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ライズ
しおりを挟むあの日から少しずつ視界(セカイ)がおかしいことに気がついた。
路地裏のマンホールの蓋が開きっぱなしのように真っ暗な闇が続いていることもあれば、児童公園の帰りの曲が突然巻き戻るように流れることもあった。
検索
「疲れからくる幻覚」
検索ワードにいれると引っ掛かるのは睡眠を取ろうとか、休養しようとかそんなものばかりで求めていた回答ではないが一定数同じことを考える人間はいるのだなと再認識した。
横断歩道の人形が動き出したのをみたときにはとうとう仕事をやめるべきかとまで、考えたほどだったが。
そんな日々が続き今週はゆっくり休むことに決め、あと少しの辛抱だと自分に言い聞かせた。
話は変わるが最近の家電はよくしゃべる
「100回目の洗濯です。」
と急に言われたときには驚いたものだ。
近頃は炊飯器も記念とかなんとか話していた気がする。
問題は近頃の幻覚妄想だけではなく家電が話すのだ。
つまり、幻聴の始まりである。
家電からの内容は実につまらないものだが、コンセントが刺さっていないのにしゃべり始めた際には自分がそうとう追い詰められていると思った。
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