1,198 / 1,205
連載
繋がる心!
「ただいま!ハルト!」
千春はロイロからぴょんと飛び降り、庭でドラゴンの帰りを待っていたハルトに声を掛ける。
「怪我はしてないか?」
「もっちろん♪加護あるからね♪」
エンハルトは微笑み頷く、怪我の心配は元からしていない、問題は人を殺めるミッションを千春が耐えられるか、その心配をしていた、だが、エンハルトの思いとは裏腹に千春は笑顔で帰って来た。
「その女性たちは。」
「うん、盗賊に捕まってた人。」
「ありがとうチハル。」
お礼を言うエンハルトに千春はニパッと笑みを返す、ルプから降りて来た女性がエンハルトに頭を下げた。
「エンハルト王子殿下、お目にかかれて光栄でございます、公都で夫と店を営んでおりますイリルと申します、盗賊に囚われ・・・命をあきらめかけていた所でございました。」
イリルはボロボロになったドレスで礼をする。
「助かったのは3人か、他の者は。」
「御者はその場で・・・護衛の行方はわかりません。」
「そうか、店の方へ連絡を入れよう、一度屋敷で着替えるといい。」
「よろしいのですか?」
イリルが言うと、エンハルトはチラッと千春の方を見る、千春はニコニコと笑みを浮かべコクコクと頷いていた。
「もちろんだ。」
エンハルトは微笑みすぐに公爵家の執事へ指示をする、執事は3人を連れ屋敷に入って行った、入れ違いに屋敷からフランシスが飛び出して来た。
「チハルさん!」
「やほ~♪フランちゃん♪」
「やほーじゃありません!お怪我は無いですか!?」
「ないない!大丈夫だよ!」
両肩をがっしりと掴まれ、体を見渡すフランシス、千春は困り顔で答える。
「チハルおねーちゃーん!」
ユラがシャテルと一緒に屋敷から出て来る。
「ただいま~♪ユラいい子にしてた~?」
「うん!」
ニパッと笑い答えるユラ、シャテルも楽しそうだ。
「それじゃ、セベラムさんに報告しないとだ。」
千春はドラゴンに鷲掴みされたままの盗賊に視線を動かす。
「捕まえて来たのか。」
「うん、生き残り。」
千春は盗賊を見つめ、手をギュッと握りしめる。
「・・・そうか、フランシス。」
「はい。」
「聖女たちを中に。」
エンハルトが言うと、フランシスは微笑み頷く、だが、その笑みの奥には隠しきれない安堵と心配が滲んでいた、そして千春、頼子、美桜、麗奈を連れ屋敷に入っていく。
「・・・チハルが連れて来たという事は、聖女の恩情で極刑は出来ない。」
ドラゴンに掴まれた盗賊たちを見ながら話すエンハルト、そしてオーレン公爵家の騎士を呼ぶ。
「ルワルツ。」
「はっ!」
「連れていけ。」
「はっ!」
ドラゴンたちは盗賊たちを地面に落とす、諦め顔の盗賊たちはエンハルトを見つめる。
「投降して捕まってくれてよかった、全滅させずに済んで、チハルの心の負担が軽くて助かる。」
エンハルトはそう呟き、風に言葉を預けるように視線を庭の先へと移した。
盗賊たちに礼を言っているかのようでもあり、ただの独り言のようにも聞こえた。
そのまま静かに背を向け、屋敷の方へと歩き出した。
------------------------
「あらあらあら!イリル!」
オーレン公爵夫人、ベニファは、ボロボロになったイリルを見て思わず駆け寄る。
「ベニファ様!」
「どうしたの!?」
「聖女様方に助けて頂きました。」
「もしかして盗賊に?」
「はい。」
ベニファはイリルの手を握る。
「いつ捕まったの?」
「二日前・・・王都からの帰りに捕まり・・・」
「リアクルからそんな話はまだ来てないわ・・・まだ知らないのかしら。」
「はい、予定よりも早くオーレン公爵領へ戻ってきておりましたので・・・」
「そう、すぐに連絡を入れるわ、貴女は体を綺麗にしてらっしゃい、貴女たちも一緒に。」
ベニファはメイドの2人にも声を掛ける、そして侍女たちへ指示をすると、3人と別れ、セベラムの所へ向かう。
「あなた様、今よろしくて?」
ベニファがセベラムに話しかける、横にはエンハルトとアリンハンドが立っている。
