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女装と復讐 -完結編-
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自らお屋敷に出向き、直接面談して謝罪する…。
実際には有りもしなかった罪を認める…それがどういうことを意味するか。
そんなことは、雄二さんだって冴嶋社長だって解ってる。だけど…。
高須賀あずさのお父様は《愛娘の所属する芸能事務所が、他の芸能事務所と比べて見劣りしていてはならない》と、冴嶋プロダクションに巨額の支援金を投入してくれていた、間違いなく事務所きって一番の《大切な後援者様》である。
もし何かほんの小さなことであっても、それがきっかけとなって、あずさの父の機嫌を害して《今後の支援継続を解消》なんてことにでもなったら…。
…そうなったら、冴嶋プロダクションの今後を左右する大問題となるのは必至。
冴嶋社長は何度も何度も、雄二さんの意思を再確認し、社長も意を決して高須賀邸へと再び電話。
電話に応対したお母さまに『直接撮影に関わったカメラマン《中澤雄二》が、ご自宅に出向いて面会し直接、謝罪を申したいと願い出ているのですが』と伝えたが…。
…お母様はそれを拒否。
けれどその一言だけでは諦めないで、最後まで粘り強く交渉を続けると…『じゃあ1時間だけなら』と、許しを得られた。
冴嶋社長と雄二さんが高須賀邸に到着し、応接室へと案内されると、迎えてくれたのは高須賀あずさのご両親…だけ。
あずさ当人は、やはり部屋に閉じ篭っていらとお母様は言う。
冷静さを装いながらも時折、酷く怒鳴るお父様に対し、冴嶋社長が見守るなか…雄二さんは、とにかく何度も謝罪の言葉を口にし、何度も頭を下げた。
本当は《セクハラ紛いな行為》なんて無かったことを、お母様は知っていたんじゃないだろうか。
撮影現場はここ…高須賀邸。そして撮影のあいだ、お母様はとなりの部屋に居たんだし…。
部屋を出て応接室へと、下りてこない娘のあずさに、お母様は『娘の携帯に直接電話してみます』と提案。
自宅の固定電話の子機を使い、あずさの携帯に電話。
『…今、中澤さんに代わります。だから電話を切らないで、ちょっと待ってなさい』
そう言って、電話の子機を雄二さんに手渡した。
…しばらく続いた雄二さんの『もしもし…もしもし…』だけの言葉。
辛抱強く『もしもし』と語り掛け続けてやっと、それに根負けしたのか…あずさが少しずつ…ぽつりぽつりと小さな声で語りはじめた。
『!!』
あずさの、今の自分の心境を語るその声が、漏れて他の誰にも聞かれないよう、雄二さんは子機の受話部を自分の耳に強く押さえつけた…。
実際には有りもしなかった罪を認める…それがどういうことを意味するか。
そんなことは、雄二さんだって冴嶋社長だって解ってる。だけど…。
高須賀あずさのお父様は《愛娘の所属する芸能事務所が、他の芸能事務所と比べて見劣りしていてはならない》と、冴嶋プロダクションに巨額の支援金を投入してくれていた、間違いなく事務所きって一番の《大切な後援者様》である。
もし何かほんの小さなことであっても、それがきっかけとなって、あずさの父の機嫌を害して《今後の支援継続を解消》なんてことにでもなったら…。
…そうなったら、冴嶋プロダクションの今後を左右する大問題となるのは必至。
冴嶋社長は何度も何度も、雄二さんの意思を再確認し、社長も意を決して高須賀邸へと再び電話。
電話に応対したお母さまに『直接撮影に関わったカメラマン《中澤雄二》が、ご自宅に出向いて面会し直接、謝罪を申したいと願い出ているのですが』と伝えたが…。
…お母様はそれを拒否。
けれどその一言だけでは諦めないで、最後まで粘り強く交渉を続けると…『じゃあ1時間だけなら』と、許しを得られた。
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あずさ当人は、やはり部屋に閉じ篭っていらとお母様は言う。
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本当は《セクハラ紛いな行為》なんて無かったことを、お母様は知っていたんじゃないだろうか。
撮影現場はここ…高須賀邸。そして撮影のあいだ、お母様はとなりの部屋に居たんだし…。
部屋を出て応接室へと、下りてこない娘のあずさに、お母様は『娘の携帯に直接電話してみます』と提案。
自宅の固定電話の子機を使い、あずさの携帯に電話。
『…今、中澤さんに代わります。だから電話を切らないで、ちょっと待ってなさい』
そう言って、電話の子機を雄二さんに手渡した。
…しばらく続いた雄二さんの『もしもし…もしもし…』だけの言葉。
辛抱強く『もしもし』と語り掛け続けてやっと、それに根負けしたのか…あずさが少しずつ…ぽつりぽつりと小さな声で語りはじめた。
『!!』
あずさの、今の自分の心境を語るその声が、漏れて他の誰にも聞かれないよう、雄二さんは子機の受話部を自分の耳に強く押さえつけた…。
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