異世界日帰りごはん 料理で王国の胃袋を掴みます!

ちっき

文字の大きさ
789 / 1,137
連載

宮沢家の事情!

しおりを挟む
「レゥレゥこれたべる?」
「たべるー♪」
「サンジュ、はい。」
「ウキッ!」
 花音は妖精のレゥレゥ、守護獣サンジュと海の見える庭でのんびりとお茶をしていた。

「海きれいー。」
「綺麗だねぇ。」
「ウミ~。」
 のんびりとした時間を過ごす3人に声を掛ける男。

「カノン、お待たせ。」
「大丈夫ですよー。」
 ニコッと微笑む花音、ハース伯爵家3男バジェス・ハースは微笑み返し椅子に座る。

「今日皆さんは来られなかったんだね。」
「うん、皆デートだと思う。」
「カノンも何処か出かけるかい?」
「ん~、色々考えたいしのんびりしたいかな。」
 海を見ながら呟く花音、バジェスは心配そうに花音を見る。

「家族の事かい?」
「うん。」
 話を少し聞いていたバジェスは同じく海を見ながら問いかける。

「皆には話をしたのかい?」
「・・・してない。」
「しないの?」
「・・・んーーーーーーー。」
 テーブルに手を伸ばしパタリと塞ぎこむ花音はチラリとサンジュを見る。

「サンジュ、どう思う?」
「ウキッ?そうだん?」
「うん。」
「ぱぱさんままさんまつのがいいっウキャッ。」
「・・・だよね。」
 サンジュに言われ起き上がる花音、バジェスは花音に話しかける。

「それじゃタクヤ様とマイ様はしばらく向こうですか?」
「うん。」
「進展はあったのかい?」
「・・・少しだけね♪。」
 そう言うと花音は話始めた。


----------------------------


「お父さん、いつあっち行くの?」
 花音は父親拓哉に問いかけると拓哉は無言になる。

「お母さ~ん。」
「・・・んー。」
 母親麻衣も神妙な顔で考える。

「仕事忙しいの?」
「まぁ忙しいと言われればいつも通りだな。」
「そうね。」
「そっか。」
 少し不満げに頷く花音、皆の家族は皆異世界で生活を始め楽しそうに動いている、それを見ていた花音は自分の両親だけが異世界に行かない事に不満を持っていた。

「・・・。」
 テーブルのジュースを手に取りクピッと飲む花音に麻衣が話しかける。

「花音ちゃん。」
「なにぃ~?」
「もう少し待っててくれる?」
「・・・どれくらい?」
 花音が問いかけると拓哉が話し始める。

「俺が医者を辞める時かな。」
「え!?」
 ポツリと呟いた拓哉に花音は驚く。

「なんで!?」
「向こうの事を知っただろう?」
「うん。」
「医者はな、医学を信じなければならない。」
「・・・うん。」
「だがな・・・先日難しい手術があったんだ。」
「うん。」
「医学を信じ、医者として患者を治す、当たり前の事だ、だがな・・・。」
 拳を握りしめながら呟く拓哉、そっとその手に自分の手を重ねる麻衣。

「神や魔法、話に聞いた万能薬の事が頭をよぎるんだ。」
「・・・うん。」
「この患者はもう助からない、だが全力を注ぎ手術をする、その時にふと思うんだ・・・『この患者を向こうに連れて行けば治るのではないか』と。」
 拳を握りしめながら言う拓哉。

「連れて行けないの?」
「あぁダメだ。」
「なんで?」
「1人連れて行けばまた1人と連れて行くことになる。」
「・・・ダメなの?」
「ダメだ、もしそうなればおのずとあちらの世界の事がバレる。」
「バレたら・・・ダメだよね?」
「勿論な、もしそうなれば日本中、いや世界中の国があの門へ押しかける、まぁその前に神様がすべての記憶を消すだろうが、その時は俺の記憶も消えるだろうな。」
 何故かフッと笑みを浮かべる拓哉、しかし拳は握りしめられたままだ。

「向こうに行かない理由はそれ?」
「まだ聞きかじりだけだ、だが深入りすれば俺の・・・日本で医者と言う考え方はもう出来ないだろうな。」
「お母さんも?」
「えぇ、怪我や病気を治す手段があちらにはあるでしょう?」
「うん。」
「それを使って助けたいと思う人が沢山居るのよ。」
「医療従事者ならば思って当然だ、異世界の事を知らない時から神頼みはしていたくらいだ。」
「その神様が実在して・・・魔法で治せて・・・それを知ったらね。」
「・・・うん。」
 父親と母親の言葉を聞き花音は頷く。

「花音。」
「はい。」
 拳を解き拓哉は花音の手を取る。

「心配しなくて良い、宇迦之御魂様とも話をしている、お父さんとお母さんも向こうへ行く。」
「!?」
「もう少し待って頂戴ね。」
「・・・はい。」
 花音は「どれくらい?」と言う事が出来なかった、そして2人は花音に微笑む。

「ま!近いうちに行くだろうな!」
「そうね、私も引継ぎしないといけないわ~。」
「俺もだ、早くても半年・・・いや、1年・・・ん~、2年か?」
「私だけ先にあっちに行くかもね。」
「おいおい、俺1人か?」
「嘘よ、移住する時は一緒に行くわよ。」
 明るく話始めた両親に花音はホッとした顔で見つめる。

「あらあら、花音どうしたの?」
 ぽろぽろと涙を流す花音に麻衣がティッシュで涙を拭く。

「ごめんなざい・・・おどうざん、おがあざん。」
「泣かなくて良いよ花音、あっちは楽しいんだろう?」
「うん。」
「お母さんも楽しみにしてるのよ、智美さん達と色々やりたいわ♪」
「お父さんも楽しみにしてるんだぞ?魔法が使えるんだろ?」
 両親は楽し気に話しかける、花音はぐしゃぐしゃの顔で笑みを浮かべる。

「で、でもぉぅ・・・。」
「もう少しこっちで気が済むまで医者をして早めに第二の人生を向こうで過ごす、ただそれだけだ。」
「そうね、その時は孫が出来てたりして。」
「・・・いやいや、花音それはないよな?」
「・・・なぃよぉ・・・たぶん。」
 急にオロオロと話しかける父親が面白くなり微笑む花音、すると花音のスマホが連続で鳴る。

ピロン!ピロン!ピロン!

「・・・LIMEだ。」
 花音はスマホを開きLIMEを見る。

「千春ちゃん達か?」
「うん。」
「ご用事?」
「・・・んー・・・。」
 LIMEを見ながら話している花音は笑みを浮かべ始める。

「どこ行くの?」
 麻衣が問いかけると花音が答える。

「公爵領に行く予定なんだけど・・・マジか。」
 ポツリと呟く花音を見て心配そうに拓哉が問いかける。

「何か面倒事か?」
「んにゃ、なんか着替えがどうのこうの・・・うっわ、皆逃げた!」
 青空と大愛のコメントを見て大笑いする花音。

「公爵領で着替えかぁー、ドレスとかだろうなぁ・・・。」
「行きたくないのか?」
「・・・遠慮したいな!」
「そうか、それじゃ今日はこっちで過ごすって言えば良い、お母さん寿司でも食べに行くか。」
「あら、良いわね♪」
「寿司?」
「あぁ。」
 ニコッと微笑む拓哉に花音も微笑み返すとLIMEにコメントを打ち込むと立ち上がる。

「おっけー!おすしー!」
「それじゃ予約入れておくわよー♪」
「あぁ頼んだ。」
 3人はそう言うと立ち上がり笑い合った。



(MIO~N)明日までエーデルさんのお宅にご招待されます。
(れ~な~)明日までホーキンさんのお宅にご招待されました。
(SORA)ん?何事?
(だいや)あれ?公爵領は?
(ひ~ま)・・・着替えたくない
(SORA)kwsk
(だいや)kwsk
(ちは~)言うなああああああああああ!
(SORA)把握、ミカに乗ってリヴィル領行って来る、レナエちゃんとクラミナちゃんは借りるぜ
(だいや)ゼルと一緒にショナル伯爵領遊びに行って来るねっ(はーと)
(カノン砲)パパとお寿司食べて来るので今日は日本で過ごします




しおりを挟む
感想 3,742

あなたにおすすめの小説

誰も信じてくれないので、森の獣達と暮らすことにしました。その結果、国が大変なことになっているようですが、私には関係ありません。

木山楽斗
恋愛
エルドー王国の聖女ミレイナは、予知夢で王国が龍に襲われるという事実を知った。 それを国の人々に伝えるものの、誰にも信じられず、それ所か虚言癖と避難されることになってしまう。 誰にも信じてもらえず、罵倒される。 そんな状況に疲弊した彼女は、国から出て行くことを決意した。 実はミレイナはエルドー王国で生まれ育ったという訳ではなかった。 彼女は、精霊の森という森で生まれ育ったのである。 故郷に戻った彼女は、兄弟のような関係の狼シャルピードと再会した。 彼はミレイナを快く受け入れてくれた。 こうして、彼女はシャルピードを含む森の獣達と平和に暮らすようになった。 そんな彼女の元に、ある時知らせが入ってくる。エルドー王国が、予知夢の通りに龍に襲われていると。 しかし、彼女は王国を助けようという気にはならなかった。 むしろ、散々忠告したのに、何も準備をしていなかった王国への失望が、強まるばかりだったのだ。

母は何処? 父はだぁれ?

穂村満月
ファンタジー
うちは、父3人母2人妹1人の7人家族だ。 産みの母は誰だかわかるが、実父は誰だかわからない。 妹も、実妹なのか不明だ。 そんなよくわからない家族の中で暮らしていたが、ある日突然、実母がいなくなってしまった。 父たちに聞いても、母のことを教えてはくれない。 母は、どこへ行ってしまったんだろう! というところからスタートする、 さて、実父は誰でしょう? というクイズ小説です。 変な家族に揉まれて、主人公が成長する物語でもなく、 家族とのふれあいを描くヒューマンドラマでもありません。 意味のわからない展開から、誰の子なのか想像してもらえたらいいなぁ、と思っております。 前作「死んでないのに異世界転生? 三重苦だけど頑張ります」の完結記念ssの「誰の子産むの?」のアンサーストーリーになります。 もう伏線は回収しきっているので、変なことは起きても謎は何もありません。 単体でも楽しめるように書けたらいいな、と思っておりますが、前作の設定とキャラクターが意味不明すぎて、説明するのが難しすぎました。嫁の夫をお父さんお母さん呼びするのを諦めたり、いろんな変更を行っております。設定全ては持ってこれないことを先にお詫びします。 また、先にこちらを読むと、1話目から前作のネタバレが大量に飛び出すことも、お詫び致します。 「小説家になろう」で連載していたものです。

【完結】私、四女なんですけど…?〜四女ってもう少しお気楽だと思ったのに〜

まりぃべる
恋愛
ルジェナ=カフリークは、上に三人の姉と、弟がいる十六歳の女の子。 ルジェナが小さな頃は、三人の姉に囲まれて好きな事を好きな時に好きなだけ学んでいた。 父ヘルベルト伯爵も母アレンカ伯爵夫人も、そんな好奇心旺盛なルジェナに甘く好きな事を好きなようにさせ、良く言えば自主性を尊重させていた。 それが、成長し、上の姉達が思わぬ結婚などで家から出て行くと、ルジェナはだんだんとこの家の行く末が心配となってくる。 両親は、貴族ではあるが貴族らしくなく領地で育てているブドウの事しか考えていないように見える為、ルジェナはこのカフリーク家の未来をどうにかしなければ、と思い立ち年頃の男女の交流会に出席する事を決める。 そして、そこで皆のルジェナを想う気持ちも相まって、無事に幸せを見つける。 そんなお話。 ☆まりぃべるの世界観です。現実とは似ていても違う世界です。 ☆現実世界と似たような名前、土地などありますが現実世界とは関係ありません。 ☆現実世界でも使うような単語や言葉を使っていますが、現実世界とは違う場合もあります。 楽しんでいただけると幸いです。

婚約破棄された悪役令嬢、手切れ金でもらった不毛の領地を【神の恵み(現代農業知識)】で満たしたら、塩対応だった氷の騎士様が離してくれません

夏見ナイ
恋愛
公爵令嬢アリシアは、王太子から婚約破棄された瞬間、歓喜に打ち震えた。これで退屈な悪役令嬢の役目から解放される! 前世が日本の農学徒だった彼女は、慰謝料として誰もが嫌がる不毛の辺境領地を要求し、念願の農業スローライフをスタートさせる。 土壌改良、品種改良、魔法と知識を融合させた革新的な農法で、荒れ地は次々と黄金の穀倉地帯へ。 当初アリシアを厄介者扱いしていた「氷の騎士」カイ辺境伯も、彼女の作る絶品料理に胃袋を掴まれ、不器用ながらも彼女に惹かれていく。 一方、彼女を追放した王都は深刻な食糧危機に陥り……。 これは、捨てられた令嬢が農業チートで幸せを掴む、甘くて美味しい逆転ざまぁ&領地経営ラブストーリー!

夫が運命の番と出会いました

重田いの
恋愛
幼馴染のいいなづけとして育ってきた銀狼族の族長エーリヒと、妻ローゼマリー。 だがエーリヒに運命の番が現れたことにより、二人は離別する。 しかし二年後、修道院に暮らすローゼマリーの元へエーリヒが現れ――!?

公爵さま、私が本物です!

水川サキ
恋愛
将来結婚しよう、と約束したナスカ伯爵家の令嬢フローラとアストリウス公爵家の若き当主セオドア。 しかし、父である伯爵は後妻の娘であるマギーを公爵家に嫁がせたいあまり、フローラと入れ替えさせる。 フローラはマギーとなり、呪術師によって自分の本当の名を口にできなくなる。 マギーとなったフローラは使用人の姿で屋根裏部屋に閉じ込められ、フローラになったマギーは美しいドレス姿で公爵家に嫁ぐ。 フローラは胸中で必死に訴える。 「お願い、気づいて! 公爵さま、私が本物のフローラです!」 ※設定ゆるゆるご都合主義

【完結】何故こうなったのでしょう? きれいな姉を押しのけブスな私が王子様の婚約者!!!

りまり
恋愛
きれいなお姉さまが最優先される実家で、ひっそりと別宅で生活していた。 食事も自分で用意しなければならないぐらい私は差別されていたのだ。 だから毎日アルバイトしてお金を稼いだ。 食べるものや着る物を買うために……パン屋さんで働かせてもらった。 パン屋さんは家の事情を知っていて、毎日余ったパンをくれたのでそれは感謝している。 そんな時お姉さまはこの国の第一王子さまに恋をしてしまった。 王子さまに自分を売り込むために、私は王子付きの侍女にされてしまったのだ。 そんなの自分でしろ!!!!!

白い結婚を捨てた王妃は、もう二度と振り向かない ――愛さぬと言った王子が全てを失うまで』

鍛高譚
恋愛
「私は王妃を愛さない。彼女とは白い結婚を誓う」 華やかな王宮の大聖堂で交わされたのは、愛の誓いではなく、冷たい拒絶の言葉だった。 王子アルフォンスの婚姻相手として選ばれたレイチェル・ウィンザー。しかし彼女は、王妃としての立場を与えられながらも、夫からも宮廷からも冷遇され、孤独な日々を強いられる。王の寵愛はすべて聖女ミレイユに注がれ、王宮の権力は彼女の手に落ちていった。侮蔑と屈辱に耐える中、レイチェルは誇りを失わず、密かに反撃の機会をうかがう。 そんな折、隣国の公爵アレクサンダーが彼女の前に現れる。「君の目はまだ死んでいないな」――その言葉に、彼女の中で何かが目覚める。彼はレイチェルに自由と新たな未来を提示し、密かに王宮からの脱出を計画する。 レイチェルが去ったことで、王宮は急速に崩壊していく。聖女ミレイユの策略が暴かれ、アルフォンスは自らの過ちに気づくも、時すでに遅し。彼が頼るべき王妃は、もはや遠く、隣国で新たな人生を歩んでいた。 「お願いだ……戻ってきてくれ……」 王国を失い、誇りを失い、全てを失った王子の懇願に、レイチェルはただ冷たく微笑む。 「もう遅いわ」 愛のない結婚を捨て、誇り高き未来へと進む王妃のざまぁ劇。 裏切りと策略が渦巻く宮廷で、彼女は己の運命を切り開く。 これは、偽りの婚姻から真の誓いへと至る、誇り高き王妃の物語。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。