異世界日帰りごはん 料理で王国の胃袋を掴みます!

ちっき

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連載

アベリーとミミ、日本に行く!

「ただいまハルト♪」
 エンハルトの部屋に入ると千春がエンハルトに声を掛ける。

「早かったな。」
「うん、帰りはフェアリーリングで帰って来ちゃった。」
 千春が言うと、エンハルトは微笑む。

「キツかったか?」
「結構・・・」
「行きは全部あるいてたじゃないか。」
「知ってたの?」
「サリナから聞いてるぞ。」
「・・・あ!そういえばサリナってハルトのスパイだった!」
「言い方が悪いな、護衛だぞ?」
「でも筒抜けじゃん。」
 文句あり気に千春が言う、エンハルトは笑いながら問いかけた。

「で?痩せたか?」
「500g痩せてた!」
「そうか・・・よかったな。」
 明らかに誤差レベルの体重で喜ぶ千春に、エンハルトはそれ以上言えなかった。

「んじゃちょっと時間あるし日本に行ってくるね♪」
「アベリーを連れて行くのか?」
「うん♪あっちでお昼食べて来るから♪」
 嬉しそうに言う千春、エンハルトは一応問いかけた。

「何を食べるんだ?」
「スイーツバイキング!」
「・・・そうか、あまり食べ過ぎるなよ?」
「はーい♪行ってきまーす♪」
 千春はそう言うとエンハルトの部屋を出て行く、エンハルトは苦笑いで手を振り千春を見送ると呟く。

「・・・痩せる気あるのか?」
 エンハルトはそう呟くと仕事を再開した。


-------------------------


「報告してきたよー!」
 千春が自室に戻ると、アベリーとミミの着替えが終わっていた。

「おー!2人とも似合ってる~♪」
 アベリーはロング丈のワンピース姿、ミミは黒いジャケットにデニム姿だ。

「これでは暑くありませんか?」
 アベリーの問いかけに頼子が答えた。

「あっちはまだ寒いからねー。」
「んじゃ私も着替えて来る♪」
 千春はパタパタと部屋を移動し、日本の服に着替える、そして戻り際に春恵へ声を掛ける。

「おかぁさんも行く?」
「ん~ん、楽しんでらっしゃい♪」
「はーい♪」
 千春はまた部屋を移動する、そして2人に声を掛けると、サフィーナも着替えていた。

「こちらは準備終わってますよ。」
「はーい、それじゃ行きまっしょ~♪」
 ノリノリで千春が言うと、皆を異世界の扉に案内する、アベリーは扉の前のテーブルについた女性に頭を下げる。

「こんにちは、アベリーと申します。」
 アベリーが言うと、ミミも挨拶をする。

「ミミです!」
「千春の母の春恵です、ハルって呼んでね♪」
「・・・もしかして女神様でございますか?」
「ええ♪なりたてだけれどね♪」
 クスッと笑う春恵、そしてアベリーの視線は扉に移る。

「これが・・・」
 アベリーはクローゼットの扉の周りを囲む魔法陣を見つめた。

「これが・・・異世界の。」
「そうだよ、私と女神しか通せないんだよねー。」
 千春はそう言うと、頼子の手を取り扉を抜ける。

「はい、手だして♪」
 千春が手を出すと、アベリーが手を掴む、そして日本に移動し、皆を次々と日本に送ると、宇迦之御魂が経営するスイーツバイキングに向かった。


-------------------------


「アリン。」
 エンハルトは魔導師団団長であるアリンハンドの部屋に入る。

「どうしました?」
「チハルが冒険者の依頼を受けてただろ?」
「ヨリさんに聞いています、今日帰って来るんですよね?」
「もう帰って来た、今は依頼主とニホンに行ってる。」
「・・・何故?」
「さぁ?まぁあっちに行くという事はアイトネ様の許可が出ているんだろう。」
 エンハルトはそう言うと、視線を動かす、アイトネは出てこない、そして話を続ける。

「アベリーと言う魔術師だ。」
「・・・アベリー・・・あー・・・聞いた事がありますね。」
 顎を触りながら天井を見上げ、記憶を探るアリンハンド、そして答えた。

「たしか私の二つほど上の先輩です、学園時代に色々な呪術を使う優秀な魔術師だったかと。」
「チハルと仲良くなっている、どうする?」
「そうですねぇ、魔導師団の方でも魔術師は貴重です、アベリーさんでしたら是非にでもスカウトしたい所ですが・・・」
 アリンハンドはそう呟くが、あまり乗り気の無い返事で返す。

「魔術師と言う職業は何故か・・・その、変な人が多いのですよ。」
「・・・それは魔導師視点か?」
「はい、そうですが?何故です?」
「いや、俺からすれば魔導師も魔術師も変なヤツが多いと思ってな。」
「失礼ですね、魔導師というのは・・・」
 アリンハンドが説明をしようとした所でエンハルトは手を広げ止める。

「チハルたちが言う“50歩100歩”ってやつだな、で?どうだ?」
「こちらとしては是非にでも、しかしアベリーさんが頷くとは・・・」
 アリンハンドが言うと、エンハルトは笑いながら答えた。

「誘えばほぼ確実に来ると思うぞ、チハルとニホンに行ったんだからな。」
「そうですね、ニホンを知れば・・・それにチハルさんの食事を食べようものなら・・・あ、この2日一緒にいたんでしたね。」
「ああ。」
「わかりました、それで、チハルさんとヨリさんはいつ帰って来るので?」
「さぁ?」
「・・・そこが大事じゃないですか?」
「あっちで待っていれば良いじゃないか。」
「チハルさんの部屋ですか?」
 アリンハンドの言葉にエンハルトが頷く、アリンハンドは苦笑いで立ち上がると、2人は千春の部屋に向かった。







◆◇あとがきてきななにか!◇◆

鯛を捌いたら背びれで人差し指のさきっちょをぶっさし、文字打ちが苦痛でございます・・・
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