異世界日帰りごはん 料理で王国の胃袋を掴みます!

ちっき

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オークション開始だよ!

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「こちらで御座います。」
 案内の女性に促され入った部屋からは数段下に広く取られた席が一望出来る所だった。

「あのステージでやるの?」
 ステージには道化師と数人の人達がショーを行っていた。

「あぁ、あそこで品物を紹介する、この札を上げて落札価格を伝えるんだ。」
 ステージが一望できるテーブルに置かれた札を手に取り、エンハルトが千春達に説明する。

「楽しそう!」
「私もやってみたいな。」
「ヨリ達もお金有るっしょ?」
「うん、この前聞いたら結構入ってたわ。」
「足りなかったら私が出すよ、こっちのお金マジで使わないから。」
「私も出して良いよー。」
 千春が言うと、麗奈も付け加える。

「そんときゃヨロー。」
 しばらくショーを見ていると幕が降りる、下の観客席はほぼ埋まり、オークションが始まった。


-----------------


「紳士淑女の皆様、本日はお集まり頂き有難う御座います、それではオークションを開始させて頂きます。」
 千春達の対応をした紳士が挨拶をすると、カラトリーに乗せられた品を女性が押してくる。

「まず一つ目は、ドワーフ王国屈指の鍛冶屋、ザイフォンの鍛え上げたブロードソードで御座います。」
 紳士はそう言うと、ブロードソードを手に取り鞘を抜く、すると会場から響めきの声が溢れる。

「うわぁ綺麗な剣だねぇ。」
「アレはミスリルだな。」
 エンハルトが説明していると入札が始まった。

「30!」
「40!」
「45!」
「48!」
「50!」
 じわじわと値段が上がるのを皆は見る。

「50て?」
「金貨50枚だな。」
「えーっと500万!?」
「黒魔鉱ならもっと高いぞ。」
「オリハルコンだったら?」
「黒魔鉱の10倍以上、いや、ブロードソード程になるならもっとだな。」
「エーデルさんのミスリル剣っていくらくらいするんです?」
「コレですか?」
 エーデルは腰の剣に手を当てる。

「鉱石は自分で採ってきたので、実質タダみたいな物ですよ。」
「ホーキンさんのは?」
 美桜がエーデルに聞くと、麗奈もホーキンに問いかける。

「私のは家に有った物なので。」
 ホーキンも麗奈に答えると、エンハルトが付け加える。

「2人の剣もザイフォン氏の業物だからな。」
「凄い鍛冶屋さんなんだねぇ。」
「母上の知り合いらしいが、かなりの頑固者だと聞いてる。」
 話をしていると金貨100枚を超えていた。

「千春入札したら?」
「いや、アレはヤバいって。」
 顔こそ見えないが、入札している者達の声が殺気でも帯びている様に聞こえている。

「それはそれだろう、ザイフォン氏のミスリル剣となれば何代かに引き継がれてもおかしくないからな。」
「へぇ。」
「トラディさんに買ってあげよかなぁ。」
 大愛は落札を覗き込みながら呟く。

「トラディは持ってるぞ。」
「そうなんです?」
「んじゃ私がステルさんにとか?」
「ステルは武人じゃないからやめておけ。」
 青空が言うとエンハルトが止める。

「ハルトは持ってるんだよね?」
「あぁ何本かあるな。」
「何本もあるんかーい。」
 話をしていると大きな歓声が上がる。

「26番の方が金貨158枚で落札で御座います。」
「おー、良い値段になったねぇ。」
「まぁ少し高めだが、妥当な所だろうな。」
 エンハルトが言うと武人のエーデル、ホーキンも頷く、魔術の掛かった防具や武器がいくつか続くと、品物の種類が変わるのか貴族達が騒めく。