「ああ、わかっている、リアクル商店には今早馬で連絡を入れた。」
「ありがとうございます。」
ホッとした顔で答えるベニファ、エンハルトはそれを見て問いかけた。
「知り合いでしたか。」
「ええ、リアクル商店は私のドレスを仕立ててもらっていますの。」
ベニファは微笑み答えると、エンハルトも微笑み返す。
「無事に戻れて良かったです。」
「聖女様にはなんとお礼を言えばよろしいのか・・・」
「一言『ありがとう』で構いませんよ、聖女はそれですべてを受け入れますから。」
「はい、是非にお礼を言わせて頂きますわ、聖女様は今どちらへ?」
「部屋で寛いでいるかと。」
エンハルトが言うと、ベニファは頭を下げ部屋を出て行った。
「なんと言う幸運か。」
セベラムは淡々と呟く、だが目元は嬉しそうだ。
「本当に・・・」
「ベニファとイリルは長い付き合いだ、オーレン家に入る前から仲が良い、もしイリルが死んでいたら・・・ベニファは立ち直れなかったかもしれない。」
呟くセベラムはホッとしたのかソファーに座る。
「これからの事もありますが、まずは今を整理しましょう。」
エンハルトが言うと、アリンハンドも頷く、そして視線を上げたセベラムは真剣な顔で頷いた。
------------------------
「果物だー!」
「おやつだー!」
「ひゃっほー!」
「うわーい!」
「じゅんばんだよー!」
「ぼくもー!」
庭に広げられたテーブルに、次々とお菓子を広げる聖女たち。
「ドラゴンさんたちは料理とお酒準備するからねー♪」
千春はおとなしく妖精達を見ているドラゴンに話しかける。
「あら、たいしたことしてないわよ?」
ママドラはドラゴニュートの姿で答える、その横には同じくドラゴニュートの姿のパパドラが頷いていた。
「いいのいいの♪受け取ってもらえないと次お願いしにくいじゃん?」
楽し気に話す千春に2人も笑みで返す、その姿をペットたちは部屋からのんびりと見ていた。
「思ったより元気だな。」
ルプが呟くと、ロイロも頷き答える。
「ルプたちが捕まった者たちを連れて帰って来たのが大きいのう。」
「やっぱりそうか?」
「そうじゃろ、ただの討伐ではなく、人命救助が出来たのは大きいじゃろ。」
「そうだな、討伐しただけではただの殺戮だからな。」
「ヨリの心も安定しとるばい。」
頼子と魂で繋がっているビェリーも安心した声で答える、ルプとロイロもそれを聞き頷いていた。
「僕もミオさんと契約したいです。」
「コンは神の御使いだろ。」
「そうばい、宇迦之御魂様が許さんやろ?」
「でも、羨ましいです。」
千春と魂が繋がるロイロとルプ、頼子と繋がるビェリー、コンは少し寂しそうに呟いた。
「心配するな、コンも十分繋がってるだろ。」
ルプはニヤっと笑い庭を見る、視線の先にはこちらへ向かって来る美桜と麗奈がいた。
「コンちゃーん!お疲れ様!」
「ミオさん!?」
子狐姿のコンを抱き締める美桜。
「コンちゃん頑張ったんでしょ~♪」
美桜はわしわしとコンをなでくりまわす。
「は、はい!がんばりました!」
「おう、ミオ、コン凄かったぞ。」
「一番頑張っとったばい♪」
「えらいねぇ♪」
美桜はコンをギュッと抱き締める、コンは美桜のぬくもりを感じながら答えた。
「はい!がんばりました!」
コンと美桜の2人を見つめるペットたち、十分繋がってるじゃねぇかと思わず呟くルプだった。
千春はロイロからぴょんと飛び降り、庭でドラゴンの帰りを待っていたハルトに声を掛ける。
「怪我はしてないか?」
「もっちろん♪加護あるからね♪」
エンハルトは微笑み頷く、怪我の心配は元からしていない、問題は人を殺めるミッションを千春が耐えられるか、その心配をしていた、だが、エンハルトの思いとは裏腹に千春は笑顔で帰って来た。
「その女性たちは。」
「うん、盗賊に捕まってた人。」
「ありがとうチハル。」
お礼を言うエンハルトに千春はニパッと笑みを返す、ルプから降りて来た女性がエンハルトに頭を下げた。
