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女装と復讐 -街華編-
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僕は、詩織の言った『歩美さんは凄い!』の意味が何も理解できず、2人を交互にキョロキョロと忙しく見た。
『ねぇ鮎美ちゃん、ちょっと立って見せて!』
『えっ?…えっ!?』
詩織にそう促され、歩美さんは恥ずかしそうに体をモジモジさせながらも、膝の上の小さなバッグを横の空いていた椅子に置き、ゆっくりと立ち上がって見せてくれた。
『金魚だって、鮎美ちゃんちょー可愛いー♪って思うよね!?』
『えっ?…うん。思う』
《超可愛い》から《凄い》ってこと?
えっと…どういうこと??
詩織は、今度は歩美さんを勢いよく指差した。
『見て!この水色の可愛いワンピね、日本のどこにも売ってないんだよ!凄くない!?』
…輸入物?
歩美さんが、ちらりと僕を見た。
『べ、別に…そんなに驚くほど凄い物じゃないの。素人の私が家で…自分で作ったワンピースだから…』
『えっ!?…これ、手作り!?』
僕は半信半疑で…今度はちゃんと、しっかりと歩美さんの手作りの水色ワンピースをよく見た…。
『ほんとに、そんな…。凄い物じゃないから…』
いやいや。歩美さんはそうは言うけど…どう見たって凄い!
普通に、女の子の服を売ってるお店の店頭に並んでても、全然おかしくないくらいのワンピース。
『あの…もう座ってもいい?』
『あっ!ごめんね。』
僕もサッと席に戻り座る。
『ちなみにね…このワンピースは、作る前はカーテンだったの。オーストリアのとあるお宅で大切に、20年くらい使われてた物だって…』
ほらほら…やっぱり凄いし!
元はカーテンの生地で、しかもオーストリアからの輸入物…!
説明の続きを聞いていると…どうやら、そういう海外の古い縫製品を安価で輸入し、販売しているお知り合いがいるらしい。
その方の倉庫の中を《特別に》覗かせてもらって、半日掛かりで膨大な縫製品の中から、このワンピースの元となったカーテンを見付け、一目惚れし購入したんだとか。
…そんな粋なエピソードを聞いているだけで、歩美さんって本当にお洒落だって改めて実感が深まるし…凄くカッコよく見えてくる。
『…でね、私元々…自分で服をデザインして、作って売るお仕事が子どもの頃からの夢で、高校を卒業してから縫製デザインの専門学校に通ってたの…』
その夢のきっかけは、小学校の頃の家庭科の授業で作った雑巾らしい。
そしてミシン歴は、もう10年以上なんだとか。
『結局…私の夢見た業界は就職さえも厳しいって言われてて、それで専門学校を卒業しても夢は叶わなかったけど…ちょっとだけ高価な自分専用のミシンを買って…家で自分の着る服を作ったり、趣味でテディベアを作ったり、そのテディベアに洋服を作ってあげたり…』
『ねぇ鮎美ちゃん、ちょっと立って見せて!』
『えっ?…えっ!?』
詩織にそう促され、歩美さんは恥ずかしそうに体をモジモジさせながらも、膝の上の小さなバッグを横の空いていた椅子に置き、ゆっくりと立ち上がって見せてくれた。
『金魚だって、鮎美ちゃんちょー可愛いー♪って思うよね!?』
『えっ?…うん。思う』
《超可愛い》から《凄い》ってこと?
えっと…どういうこと??
詩織は、今度は歩美さんを勢いよく指差した。
『見て!この水色の可愛いワンピね、日本のどこにも売ってないんだよ!凄くない!?』
…輸入物?
歩美さんが、ちらりと僕を見た。
『べ、別に…そんなに驚くほど凄い物じゃないの。素人の私が家で…自分で作ったワンピースだから…』
『えっ!?…これ、手作り!?』
僕は半信半疑で…今度はちゃんと、しっかりと歩美さんの手作りの水色ワンピースをよく見た…。
『ほんとに、そんな…。凄い物じゃないから…』
いやいや。歩美さんはそうは言うけど…どう見たって凄い!
普通に、女の子の服を売ってるお店の店頭に並んでても、全然おかしくないくらいのワンピース。
『あの…もう座ってもいい?』
『あっ!ごめんね。』
僕もサッと席に戻り座る。
『ちなみにね…このワンピースは、作る前はカーテンだったの。オーストリアのとあるお宅で大切に、20年くらい使われてた物だって…』
ほらほら…やっぱり凄いし!
元はカーテンの生地で、しかもオーストリアからの輸入物…!
説明の続きを聞いていると…どうやら、そういう海外の古い縫製品を安価で輸入し、販売しているお知り合いがいるらしい。
その方の倉庫の中を《特別に》覗かせてもらって、半日掛かりで膨大な縫製品の中から、このワンピースの元となったカーテンを見付け、一目惚れし購入したんだとか。
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『…でね、私元々…自分で服をデザインして、作って売るお仕事が子どもの頃からの夢で、高校を卒業してから縫製デザインの専門学校に通ってたの…』
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『結局…私の夢見た業界は就職さえも厳しいって言われてて、それで専門学校を卒業しても夢は叶わなかったけど…ちょっとだけ高価な自分専用のミシンを買って…家で自分の着る服を作ったり、趣味でテディベアを作ったり、そのテディベアに洋服を作ってあげたり…』
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