「それでは魔道具になります、まずはこちら。」
 そう言うと出て来たのは箒だ。

「あ、私のだ。」
 麗奈が嬉しそうに言うと、皆もステージを覗く。

「魔石技師レナ嬢の一品、空飛ぶ箒で御座います。」
 紳士が言うと会場から声が溢れる。

「おー、コレは中々。」
「魔石技師って何?」
 頼子がアリンハンドに問いかける。

「魔石に魔法付与が出来る者に付ける名称ですね、ある程度の魔力と属性が無ければ出来ないんですよ。」
 説明を聞いているうちに落札が始まる。

「100!」
「130!」
「150!」
「200!」
「え?マジで?」
「上がるねぇ、ミスリル剣より高いじゃん!」
「なんでこんな高いの!?」
「アレじゃん?高級車買う感じ?」
 千春達が驚いていると、クスクスと笑うサフィーナ。

「チハル達は何でもない様に言ってますけれど、どれだけ便利な物か分かってませんね。」
「うん?飛ぶだけじゃん?」
「えぇ、魔物に襲われたり、盗賊に襲われたりした時に即座に離脱出来ます、勿論移動も馬車より早く移動出来ますよね。」
「うん、でもそんなの分からないんじゃない?」
「分からないわけ無いでしょう、チハル達や私達がどれだけ王都を箒で飛んでると思ってるんですか。」
 サフィーナは笑みを浮かべ答える。

「あ~・・・まぁ、そう言われたらそうだね、やっぱり車買う感じなのかなぁ。」
「そだね、お金持ちの人が買う車ってウン千万円したりするもんね。」
「そう考えたら200枚で2千万とおもったら・・・いや高ぇ!」
 青空達も説明を聞き納得するが、日葵は高いと突っ込む。

「そろそろ決まりそうですね。」
「32番の方が金貨322枚で落札で御座います。」
 32番の貴族らしき男性は両手を上げガッツポーズをしている、他の者は溜息や歓声を上げている。

「レナ臨時収入おめでとう~♪」
「うん、思ったより高く売れたねぇ、300枚分何か買うかー。」
 美桜に言われ麗奈はムフフと笑みを浮かべながらステージを見ている。

「次は何かなー。」
 千春はそう言いながらステージを見る、魔道具が幾つかオークションに掛かるが、千春達が欲しがる物は出なかった、そして。

「それでは暫し休憩を入れさせて頂きます、休憩後からは美術品のオークションになります。」
 紳士がそう言うと幕が一度降りる、そして最初とは違う者がステージで音楽を流しながら踊り出す。

「さて、休憩は30分程だ、どうする?」
 エンハルトとアリンハンドが立ったまま千春達に声を掛ける。

「びみょ~んな時間だねぇ、お茶でも飲んでたらすぐじゃん?」
「私トイレ~。」
「あ、ウチも!」
 頼子と美桜が言うと、大愛と日葵も手を上げ、モリアンとエーデルが護衛に付き移動した。

「私の鱗出なかったね。」
「美術品扱いだな。」
「え?魔道具系じゃないの?」
「あんな立派な鱗だからな、材料ではなく装飾品扱いなんだろうな。」
「ふぅ~ん、まぁ売れても売れなくても良いけど。」
「売れない訳が無いだろう、最近はドラゴン王国とか言われているんだぞ、その証みたいなもんだ、貴族の者は皆ドラゴンの鱗を欲しがっている。」
「へぇ、厩舎に行ったらいくらでも拾えるんじゃない?」
「いや、無理だな、竜騎士団がしっかり管理しているからな。」
「そなの!?」
「当たり前だ、行ったら取れると噂になって見ろ、夜中どころか昼間でも無関係な者が侵入してくるだろう。」
 呆れた様に千春へ説明するエンハルト、アリンハンドもウンウンと頷く。

「で、拾った鱗は何処に行ってるの?」
「私の所ですね。」
 アリンハンドが答える。

「魔導士団かぁ、道具に使うの?」
「はい、新しい魔道具、魔法陣の開発、使い道は沢山あります、お陰様で数十年分くらい開発が進みましたねぇ。」
 ニヤニヤが止まらないのか、アリンハンドは笑みがこぼれている。

「一部の鱗は父上が加工して勲章の材料にしているな。」
「お父様も噛んでるのか。」
「希少価値もある、劣化も中々しないからな。」
 そんなもんかぁと千春は呟くと、皆でお茶を飲みながらステージを見学した。



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