「エンハルト王子殿下、お目にかかれて光栄でございます、公都で夫と店を営んでおりますイリルと申します、盗賊に囚われ・・・命をあきらめかけていた所でございました。」
イリルはボロボロになったドレスで礼をする。
「助かったのは3人か、他の者は。」
「御者はその場で・・・護衛の行方はわかりません。」
「そうか、店の方へ連絡を入れよう、一度屋敷で着替えるといい。」
「よろしいのですか?」
イリルが言うと、エンハルトはチラッと千春の方を見る、千春はニコニコと笑みを浮かべコクコクと頷いていた。
「もちろんだ。」
エンハルトは微笑みすぐに公爵家の執事へ指示をする、執事は3人を連れ屋敷に入って行った、入れ違いに屋敷からフランシスが飛び出して来た。
「チハルさん!」
「やほ~♪フランちゃん♪」
「やほーじゃありません!お怪我は無いですか!?」
「ないない!大丈夫だよ!」
両肩をがっしりと掴まれ、体を見渡すフランシス、千春は困り顔で答える。
「チハルおねーちゃーん!」
ユラがシャテルと一緒に屋敷から出て来る。
「ただいま~♪ユラいい子にしてた~?」
「うん!」
ニパッと笑い答えるユラ、シャテルも楽しそうだ。
「それじゃ、セベラムさんに報告しないとだ。」
千春はドラゴンに鷲掴みされたままの盗賊に視線を動かす。
「捕まえて来たのか。」
「うん、生き残り。」
千春は盗賊を見つめ、手をギュッと握りしめる。
「・・・そうか、フランシス。」
「はい。」
「聖女たちを中に。」
エンハルトが言うと、フランシスは微笑み頷く、だが、その笑みの奥には隠しきれない安堵と心配が滲んでいた、そして千春、頼子、美桜、麗奈を連れ屋敷に入っていく。
「・・・チハルが連れて来たという事は、聖女の恩情で極刑は出来ない。」
ドラゴンに掴まれた盗賊たちを見ながら話すエンハルト、そしてオーレン公爵家の騎士を呼ぶ。
「ルワルツ。」
「はっ!」
「連れていけ。」
「はっ!」
ドラゴンたちは盗賊たちを地面に落とす、諦め顔の盗賊たちはエンハルトを見つめる。
「投降して捕まってくれてよかった、全滅させずに済んで、チハルの心の負担が軽くて助かる。」
エンハルトはそう呟き、風に言葉を預けるように視線を庭の先へと移した。
盗賊たちに礼を言っているかのようでもあり、ただの独り言のようにも聞こえた。
そのまま静かに背を向け、屋敷の方へと歩き出した。
------------------------
「あらあらあら!イリル!」
オーレン公爵夫人、ベニファは、ボロボロになったイリルを見て思わず駆け寄る。
「ベニファ様!」
「どうしたの!?」
「聖女様方に助けて頂きました。」
「もしかして盗賊に?」
「はい。」
ベニファはイリルの手を握る。
「いつ捕まったの?」
「二日前・・・王都からの帰りに捕まり・・・」
「リアクルからそんな話はまだ来てないわ・・・まだ知らないのかしら。」
「はい、予定よりも早くオーレン公爵領へ戻ってきておりましたので・・・」
「そう、すぐに連絡を入れるわ、貴女は体を綺麗にしてらっしゃい、貴女たちも一緒に。」
ベニファはメイドの2人にも声を掛ける、そして侍女たちへ指示をすると、3人と別れ、セベラムの所へ向かう。
「あなた様、今よろしくて?」
ベニファがセベラムに話しかける、横にはエンハルトとアリンハンドが立っている。
「ああ、わかっている、リアクル商店には今早馬で連絡を入れた。」
「ありがとうございます。」
ホッとした顔で答えるベニファ、エンハルトはそれを見て問いかけた。
「知り合いでしたか。」
「ええ、リアクル商店は私のドレスを仕立ててもらっていますの。」
ベニファは微笑み答えると、エンハルトも微笑み返す。
「無事に戻れて良かったです。」
「聖女様にはなんとお礼を言えばよろしいのか・・・」
「一言『ありがとう』で構いませんよ、聖女はそれですべてを受け入れますから。」
「はい、是非にお礼を言わせて頂きますわ、聖女様は今どちらへ?」
「部屋で寛いでいるかと。」
エンハルトが言うと、ベニファは頭を下げ部屋を出て行った。
「なんと言う幸運か。」
セベラムは淡々と呟く、だが目元は嬉しそうだ。
「本当に・・・」
「ベニファとイリルは長い付き合いだ、オーレン家に入る前から仲が良い、もしイリルが死んでいたら・・・ベニファは立ち直れなかったかもしれない。」
呟くセベラムはホッとしたのかソファーに座る。
「これからの事もありますが、まずは今を整理しましょう。」
エンハルトが言うと、アリンハンドも頷く、そして視線を上げたセベラムは真剣な顔で頷いた。
------------------------
「果物だー!」
「おやつだー!」
「ひゃっほー!」
「うわーい!」
「じゅんばんだよー!」
「ぼくもー!」
庭に広げられたテーブルに、次々とお菓子を広げる聖女たち。
「ドラゴンさんたちは料理とお酒準備するからねー♪」
千春はおとなしく妖精達を見ているドラゴンに話しかける。
「あら、たいしたことしてないわよ?」
ママドラはドラゴニュートの姿で答える、その横には同じくドラゴニュートの姿のパパドラが頷いていた。
「いいのいいの♪受け取ってもらえないと次お願いしにくいじゃん?」
楽し気に話す千春に2人も笑みで返す、その姿をペットたちは部屋からのんびりと見ていた。
「思ったより元気だな。」
ルプが呟くと、ロイロも頷き答える。
「ルプたちが捕まった者たちを連れて帰って来たのが大きいのう。」
「やっぱりそうか?」
「そうじゃろ、ただの討伐ではなく、人命救助が出来たのは大きいじゃろ。」
「そうだな、討伐しただけではただの殺戮だからな。」
「ヨリの心も安定しとるばい。」
頼子と魂で繋がっているビェリーも安心した声で答える、ルプとロイロもそれを聞き頷いていた。
「僕もミオさんと契約したいです。」
「コンは神の御使いだろ。」
「そうばい、宇迦之御魂様が許さんやろ?」
「でも、羨ましいです。」
千春と魂が繋がるロイロとルプ、頼子と繋がるビェリー、コンは少し寂しそうに呟いた。
「心配するな、コンも十分繋がってるだろ。」
ルプはニヤっと笑い庭を見る、視線の先にはこちらへ向かって来る美桜と麗奈がいた。
「コンちゃーん!お疲れ様!」
「ミオさん!?」
子狐姿のコンを抱き締める美桜。
「コンちゃん頑張ったんでしょ~♪」
美桜はわしわしとコンをなでくりまわす。
「は、はい!がんばりました!」
「おう、ミオ、コン凄かったぞ。」
「一番頑張っとったばい♪」
「えらいねぇ♪」
美桜はコンをギュッと抱き締める、コンは美桜のぬくもりを感じながら答えた。
「はい!がんばりました!」
コンと美桜の2人を見つめるペットたち、十分繋がってるじゃねぇかと思わず呟くルプだった。
あなたにおすすめの小説
空港清掃員58歳、転生先の王宮でも床を磨いたら双子に懐かれ、国王に溺愛される
木風
恋愛
羽田空港で十五年、黙々と床を磨いてきた清掃員・田中幸子(58)は事故死し、没落寸前の子爵令嬢エルシアとして転生する。
婚約破棄の末に家を追われた彼女が選んだのは、王宮の清掃員――前世の技で空気まで変わるほど磨き上げていく仕事だった。
やがて母を亡くした双子王子王女に懐かれ、荒れた執務室の主である喪中の国王とも距離が縮まり……。
「泣くなら俺の胸で」――床も心も磨き直す、清掃令嬢の溺愛成り上がり。
傍観している方が面白いのになぁ。
志位斗 茂家波
ファンタジー
「エデワール・ミッシャ令嬢!貴方にはさまざな罪があり、この場での婚約破棄と国外追放を言い渡す!」
とある夜会の中で引き起こされた婚約破棄。
その彼らの様子はまるで……
「茶番というか、喜劇ですね兄さま」
「うん、周囲が皆呆れたような目で見ているからな」
思わず漏らしたその感想は、周囲も一致しているようであった。
これは、そんな馬鹿馬鹿しい婚約破棄現場での、傍観者的な立場で見ていた者たちの語りである。
「帰らずの森のある騒動記」という連載作品に乗っている兄妹でもあります。
契約結婚から始まる公爵家改造計画 ~魔力ゴミ令嬢は最強魔術師の胃袋をつかみました~
夢喰るか
恋愛
