女装と復讐は街の華

筆鼬

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女装と復讐 -完結編-

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…あっ!……ぇ?

鈴ちゃんが僕を見た。
そして、なんだか意味あり気にニコッと笑ってすぐ真顔に戻って…視線は僕から、またみんなの方へ。


『私が今から皆さんにお話ししたい《大事なこと》というのは…』






『…金魚ちゃんの《復讐実行の頃合い》についてのお話です…』


…!!

その一言を耳にしたアンナさんは、鈴ちゃんを静かに注視した。

それにすぐに気付いた鈴ちゃんも、同じように一瞬だけ、ちらりとアンナさんを見た。


『…皆さんも、もうご存知かもしれませんが…岡本詩織ちゃんと、池川金魚ちゃんこと岩塚信吾くんは、私も所属している芸能事務所《冴嶋プロダクション》がお預かりすることになります…』


それは《僕と詩織が早瀬ヶ池…藤浦市を離れ、東京へと行ってしまう》ことを意味する。

僕らが東京都内に引っ越しをして、本格的に芸能活動が始まれば、今までのように気軽に瀬ヶ池に出掛ける…藤浦市に戻ることは、しばらくはできなくなる。

それも何ヶ月とか…2年とか3年とかって単位で…。

それと《G.F.》の専属モデルも、金魚も詩織も辞めることになる。
僕らの専属モデルを引き継いでくれる誰かを探さないと…。


『…それと、早瀬ヶ池に出掛けられない空白の期間が長くなればなるほど、早瀬ヶ池の女の子たちの、金魚ちゃんや詩織ちゃんに向ける憧れや興味の熱はどんどん冷めて、失っていく可能性も否めません…』


瀬ヶ池の女の子たちが、すっかり僕らへの《興味を失ってしまったあと》になって、今さら《実は金魚はオトコでしたー》なんて真実を打ち明けても…興味がないんだからもう驚きもない、冷めてしまってて復讐なんてできない…そう説明する鈴ちゃん。確かに…。

僕に…池川金魚に興味や憧れを抱いてくれている、今この《ピークの期間》をのがしてしまえば、もう早瀬ヶ池の女の子たちに復讐できる《絶好の機会》なんて二度と来ない…。

僕らが東京へ行ってしまう前に復讐を実行しておかなければならない…つまりは《復讐を果たす必須のタイミングはもうすぐ》…そういうことだと。

鈴ちゃんの、この説明にはメンバー全員が納得。


『…ではいつ、詩織ちゃんと信吾くんが冴嶋プロダクションに迎えられ、東京へ行くことになるのか…今度はその時期のお話ですが…』


みんな本当に静かに…黙って鈴ちゃんの説明に集中している。


『…では、早ければ10月末から11月の始め。遅くとも年内には東京入りさせたい…との、冴嶋社長のお考えを聞いています….』


《予定》と言っても、それは冴嶋プロダクション側が一方的に計画し、立案した予定であって…僕ら本人や、その家族らとの今後の話し合いによって、その東京入りの時期の最終的な決定を行うんだという。























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