、必ず金魚は最終的に、確かにこう言い攻められるはず…。
「金魚ちゃんが可愛い可愛いって…プロのアンナさんにメイクしてもらってるんだもん!当たり前じゃない!私たちは自分で頑張ってメイクしてるの!…ねぇ金魚ちゃん。あなたも自分でメイクして出直してきたら?……えーっ?うそ!?メイクできないの!?…金魚ちゃんも女の子でしょ。なのに?…ていうか、女の子として恥ずかしくない?自分でメイクできないとかさぁ…あはははは…」
『……。』
『だからアンナはね、実は先週から私に電話とかLINEで、もう相談してきてたのよ…ねー。アンナ』
えっ?ナオさんの声…?
振り返ると…確かにナオさんだ。詩織を2階の顔エステのスタッフに任せ、またお店に戻ってきた様子。
『信吾く…じゃなくて、金魚ちゃん。あなたは今まで毎週毎週、アンナのメイクテクを直に見て、自分の肌身で体感してきたじゃない?』
『…はい』
僕は頷いた。
『それは凄く運が良くて、凄く有り難いことよ』
…それは、なんとなく解ります。
『アンナは《メイクアップの精密機械》って言われてるくらい、メイクの仕上がりは繊細かつ緻密で、大胆なほどに色感や表現力も完璧なの。そんな凄いアンナ先生のテクニックを毎週見てきたんだから…』
『メイクアップの精密機械?私…そんなの初めて聞いたけど』
そう言うアンナさんに、ナオさんは《ちょっとプンプン顔》で答えた。
『ちょっとアンナ!私の話の腰を折らないで』
『えぇ?なに?今の、私が悪いの…?』
…コホンと小さく咳をして、ナオさんは改めて話を仕切り直した。
『まぁ…だから、金魚ちゃんのメイクテクの進歩は、どんな女の子よりも早いはず。絶対にね』
どんな女の子よりも?…って?
…はっ!?もしかして…!?
『…そうよ。ナオの質問攻めに負けて、話しちゃったわ。あなたの《復讐》のこと』
や…やっぱり。話しちゃいましたか…。
『とりあえず今から、金魚ちゃん専用のメイクボックスとメイク道具各種、全て揃えるから。もちろん《無料提供》だから安心して』
『…えっ!?な、ナオさん…本当に有り難いんですけど…ちょっと展開が早過ぎません…?』
ナオさんは『あははは』と笑った。
『…でも《善は急げ!》って言うじゃない?』
『…歩き方や話し方、細かな仕草、愛嬌ある笑顔…今や金魚は誰が見たって、本物の女の子以上に理想的…ってほどの、可愛い女の子になったわ…』
…そして紅茶をひと口、静かに含みコクッと飲んだ。
『だけど…丹波彩乃のように、あなたと詩織をライバル視する女の子たちは、針の穴ほどの小さな欠点の一つでも、難癖付けられる部分を見付け出そうと躍起になる…陰湿にね』
今は《おばタク》に送迎をお願いしてるけど、以前はアンナさんが送迎してくれてたことは、瀬ヶ池の女の子たちだって知ってる。
だからアンナさんの言うとおり、必ず金魚は最終的に、確かにこう言い攻められるはず…。
「金魚ちゃんが可愛い可愛いって…プロのアンナさんにメイクしてもらってるんだもん!当たり前じゃない!私たちは自分で頑張ってメイクしてるの!…ねぇ金魚ちゃん。あなたも自分でメイクして出直してきたら?……えーっ?うそ!?メイクできないの!?…金魚ちゃんも女の子でしょ。なのに?…ていうか、女の子として恥ずかしくない?自分でメイクできないとかさぁ…あはははは…」
『……。』
『だからアンナはね、実は先週から私に電話とかLINEで、もう相談してきてたのよ…ねー。アンナ』
えっ?ナオさんの声…?
振り返ると…確かにナオさんだ。詩織を2階の顔エステのスタッフに任せ、またお店に戻ってきた様子。
『信吾く…じゃなくて、金魚ちゃん。あなたは今まで毎週毎週、アンナのメイクテクを直に見て、自分の肌身で体感してきたじゃない?』
『…はい』
僕は頷いた。
『それは凄く運が良くて、凄く有り難いことよ』
…それは、なんとなく解ります。
『アンナは《メイクアップの精密機械》って言われてるくらい、メイクの仕上がりは繊細かつ緻密で、大胆なほどに色感や表現力も完璧なの。そんな凄いアンナ先生のテクニックを毎週見てきたんだから…』
『メイクアップの精密機械?私…そんなの初めて聞いたけど』
そう言うアンナさんに、ナオさんは《ちょっとプンプン顔》で答えた。
『ちょっとアンナ!私の話の腰を折らないで』
『えぇ?なに?今の、私が悪いの…?』
…コホンと小さく咳をして、ナオさんは改めて話を仕切り直した。
『まぁ…だから、金魚ちゃんのメイクテクの進歩は、どんな女の子よりも早いはず。絶対にね』
どんな女の子よりも?…って?
…はっ!?もしかして…!?
『…そうよ。ナオの質問攻めに負けて、話しちゃったわ。あなたの《復讐》のこと』
や…やっぱり。話しちゃいましたか…。
『とりあえず今から、金魚ちゃん専用のメイクボックスとメイク道具各種、全て揃えるから。もちろん《無料提供》だから安心して』
『…えっ!?な、ナオさん…本当に有り難いんですけど…ちょっと展開が早過ぎません…?』
ナオさんは『あははは』と笑った。
『…でも《善は急げ!》って言うじゃない?』
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