貧乏男爵令嬢エマは、破格の報酬に惹かれて「人食い公爵」と恐れられるヴォルガード公爵邸の乳母に応募する。そこで出会ったのは、魔力過多症で衰弱する三歳のレオと、冷酷な氷の魔術師ジークフリート。前世の保育士経験を持つエマは、自身の「浄化魔力」で作った料理でレオを救い、契約結婚を結ぶことに。エマの温かさに触れ、ジークフリートの凍りついた心は次第に溶けていく。
【完結】転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して二年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
「貧相な小娘」と罵った第一王子へ。番(つがい)は貴方ではなく、国王陛下(お父様)でした
しえろ あい
恋愛
「お父様、わたくし、あの方と目が合った瞬間、分かってしまったのです」
十六歳のデビュタントの夜、ルーセント侯爵令嬢フェリシアを待っていたのは、残酷な罵倒だった。第一王子カシウスは、可憐な白いドレスを纏った彼女を「貧相な小娘」と呼び、己の番(つがい)であることを真っ向から否定する。
会場に響く冷笑と、愛用の刺繍に込めた自信さえ打ち砕くような屈辱。しかし、絶望の淵に立たされた彼女を見つめていたのは、王子ではなく、圧倒的な威厳を放つ「ある男」だった。
魂を焦がすような熱い視線が重なり、静まり返る謁見の間。この出会いが、王室を揺るがす大事件の幕開けになるとは、まだ誰も知らない。自身の価値を否定された少女が、真実の愛によって世界で最も幸福な王妃へと駆け上がる、逆転溺愛ストーリー。
※小説家になろう様にも投稿しています※
辺境に追放されたガリガリ令嬢ですが、助けた男が第三王子だったので人生逆転しました。~実家は危機ですが、助ける義理もありません~
香木陽灯
恋愛
「そんなに気に食わないなら、お前がこの家を出ていけ!」
実の父と義妹に虐げられ、着の身着のままで辺境のボロ家に追放された伯爵令嬢カタリーナ。食べるものもなく、泥水のようなスープですすり、ガリガリに痩せ細った彼女が庭で拾ったのは、金色の瞳を持つ美しい男・ギルだった。
「……見知らぬ人間を招き入れるなんて、馬鹿なのか?」
「一人で食べるのは味気ないわ。手当てのお礼に一緒に食べてくれると嬉しいんだけど」
二人の奇妙な共同生活が始まる。ギルが獲ってくる肉を食べ、共に笑い、カタリーナは本来の瑞々しい美しさを取り戻していく。しかしカタリーナは知らなかった。彼が王位継承争いから身を隠していた最強の第三王子であることを――。
※ふんわり設定です。
※他サイトにも掲載中です。
【完結】赤ちゃんが生まれたら殺されるようです
白崎りか
恋愛
もうすぐ赤ちゃんが生まれる。
ドレスの上から、ふくらんだお腹をなでる。
「はやく出ておいで。私の赤ちゃん」
ある日、アリシアは見てしまう。
夫が、ベッドの上で、メイドと口づけをしているのを!
「どうして、メイドのお腹にも、赤ちゃんがいるの?!」
「赤ちゃんが生まれたら、私は殺されるの?」
夫とメイドは、アリシアの殺害を計画していた。
自分たちの子供を跡継ぎにして、辺境伯家を乗っ取ろうとしているのだ。
ドラゴンの力で、前世の記憶を取り戻したアリシアは、自由を手に入れるために裁判で戦う。
※1話と2話は短編版と内容は同じですが、設定を少し変えています。
結婚式の翌朝、夫に「皇太子の愛人だろう」と捨てられました――ですが私は、亡き国王の娘です
柴田はつみ
恋愛
母の遺した薬草店を守りながら、慎ましく暮らしていたアンリ。
そんな彼女に求婚してきたのは、国内でも名高い騎士にして公爵家当主、アルファだった。
真っすぐな想いを向けられ、彼を信じて結婚したアンリ。
けれど幸せなはずの結婚式の翌朝、夫は冷たく言い放つ。
「君を愛していると本気で思っていたのかい? 」
彼はアンリが第一皇太子と深い仲にあり、自分との結婚は身を隠すための偽装だと誤解していたのだ。
アンリは実は、亡き国王の婚外子。
皇太子にとっては、隠して守らなければならない妹だったのである。