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連載
待っていました宝物庫!
「クテトラさん、この先まだ何か有るんです?」
麗奈は歩きながらクテトラに問いかけた。
「いや、俺が最後の試練だぞ、そもそも俺の所まで来れると思って無かったみたいだからな。」
「ここを作った魔導師さん?」
「ああ、よほど自信があったんだろうよ。」
笑いながら答えるクテトラに、皆も頷きながら聞いている。
「殺意マシマシだったもんね。」
「ビェリーも大変だったもんね。」
「でも、上位精霊を呼び出せる罠とか凄くない?」
大愛が呟くと、クテトラが答えた。
「遥か昔の魔術を研究していたようだぞ、その文献や魔法書はこの奥にある。」
クテトラが答えると、アリンハンドが食いついた。
「本当ですか!?」
「ああ、だが古代魔術語よりも古い文字だ、お前に読めるのか?」
クテトラが問いかけると、アリンハンドは記憶を探るように考え始めた、そして。
「多分・・・読めますね。」
アリンハンドが答えると、クテトラはニヤリと笑い先を進む、人が3人ほど並んで通れる細い道を進んだ先、皆は不意に広い場所に辿り着いた。
「ここがこの遺跡の中央だ。」
「え?中央?ここって隠し部屋ですよね?」
千春が問いかけると、クテトラは少し考え千春に答えた。
「ああ、入口の方か、アレは飾りだ。」
「え?!飾りなの?!」
「そうだ、ここは魔法が掛けられ、本も全て朽ちずに残っている、この魔導研究所の中枢だ。」
広く取られた空間で、壁にはいくつかの扉がある、アリンハンドが扉からクテトラに視線を移すと、クテトラは頷いた。
「見させていただきます!」
アリンハンドは扉を開ける、そして声をあげた。
「おおおおおお!!!」
アリンハンドの横から頼子が部屋を覗く。
「・・・本だらけ。」
「宝物無いのかな。」
頼子の呟きに千春が問いかけると、クテトラが答える。
「その扉の奥はたしか魔道具が入っているはずだ。」
「おー!!!魔道具ー!」
「いいね!また動物変化の魔道具だったりして♪」
「もういらないでしょアレ。」
キャッキャと騒ぎながら聖女達は本の部屋から魔道具の部屋へ移動する。
「クテトラさんこの遺跡詳しいですね、見て回ったんですか?」
花音が問いかけると、クテトラが頷く。
「あの魔導師は精霊魔法も使えたからな、この施設を作る時に少しだけ手伝ってやった、そして最後の願いで、あの石を使った召喚を承諾した、試練として侵入者を排除する約束でな。」
「排除しなくて良かったんですか?」
「出来る訳ないだろう、お前達に何かすれば神にシバかれる、試練と言う形で相手をするなら話は別だが・・・断られたからな。」
「いやいや、上位精霊の相手なんて出来ないでしょ。」
日葵が思わず突っ込む。
「そこのドラゴン、ロイロなら俺といい勝負が出来ると思うぞ。」
ニヤリと笑いクテトラはロイロを見る、ロイロはフッと笑い答える。
「上位精霊にそう言われるのは悪く無いのぅ。」
楽し気に答えるロイロ、千春たちはロイロの言葉を聞かず魔道具のある部屋へ突撃した。
「おー!すげー!」
「朽ちてない!」
「魔法掛かってるって言ってたじゃん。」
「時間を止めてるのかな。」
聖女達が話をしていると、クテトラが答える。
「止めはしてないな、時間経過を限りなく遅くする魔法だ。」
「へぇ~・・・どっかで聞いた事あるな。」
千春はそう呟くと、魔道具を見る、細い枝のような杖を目にする、そこに書かれた文字をジッと見つめる。
「・・・ん?これって。」
千春の呟きに頼子も呟く。
「これってバレアタスの文字じゃね?」
「だよねぇ、クテトラさん、これってバレアタス時代の魔道具です?」
千春が問いかけると、少し驚いた顔でクテトラが頷く。
「バレアタスの物もあれば、その魔術語を使い作った物もある。」
「面白い物あるかな!」
千春は綺麗に並べられた魔道具を見つめる、だが皆は魔道具に手を付けない。
「千春、もう最終手段呼ぼう。」
「そうだね、ヤバいのあったら困るし。」
千春はそう言うとアイトネを呼んだ。
「アイトネ様~♪」
『はーい!』
「さっきはありがと♪」
『いいのよ~♪お礼楽しみにしてるから♪』
「はいはい、んで、ヤバいのある?」
『いくつかあるわね。』
アイトネはそう言うと、魔道具を幾つか手に取る。
「結構あるね、ちなみにこの魔道具の効果は?」
最初に見つけた細い杖を指差す千春、アイトネは説明を始めた。
『これを発動させると一振りで一帯が火の海になるわ。』
「こわっ!!!危ないなぁ!」
千春の反応を見てアイトネが微笑む、そして小瓶を見せながら話す。
『この瓶の蓋を開ければ黒い水が溢れて来るわ、その水に触れたら体温と魔力を奪い取って触れた物を氷の彫像にするわね。』
「・・・なにその呪い道具。」
『バレアタスの魔法を復活させようとしたときの産物でしょうね、物の記憶では数人死んでるわよ。』
「はい!廃棄で!」
『あとコレは・・・あら珍しい、時間軸を歪める道具だわ。』
懐中時計のような形だが、針は一本だけだ。
「時間軸?」
『そう、例えばチハルがこの針を回すと、チハルは1年後の未来の世界に行けるわ。』
「おぉ!1年前には?」
『それは無理ね、3次元に生きてる者には時間は一方通行だもの。』
「アイトネは戻れるの?」
『戻れるわよ、戻らないけれど。』
「・・・ルール的な?」
『いいえ、因果が変わるから良い事が1つも無いのよ。』
「へぇ・・・よくわかんないけど良くないって事だけはわかった、で、それ何に使うの?」
『さぁ?』
「うん、意味が解らないから廃棄で。」
『そうね、アリンハンド君が試しで使ったらヨリちゃんが1年置いてけぼりになっちゃうものね。』
アイトネの言葉に頼子がブンブンと首を縦に振る。
「処分して!アリンさん絶対回すわソレ!」
頼子は本気でアイトネに言う、アイトネは自分のアイテムボックスを開きポイっと投げ入れた。
『あとは何かあってもチハルたちで対応出来る物ばかりだから、あ、ヒマリちゃん、そのイヤリング・・・』
「はい!?コレもヤバいやつです!?」
『付けたらこの部屋が暴風圏になるから今は付けない方が良いわ。』
「充分ヤバいでーす!!!」
日葵は箱に入ったイヤリングを見て叫び、箱を締めた。
「アイトネ様!これ!このペンは!?」
美桜が綺麗な羽の付いたペンを見せる。
『それで書いた文字が燃え上がるわね。』
「・・・燃える意味は?」
『さぁ?』
「使えない!」
思わず突っ込む美桜、そして麗奈も魔道具を見せながら問いかける。
「アイトネ様コレ!」
自転車のヘルメットのような兜を見せる。
『それを付けると体の重さが10倍くらいになるわ。』
「あっぶなぁ!被る所だったわ!」
「被って修行したら強くなれるんじゃね?」
「なんの修行するのよ。」
「ほら、10倍の重力で修行ってあるじゃん。」
「・・・修行する意味よ。」
突っ込みあう美桜と麗奈、そして次々とアイトネに鑑定してもらう聖女達、だがどれもこれもが使い道の無い魔道具だらけだった。
-------------------------
「チハル。」
「なにかねミオどん。」
「ゴミじゃん。」
「・・・まぁそうね。」
「動物変化の指輪って当たりだったんだね。」
「ソレな。」
美桜は残念そうに呟き、千春も頷く、だが、アリンハンドだけは目をキラキラとしながら魔道具を見ていた。
「これを握り喋ると声が20倍に!?」
『ここで使っちゃダメよ?みんなの鼓膜が破れちゃうから。』
「宝の山ですよ!ヨリさん!」
「・・・そうだね。」
呆れたように答える頼子、そして千春の横に移動し座る。
「千春、ごめんよ。」
「何謝ってんのよ。」
「いや、アリンさんだけが楽しんでるからさ。」
「いいじゃん、私達は便乗しただけだし、最初からルプたちに手伝ってもらうだけのお仕事だったじゃん?」
「いやぁ、でもさぁ、何か有ると思うじゃん?」
「あったじゃん。」
「ゴミがな!」
頼子も魔道具を指差し“ゴミ”判定する。
「ねぇ、チハル。」
花音が千春に声を掛けると、千春は花音の立つ方に首を動かす。
「なに~?」
「コレってなんて書いてあるの?」
花音はこの部屋の入口の扉、その上に書かれた文字を指差す、そして千春は視線を動かし文字を見る。
「・・・この部屋作った人・・・と、魔道具作った人の自己満足的な言葉っぽいよ。」
「へ~、なんて書いてんの?」
「“永劫の叡智を貪る禁忌の楽園”って書いてる。」
千春は呆れたように言葉を伝えた。
麗奈は歩きながらクテトラに問いかけた。
「いや、俺が最後の試練だぞ、そもそも俺の所まで来れると思って無かったみたいだからな。」
「ここを作った魔導師さん?」
「ああ、よほど自信があったんだろうよ。」
笑いながら答えるクテトラに、皆も頷きながら聞いている。
「殺意マシマシだったもんね。」
「ビェリーも大変だったもんね。」
「でも、上位精霊を呼び出せる罠とか凄くない?」
大愛が呟くと、クテトラが答えた。
「遥か昔の魔術を研究していたようだぞ、その文献や魔法書はこの奥にある。」
クテトラが答えると、アリンハンドが食いついた。
「本当ですか!?」
「ああ、だが古代魔術語よりも古い文字だ、お前に読めるのか?」
クテトラが問いかけると、アリンハンドは記憶を探るように考え始めた、そして。
「多分・・・読めますね。」
アリンハンドが答えると、クテトラはニヤリと笑い先を進む、人が3人ほど並んで通れる細い道を進んだ先、皆は不意に広い場所に辿り着いた。
「ここがこの遺跡の中央だ。」
「え?中央?ここって隠し部屋ですよね?」
千春が問いかけると、クテトラは少し考え千春に答えた。
「ああ、入口の方か、アレは飾りだ。」
「え?!飾りなの?!」
「そうだ、ここは魔法が掛けられ、本も全て朽ちずに残っている、この魔導研究所の中枢だ。」
広く取られた空間で、壁にはいくつかの扉がある、アリンハンドが扉からクテトラに視線を移すと、クテトラは頷いた。
「見させていただきます!」
アリンハンドは扉を開ける、そして声をあげた。
「おおおおおお!!!」
アリンハンドの横から頼子が部屋を覗く。
「・・・本だらけ。」
「宝物無いのかな。」
頼子の呟きに千春が問いかけると、クテトラが答える。
「その扉の奥はたしか魔道具が入っているはずだ。」
「おー!!!魔道具ー!」
「いいね!また動物変化の魔道具だったりして♪」
「もういらないでしょアレ。」
キャッキャと騒ぎながら聖女達は本の部屋から魔道具の部屋へ移動する。
「クテトラさんこの遺跡詳しいですね、見て回ったんですか?」
花音が問いかけると、クテトラが頷く。
「あの魔導師は精霊魔法も使えたからな、この施設を作る時に少しだけ手伝ってやった、そして最後の願いで、あの石を使った召喚を承諾した、試練として侵入者を排除する約束でな。」
「排除しなくて良かったんですか?」
「出来る訳ないだろう、お前達に何かすれば神にシバかれる、試練と言う形で相手をするなら話は別だが・・・断られたからな。」
「いやいや、上位精霊の相手なんて出来ないでしょ。」
日葵が思わず突っ込む。
「そこのドラゴン、ロイロなら俺といい勝負が出来ると思うぞ。」
ニヤリと笑いクテトラはロイロを見る、ロイロはフッと笑い答える。
「上位精霊にそう言われるのは悪く無いのぅ。」
楽し気に答えるロイロ、千春たちはロイロの言葉を聞かず魔道具のある部屋へ突撃した。
「おー!すげー!」
「朽ちてない!」
「魔法掛かってるって言ってたじゃん。」
「時間を止めてるのかな。」
聖女達が話をしていると、クテトラが答える。
「止めはしてないな、時間経過を限りなく遅くする魔法だ。」
「へぇ~・・・どっかで聞いた事あるな。」
千春はそう呟くと、魔道具を見る、細い枝のような杖を目にする、そこに書かれた文字をジッと見つめる。
「・・・ん?これって。」
千春の呟きに頼子も呟く。
「これってバレアタスの文字じゃね?」
「だよねぇ、クテトラさん、これってバレアタス時代の魔道具です?」
千春が問いかけると、少し驚いた顔でクテトラが頷く。
「バレアタスの物もあれば、その魔術語を使い作った物もある。」
「面白い物あるかな!」
千春は綺麗に並べられた魔道具を見つめる、だが皆は魔道具に手を付けない。
「千春、もう最終手段呼ぼう。」
「そうだね、ヤバいのあったら困るし。」
千春はそう言うとアイトネを呼んだ。
「アイトネ様~♪」
『はーい!』
「さっきはありがと♪」
『いいのよ~♪お礼楽しみにしてるから♪』
「はいはい、んで、ヤバいのある?」
『いくつかあるわね。』
アイトネはそう言うと、魔道具を幾つか手に取る。
「結構あるね、ちなみにこの魔道具の効果は?」
