323 / 491
女装と復讐 -街華編-
page.307
しおりを挟む
『金魚…あのね…』
iPhoneをまた、膝の上に乗せたハンドバッグの中に戻し入れながら、詩織は僕に話し掛けてきた。
『うん。泉美ちゃんから…?』
僕が振り向き眺めていた詩織の横顔が、ぷいっとこっちに振り向いた。そして互いを見合う。
『そうなの。お久しぶりーな泉美ちゃんからの電話だったんだけどね…』
『うん。それで?』
…ってか詩織。もっと早く、テンポ良く話してよ…。
「金魚の偽物がね…新井早瀬駅のスタバに居るんだって…っていう電話」
詩織が運転中の岡ちゃんに聞こえないように、小声で僕に教えてくれた。
「へぇ…そうなんだ」
『…でもいいよね。わざわざ確認しに行かなくても。もう時間もあんまり無いし』
鈴ちゃんとのランチの待ち合わせ時間は、今日は午後0時10分。場所はアンプリエのあの大きな玄関口の前。
今日は15階にある中華料理屋さんでランチの予定…って、それはまぁいいとして…。
詩織は実は極度の《待ち合わせ時間、超厳守っ子》。《5分前行動》どころか、30分前に待ち合わせ場所に向かい到着…ってことも、全然へっちゃらって子だ。
『いつ、何が起こるか分からないでしょ?だから行動はいつでも早いほうがいいの!』…とは言っても、詩織…30分前ってのはさすがに…。
例えば『待ち合わせ時間までに、まだ25分は余裕があるよ』って、『25分もあれば、偽物金魚の横顔くらい、ちらっとでも見られるんじゃない?』なんて僕が詩織に言ったとしても、詩織の脳内変換に任せたら《25分じゃ時間があんまり無い》…である。
そしてもう一つ、僕も詩織も金魚の偽物を、わざわざ追い込むようなことはしない…つまり完全な《野放し状態》にしている理由がある。
それは…偽物金魚の存在自体はべつに、僕…本物金魚には何の被害も無いみたいだから。
瀬ヶ池の女の子たちも、もう《本物》と《偽物》の区別もできてるようだし。
ただひとつ、前から気になってたのは…逆に瀬ヶ池の女の子の誰かに【そろそろ、あの金魚ちゃんの偽物をうちらで捕まえて、ぎゃふんと言わせちゃおっか!?】などと《カラフル》に書き込まれてたのを、偶然にも見てしまったこと。
まさか…ね?
まぁ、いずれにしても…とにかく本物金魚への悪影響は今のところ無いんだし、この件に関しては、放置でもいいかな…ってことで。
…もうすぐ午後1時。詩織と僕と鈴ちゃんは4人用のテーブル席に座り、美味しかった《飲茶と餃子とミニ炒飯のランチ&スープ付き》を食べ終えて、ちらほらと雑談を始めていた。
iPhoneをまた、膝の上に乗せたハンドバッグの中に戻し入れながら、詩織は僕に話し掛けてきた。
『うん。泉美ちゃんから…?』
僕が振り向き眺めていた詩織の横顔が、ぷいっとこっちに振り向いた。そして互いを見合う。
『そうなの。お久しぶりーな泉美ちゃんからの電話だったんだけどね…』
『うん。それで?』
…ってか詩織。もっと早く、テンポ良く話してよ…。
「金魚の偽物がね…新井早瀬駅のスタバに居るんだって…っていう電話」
詩織が運転中の岡ちゃんに聞こえないように、小声で僕に教えてくれた。
「へぇ…そうなんだ」
『…でもいいよね。わざわざ確認しに行かなくても。もう時間もあんまり無いし』
鈴ちゃんとのランチの待ち合わせ時間は、今日は午後0時10分。場所はアンプリエのあの大きな玄関口の前。
今日は15階にある中華料理屋さんでランチの予定…って、それはまぁいいとして…。
詩織は実は極度の《待ち合わせ時間、超厳守っ子》。《5分前行動》どころか、30分前に待ち合わせ場所に向かい到着…ってことも、全然へっちゃらって子だ。
『いつ、何が起こるか分からないでしょ?だから行動はいつでも早いほうがいいの!』…とは言っても、詩織…30分前ってのはさすがに…。
例えば『待ち合わせ時間までに、まだ25分は余裕があるよ』って、『25分もあれば、偽物金魚の横顔くらい、ちらっとでも見られるんじゃない?』なんて僕が詩織に言ったとしても、詩織の脳内変換に任せたら《25分じゃ時間があんまり無い》…である。
そしてもう一つ、僕も詩織も金魚の偽物を、わざわざ追い込むようなことはしない…つまり完全な《野放し状態》にしている理由がある。
それは…偽物金魚の存在自体はべつに、僕…本物金魚には何の被害も無いみたいだから。
瀬ヶ池の女の子たちも、もう《本物》と《偽物》の区別もできてるようだし。
ただひとつ、前から気になってたのは…逆に瀬ヶ池の女の子の誰かに【そろそろ、あの金魚ちゃんの偽物をうちらで捕まえて、ぎゃふんと言わせちゃおっか!?】などと《カラフル》に書き込まれてたのを、偶然にも見てしまったこと。
まさか…ね?
まぁ、いずれにしても…とにかく本物金魚への悪影響は今のところ無いんだし、この件に関しては、放置でもいいかな…ってことで。
…もうすぐ午後1時。詩織と僕と鈴ちゃんは4人用のテーブル席に座り、美味しかった《飲茶と餃子とミニ炒飯のランチ&スープ付き》を食べ終えて、ちらほらと雑談を始めていた。
2
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-
ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。
1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。
わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。
だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。
これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。
希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。
※アルファポリス限定投稿
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる