女装と復讐は街の華

筆鼬

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女装と復讐 -完結編-

page.377

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撮影…撮影…撮影とサイン…撮影…撮影…撮影…サイン…撮影…撮影…。

あぁもう!ここに居たらキリがない!
なんて思ってるうちに、次の女の子たちが来た…。


『あの、私たちも金魚ちゃんと一緒に写真撮ってもらってい…』

『ちょっ…ちょっと待って!』


振り向いて、黙ってツーショット撮影のカメラをずーっと任せられ続けていた詩織を、僕は勢いよく見た。


「…ねぇ詩織…」

「うん…なぁに?」

「カメラの撮影ばっかりお願いしてて…ごめん」

「えっ?うぅん。私は全然平気よ。だから気にしないで」

「……。」


待ってる女の子たちが、疑うような目でこっちを見てる…。

詩織は身体ごと、僕の方へと振り返った。


「じゃなくて…本当は私に別に言いたいこと、あるんじゃないの?」

「う、うん。あのさ…キリがないし…もう僕たち、どこか行こう…」

「ぷっ、きゃははははー。ねー。キリないよねー。じゃあ…」

「??」
「…?」


誰にも聞かれないよう小声で囁き合ったあと、詩織は寄り集まる女の子たち集団のほうを見た。


『金魚ちゃーん…まだですか…?』

『並んで待ってるみんなー!ごめんなさーい!彼女たちとのツーショットを、今日の撮影の最後にしまーす!』


『えーっ!!』と反論の声を上げる女の子たち集団。


『金魚と私、これから大事な用があるの。だから…本当にみんな、ごめんね!』


本日最後の、女の子たち2人との撮影をさっさと済ませ、僕らはハイカラ通りから逃げるように、足早に立ち去った…。

ちなみに…解ってるとは思うけど《大事な用があるから》ってのは…その場凌ぎの嘘です。ごめん。



忘れてはならない。僕らの1番の目的は…丹波彩乃。

あの《鈴&彩乃姉妹の喧嘩》の件以来、彩乃の姿はこのハイカラ通りから…瀬ヶ池から忽然と消えてしまった。

何の噂さえも聞かな…いや、《彩乃は東京都内某所に出没している》みたいな書き込み…噂?を、《カラフル》でちらっと見た…気がするけど…本当?


『…ねぇ詩織、これから…あとどうする?』

『うーん…ねぇ。どうしよう…』


今更だけど確認。

藤浦市の繁華街、メインスポットといったら…今居た《ハイカラ通り》と《嘉久見大通り》、その嘉久見大通りの真ん中に建つ超高層ビル《la satif emplieレセティ・アンプリエ》…それと《新井早瀬駅周辺》もかな。

他にも《Tシャツ横丁》とか《PARCO早瀬ヶ池店》とか、他のお店とかもあるけど…。

でも…宮学のあの好男子《斎藤義人》がいつも居るTシャツ横丁だけは…勘弁してください…。


『…夏休み中、こうも毎日毎日、早瀬ヶ池とか嘉久見大通りに来てたら、なーんか行きたいってとこ、無くなっちゃったね…』


今まで…長い長い夏季休暇の前までは、《瀬ヶ池や嘉久見大通りに行くのは週1回。土曜日だけ》だったから、あまり《飽きる…》ということなく良かったけど…。

…行き場に悩む詩織…そして僕、金魚。
それでも話し合った結果…。


『…じゃあ、金魚。仕方ないから、またアンプリエの中を、ぶらぶらとお散歩する…?』

『うん。仕方ないよね…』

『外を歩くより、アンプリエのお散歩のほうが、紫外線とか日焼けとかも、気にしなくていいから楽だしねー』

『あー。確かに』


2日前にアンプリエ内にある、女の子たちに人気のあのカフェ・スィーツ店《フィユタージュ》に行ったばかり…。


…結局、アンプリエ内の散歩も40分後には飽きて、そのあとは悩みに悩んだ末…地下鉄を利用して、秋良さん達の事務所に遊びに行こう!ってなって…歩美さんを僕らのお喋りに巻き込んで、忙しいのに仕事の邪魔をしちゃって…。

でも楽しかった…みんなでいっぱい笑った。
最後まで我慢してくれた秋良さん…ありがとうございます。






…結局…午後7時過ぎまで、また瀬ヶ池の街を歩き回って、やっとナオさんの化粧品に戻ってきた…。






















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