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女装と復讐 -完結編-
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《瀬ヶ池のドジョウ》と呼ばれている彼が、今立っているあの場所…。
《瀬ヶ池のメダカ》と呼ばれていた僕が、去年の秋まで居たのと同じ場所だ。
『詩織…』
『うん。なに?』
『《瀬ヶ池のメダカ》って…あんな感じだった?』
詩織にそれを教えてもらいたくて…それと彼を自分の目で見て確かめたくて…それでここに来たんだ。
『そうね…。感じは少し似てたかも…』
…あんなふうだったのか…。
『けど、雰囲気とかは《瀬ヶ池のメダカ》のほうが、もうちょっとだけ《まし》だったって思う』
…まし…。
僕はじっとじっと…彼を観察してた…。
それに黙って付き合ってくれてた詩織。本当にありがとう…って思う。
しばらく彼を見ていたら…ある《想い》が胸に込み上げてきた。
その想いの衝動に背中を強く押され、黙って行こうとした僕の左腕を、詩織の右手がぎゅっと掴み、それを阻止。
『ちょっと金魚!どこに行くつもり!?』
僕と詩織…睨み合うように、お互いの視線を交わす。
『ちょっとだけ、彼と話したい…』
『なに言ってんの!そんなのダメ!あんなのに関わらないほうがいいってば!!』
『…だけど…』
僕はもう、それを許してもらうために、詩織に《お願い》し続けることしかできなかった…。
『お願い…詩織、お願い…』
『……はぁ…』
詩織は小さくため息を吐いた。そして…。
『…んもぅ!信吾って、ほんっとに頑固者なんだから!』
…僕『この頑固者!』って怒られた…。
『じゃあ、そこまでお願いお願いって言うのなら、彼と話をしたいっていう《理由》を、ちゃんと私に説明して!』
『…そう。なるほどね…分かったわ。じゃあ私も行く…』
『ごめん…ありがとう。詩織』
意を決して歩き出した僕…金魚。そして僕の少し後ろを付いて来てくれている詩織。
たくさんの女の子たちが往来する大通りのなか、どんどん彼に近づいてゆく…。
「お願いしまぁぁす…誰かぁぁ、可愛い女の子さぁぁん…ちょっとでいいんでぇぇす…僕とお話してくださぁぁい…」
彼の声が徐々に、よく聞こえる距離にまで近づいてきた…。
こんなにたくさんの女の子たちが行き来しているのに、彼の目の前…またその周りだけ女の子たちは避けて、広く空いてるのがよく分かる。
女の子たちは…彼を見て笑ってる。
そして無視して避けて通り過ぎ…または彼を睨み付けながら通り過ぎてゆく。
嫌われ笑われている、瀬ヶ池のドジョウ…。
…遂に、僕は彼のすぐ目の前まで来た…。
『あの…』
『…えぇぇ?』
想像どおりだけど…金魚に声を掛けられ、驚いているドジョウ。
『私がこんなこと言っても…怒らないで…』
『き…君、あの有名な金魚だよねぇぇ!?』
会話が交差する。だけど僕は彼のそれに答えず、僕の話したいことを押し進めた。
『…今すぐ…《声掛け》を止めてください』
『えぇぇ?』
《瀬ヶ池のメダカ》と呼ばれていた僕が、去年の秋まで居たのと同じ場所だ。
『詩織…』
『うん。なに?』
『《瀬ヶ池のメダカ》って…あんな感じだった?』
詩織にそれを教えてもらいたくて…それと彼を自分の目で見て確かめたくて…それでここに来たんだ。
『そうね…。感じは少し似てたかも…』
…あんなふうだったのか…。
『けど、雰囲気とかは《瀬ヶ池のメダカ》のほうが、もうちょっとだけ《まし》だったって思う』
…まし…。
僕はじっとじっと…彼を観察してた…。
それに黙って付き合ってくれてた詩織。本当にありがとう…って思う。
しばらく彼を見ていたら…ある《想い》が胸に込み上げてきた。
その想いの衝動に背中を強く押され、黙って行こうとした僕の左腕を、詩織の右手がぎゅっと掴み、それを阻止。
『ちょっと金魚!どこに行くつもり!?』
僕と詩織…睨み合うように、お互いの視線を交わす。
『ちょっとだけ、彼と話したい…』
『なに言ってんの!そんなのダメ!あんなのに関わらないほうがいいってば!!』
『…だけど…』
僕はもう、それを許してもらうために、詩織に《お願い》し続けることしかできなかった…。
『お願い…詩織、お願い…』
『……はぁ…』
詩織は小さくため息を吐いた。そして…。
『…んもぅ!信吾って、ほんっとに頑固者なんだから!』
…僕『この頑固者!』って怒られた…。
『じゃあ、そこまでお願いお願いって言うのなら、彼と話をしたいっていう《理由》を、ちゃんと私に説明して!』
『…そう。なるほどね…分かったわ。じゃあ私も行く…』
『ごめん…ありがとう。詩織』
意を決して歩き出した僕…金魚。そして僕の少し後ろを付いて来てくれている詩織。
たくさんの女の子たちが往来する大通りのなか、どんどん彼に近づいてゆく…。
「お願いしまぁぁす…誰かぁぁ、可愛い女の子さぁぁん…ちょっとでいいんでぇぇす…僕とお話してくださぁぁい…」
彼の声が徐々に、よく聞こえる距離にまで近づいてきた…。
こんなにたくさんの女の子たちが行き来しているのに、彼の目の前…またその周りだけ女の子たちは避けて、広く空いてるのがよく分かる。
女の子たちは…彼を見て笑ってる。
そして無視して避けて通り過ぎ…または彼を睨み付けながら通り過ぎてゆく。
嫌われ笑われている、瀬ヶ池のドジョウ…。
…遂に、僕は彼のすぐ目の前まで来た…。
『あの…』
『…えぇぇ?』
想像どおりだけど…金魚に声を掛けられ、驚いているドジョウ。
『私がこんなこと言っても…怒らないで…』
『き…君、あの有名な金魚だよねぇぇ!?』
会話が交差する。だけど僕は彼のそれに答えず、僕の話したいことを押し進めた。
『…今すぐ…《声掛け》を止めてください』
『えぇぇ?』
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