最初に見つけた細い杖を指差す千春、アイトネは説明を始めた。
『これを発動させると一振りで一帯が火の海になるわ。』
「こわっ!!!危ないなぁ!」
千春の反応を見てアイトネが微笑む、そして小瓶を見せながら話す。
『この瓶の蓋を開ければ黒い水が溢れて来るわ、その水に触れたら体温と魔力を奪い取って触れた物を氷の彫像にするわね。』
「・・・なにその呪い道具。」
『バレアタスの魔法を復活させようとしたときの産物でしょうね、物の記憶では数人死んでるわよ。』
「はい!廃棄で!」
『あとコレは・・・あら珍しい、時間軸を歪める道具だわ。』
懐中時計のような形だが、針は一本だけだ。
「時間軸?」
『そう、例えばチハルがこの針を回すと、チハルは1年後の未来の世界に行けるわ。』
「おぉ!1年前には?」
『それは無理ね、3次元に生きてる者には時間は一方通行だもの。』
「アイトネは戻れるの?」
『戻れるわよ、戻らないけれど。』
「・・・ルール的な?」
『いいえ、因果が変わるから良い事が1つも無いのよ。』
「へぇ・・・よくわかんないけど良くないって事だけはわかった、で、それ何に使うの?」
『さぁ?』
「うん、意味が解らないから廃棄で。」
『そうね、アリンハンド君が試しで使ったらヨリちゃんが1年置いてけぼりになっちゃうものね。』
アイトネの言葉に頼子がブンブンと首を縦に振る。
「処分して!アリンさん絶対回すわソレ!」
頼子は本気でアイトネに言う、アイトネは自分のアイテムボックスを開きポイっと投げ入れた。
『あとは何かあってもチハルたちで対応出来る物ばかりだから、あ、ヒマリちゃん、そのイヤリング・・・』
「はい!?コレもヤバいやつです!?」
『付けたらこの部屋が暴風圏になるから今は付けない方が良いわ。』
「充分ヤバいでーす!!!」
日葵は箱に入ったイヤリングを見て叫び、箱を締めた。
「アイトネ様!これ!このペンは!?」
美桜が綺麗な羽の付いたペンを見せる。
『それで書いた文字が燃え上がるわね。』
「・・・燃える意味は?」
『さぁ?』
「使えない!」
思わず突っ込む美桜、そして麗奈も魔道具を見せながら問いかける。
「アイトネ様コレ!」
自転車のヘルメットのような兜を見せる。
『それを付けると体の重さが10倍くらいになるわ。』
「あっぶなぁ!被る所だったわ!」
「被って修行したら強くなれるんじゃね?」
「なんの修行するのよ。」
「ほら、10倍の重力で修行ってあるじゃん。」
「・・・修行する意味よ。」
突っ込みあう美桜と麗奈、そして次々とアイトネに鑑定してもらう聖女達、だがどれもこれもが使い道の無い魔道具だらけだった。
-------------------------
「チハル。」
「なにかねミオどん。」
「ゴミじゃん。」
「・・・まぁそうね。」
「動物変化の指輪って当たりだったんだね。」
「ソレな。」
美桜は残念そうに呟き、千春も頷く、だが、アリンハンドだけは目をキラキラとしながら魔道具を見ていた。
「これを握り喋ると声が20倍に!?」
『ここで使っちゃダメよ?みんなの鼓膜が破れちゃうから。』
「宝の山ですよ!ヨリさん!」
「・・・そうだね。」
呆れたように答える頼子、そして千春の横に移動し座る。
「千春、ごめんよ。」
「何謝ってんのよ。」
「いや、アリンさんだけが楽しんでるからさ。」
「いいじゃん、私達は便乗しただけだし、最初からルプたちに手伝ってもらうだけのお仕事だったじゃん?」
「いやぁ、でもさぁ、何か有ると思うじゃん?」
「あったじゃん。」
「ゴミがな!」
頼子も魔道具を指差し“ゴミ”判定する。
「ねぇ、チハル。」
花音が千春に声を掛けると、千春は花音の立つ方に首を動かす。
「なに~?」
「コレってなんて書いてあるの?」
花音はこの部屋の入口の扉、その上に書かれた文字を指差す、そして千春は視線を動かし文字を見る。
「・・・この部屋作った人・・・と、魔道具作った人の自己満足的な言葉っぽいよ。」
「へ~、なんて書いてんの?」
「“永劫の叡智を貪る禁忌の楽園”って書いてる。」
千春は呆れたように言葉を伝えた。
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