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女装と復讐 -完結編-
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『今日はちょっとね、今から唐突にメンバー全員集合させるってのは…難しいと思うの』
『はい』
『明日また、ここに来られる?…なんて、毎日スケジュールいっぱいで忙しそうな鈴ちゃんだから、それは難しいかもしれな…』
『いえ。大丈夫です。明日また来ます』
少し緊張気味な表情だったけど、それでも笑顔を作りながら即答した鈴ちゃん。
『じゃあ今からメンバーのみんなに、明日集まってくれるよう連絡を入れてみるから』
『はい。本当にありがとうございます』
『ねぇ、鈴ちゃん』
今度は詩織が鈴ちゃんに声を掛けた。
『集合時間のほうは決まったら、私から鈴ちゃんに連絡するね♪』
『うん。ありがとう詩織ちゃん』
お店の電話から、秋良さんのiPhoneに電話しているアンナさん。
「はぁぁーっ!?マジでー!?」
…電話の受話器から、鈴ちゃんのアンナファミリー新加入の話を聞いた秋良さんの、驚いてる様子の叫び声が、はっきりと漏れて聞こえてきた…。
それで声に出して『あはは』『きゃははは♪』と、体を小さく揺らしながら笑ってる鈴ちゃんと詩織。
秋良さんや他のメンバーへの電話連絡が全て終わって…。
『では、今日のところは失礼します』と、そろそろ帰ろうとした鈴ちゃんを引き留め、『今夜一晩だけ、うちに泊まりに来ない?ね?いいよね?』って、詩織が鈴ちゃんを強引に誘いだした…。
『えっと…じゃあ信吾くんも、詩織ちゃんの家に一緒にお泊まりどう?』
『あー。ダメダメ。鈴ちゃんダメなの。信吾は明日もナオさんのお店でメイクのアルバイトだから忙しいし。だから朝が早いし。それにお年頃の男子だし』
…お、お年頃の男子だしって…。
『だからお泊まりは無理よねー。信吾』
詩織が僕にそう訊いてきた…いかにも強制的に合意させるかのように…。
『…。』
『ねー』
『…。』
『ねー…?』
『……。』
『ほらぁ。信吾もお泊まりできないって言ってるよ。鈴ちゃん』
ちょ、ちょっと…。
僕、何も言ってないんだけど…。
そして詩織は振り向いて…僕に恐怖を感じさせるような、愛嬌ある笑顔を見せてきたもんだから…僕は慌てて畏れ慄きながら、大きくウンウン!と…鈴ちゃんと詩織に大きく頷いて見せた…本気の詩織こわっ。
…というわけで、今日もなんとか無事に自分のアパートに帰宅…ふぅ。
アンナさんの美容院からの帰りの際…詩織の『うちのお風呂、実はけっこう広いんだよー』『一緒にお背中の洗いっこしよっか?鈴ちゃん』『一緒に入ろう♪』って…。
小悪魔な詩織が、天使の鈴ちゃんを一緒のお風呂に誘うんじゃないっての…。
僕のことを《お年頃の男子》なんて言っときながら、そんなお年頃になにを想像させるつもりか…っての。ったく。
僕は玄関扉を静かに閉め、靴を脱いでふらふらと廊下を進み…部屋へ入って、ふとパソコンデスクの横の壁を見た。
そこに貼ってある一枚の手作りポスター。
雄二さんが撮ってくれた、詩織と春華さんと金魚がロングソファーに寄り添って座り、無邪気に笑ってる写真。
あ…そういえば、秋良さんが《雄二さんみたいな男になりたい》って言っていたのを、ふと思い出したんだけど…今ならその理由が解る。
そんな気がした…。
『はい』
『明日また、ここに来られる?…なんて、毎日スケジュールいっぱいで忙しそうな鈴ちゃんだから、それは難しいかもしれな…』
『いえ。大丈夫です。明日また来ます』
少し緊張気味な表情だったけど、それでも笑顔を作りながら即答した鈴ちゃん。
『じゃあ今からメンバーのみんなに、明日集まってくれるよう連絡を入れてみるから』
『はい。本当にありがとうございます』
『ねぇ、鈴ちゃん』
今度は詩織が鈴ちゃんに声を掛けた。
『集合時間のほうは決まったら、私から鈴ちゃんに連絡するね♪』
『うん。ありがとう詩織ちゃん』
お店の電話から、秋良さんのiPhoneに電話しているアンナさん。
「はぁぁーっ!?マジでー!?」
…電話の受話器から、鈴ちゃんのアンナファミリー新加入の話を聞いた秋良さんの、驚いてる様子の叫び声が、はっきりと漏れて聞こえてきた…。
それで声に出して『あはは』『きゃははは♪』と、体を小さく揺らしながら笑ってる鈴ちゃんと詩織。
秋良さんや他のメンバーへの電話連絡が全て終わって…。
『では、今日のところは失礼します』と、そろそろ帰ろうとした鈴ちゃんを引き留め、『今夜一晩だけ、うちに泊まりに来ない?ね?いいよね?』って、詩織が鈴ちゃんを強引に誘いだした…。
『えっと…じゃあ信吾くんも、詩織ちゃんの家に一緒にお泊まりどう?』
『あー。ダメダメ。鈴ちゃんダメなの。信吾は明日もナオさんのお店でメイクのアルバイトだから忙しいし。だから朝が早いし。それにお年頃の男子だし』
…お、お年頃の男子だしって…。
『だからお泊まりは無理よねー。信吾』
詩織が僕にそう訊いてきた…いかにも強制的に合意させるかのように…。
『…。』
『ねー』
『…。』
『ねー…?』
『……。』
『ほらぁ。信吾もお泊まりできないって言ってるよ。鈴ちゃん』
ちょ、ちょっと…。
僕、何も言ってないんだけど…。
そして詩織は振り向いて…僕に恐怖を感じさせるような、愛嬌ある笑顔を見せてきたもんだから…僕は慌てて畏れ慄きながら、大きくウンウン!と…鈴ちゃんと詩織に大きく頷いて見せた…本気の詩織こわっ。
…というわけで、今日もなんとか無事に自分のアパートに帰宅…ふぅ。
アンナさんの美容院からの帰りの際…詩織の『うちのお風呂、実はけっこう広いんだよー』『一緒にお背中の洗いっこしよっか?鈴ちゃん』『一緒に入ろう♪』って…。
小悪魔な詩織が、天使の鈴ちゃんを一緒のお風呂に誘うんじゃないっての…。
僕のことを《お年頃の男子》なんて言っときながら、そんなお年頃になにを想像させるつもりか…っての。ったく。
僕は玄関扉を静かに閉め、靴を脱いでふらふらと廊下を進み…部屋へ入って、ふとパソコンデスクの横の壁を見た。
そこに貼ってある一枚の手作りポスター。
雄二さんが撮ってくれた、詩織と春華さんと金魚がロングソファーに寄り添って座り、無邪気に笑ってる写真。
あ…そういえば、秋良さんが《雄二さんみたいな男になりたい》って言っていたのを、ふと思い出したんだけど…今ならその理由が解る。
そんな気がした…。
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