異世界日帰りごはん 料理で王国の胃袋を掴みます!

ちっき

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速攻帰るぞジブラロール!

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 千春達はクロラス公爵領を見て回り、公爵邸へ戻って来ていた。

「・・・。」
 千春はテーブルに肘をつき、皆を見る、そして。

「みんな、クロラス領都どうだった?」
 みんなを見回す千春に頼子が答える。

「お店はジブラロールとあまり変わらなかったね。」
 頼子が答える、すると美桜達も話し始める。

「変わらないと言うか、一番賑わう通りでもオーレン公爵領の方が断然良かったね。」
「食事がなー、微妙!」
「微妙っていうか、正直あんまり美味しくなかった。」
「確かに、っていうかさ、特産品が穀物だから目新しいのが無かったんだよね。」
「うん、全部ジブラロールで普通に買えるもんね。」
 みんなはウンウンと頷きながら話す。

「千春もよく厨房入らなったなって思ったからね。」
 頼子が言うと、千春は苦笑いする。

「お店の料理にケチ付ける形になるじゃん、それにこれから変わっていくでしょ。」
 皆はラーメンを思い出しながら千春の話を聞いていた、すると美桜が立ち上がる。

「チハル、今日どうするの?」
「ん?どうするって?」
「ジブラロール帰る?」
「あー、サフィー、帰っても大丈夫なの?」
 日帰りでも良いのか不安になり千春が問いかける。

「大丈夫ですよ、クロラス公爵領に来る目的は終わってます、手紙も渡しましたから。」
「そっか、でもその日に帰るってあんまりしないからなー。」
 千春は申し訳なさそうに言うと、サフィーナが答える。

「そもそも、チハルとユラに不敬をした、クロラス公爵の領へ来ただけでも有難く思ってもらわなければいけません、それに他の領を差し置いて来たのは『公爵』だからですよ。」
 サフィーナはさも当然と言わんばかりに答える、千春は頷く。

「それじゃ帰りますかね♪」
「はーい!チハル!」
「はい、ミオたん。」
「口直しのラーメンを日本で食べたいです!」
 美桜が言うと、麗奈や青空達も声を上げる。

「賛成!」
「やっぱり日本のラーメンだよね!」
「わかるぅ、夕食は日本のラーメン!」
 キャッキャと騒ぎ始めるJK達、千春はサフィーナに帰る事を伝えると、侍女が部屋から出て行く。

「フェアリーリングは何処に作る?」
 麗奈が言うと、リリがパタパタと庭に飛んで行く。

「ここらへんで良いじゃない。」
「えーそんな所に作ったら壊れない?」
「また来るの?」
「・・・来るかもよ?」
 リリと麗奈は千春を見る。

「来るかも、しれないけど、いざとなったらドラゴンで来れるから。」
 千春は笑いながら答える、すると扉がコンコンとノックされ開かれる。

「失礼致します。」
 入って来たのはハニードとアベニーだ。

「チハル王女殿下、お帰りになるとお聞きしましたが。」
「今からお帰りになるのですか?」
 ハニードとアベニーが千春に話しかけると、千春は頷く。

「はい、街も探索出来ましたので、ジブラロールに戻りますね♪」
 ニコッと微笑み千春は2人に言うと、2人は目を合わせ千春に頷く。

「クロラス領へ御出で下さり有難う御座いました。」
「いえいえ、こちらこそ有難う御座いました。」
 深々と頭を下げるハニードとアベニー、千春は笑みを崩さず答え、サフィーナを見る。

「それでは帰りましょうか、ハニード公爵閣下、庭にフェアリーリングを作っても宜しいですか?」
「・・・はい?」
 フェアリーリングの事は知らなかったのか、うわずった声で返事を返す、サフィーナは了解の返事と受け取りリリを見て頷く、リリはクゥクゥ、レゥレゥと庭でくるくると回りながら庭の隅にフェアリーリングを作る、ポコポコと広い範囲にきのこが生える。

「さ!みんなかえろー♪」
「はーい。」
「おつかれさまー。」
 皆はクロラス公爵夫妻に頭を下げながら庭に出る、そして皆がフェアリーリングに入ると、妖精達が魔力を放出し、一瞬で消えた。

「「・・・」」
 クロラス公爵夫妻は呆然と庭を見つめたままだった。


------------------------------


「ただいまー!」
 千春はいつもの様に自分の応接室に入る。

「おかえり千春、早かったわね。」
 春恵は苦笑いで千春を迎える。

「まーねー。」
「それで?ラーメン食べに行くの?」
 春恵の問いかけに反応したのは美桜だ。

「はーい!食べに行きまーす!」
「どこのラーメン?」
「この前の所でよくない?」
 ワイワイと騒ぎ始めるJK達、千春は美桜に声を掛ける。

「ミオ、私はお母様に報告してくるから皆で行って来て良いよ。」
「チハルは行かないの?」
「うん、今日はこっちでおかぁさんとご飯食べるから。」
「おっけー、ラーメン食べる人ー!」
「「「「「「はーい!」」」」」」
 千春以外が手を上げる。

「それじゃ私はお母様の所にいってくるねー。」
 そう言うと千春は皆に手を振り部屋をでる、サフィーナとモリアンは千春の後をついて来る。

「チハル、良かったの?行かなくて。」
「うん、麺はもういいやー、米食べたい!」
 千春は笑いながら答え、王宮の廊下を歩く。

「んー。」
「どうしたの?チハル。」
 何かを考えながら唸る千春にサフィーナが話しかける。

「いや、こんなに不完全燃焼な場所初めてだったなーって思ってさ、モリーもそう思わなかった?」
「なにもありませんでしたもんね~。」
 モリアンもそう感じたのか、頷き答える。

「もっと楽しい所無いのかな。」
「チハルの楽しいって新しい食材でしょう?」
「んー、遊べる所でも良いけど。」
「チハルさんが遊ぶって何するんですか?」
「・・・なんだろ。」
 たわいのない話をしながら歩く3人、程なくマルグリットの部屋につくと、モリアンが扉をノックする、扉はすぐに開き中へ促される。

「ただいまかえりましたー。」
「おかえりチハル、早かったわね。」
「はい♪」
 ニコッと微笑み千春はマルグリットの横に行く、マルグリットの腕の中にはチェラシーがいた。

「ただいまチェラシー♪」
「あーぅ。」
「かわい~♪」
「それで、クロラス公爵領は楽しかった?」
 マルグリットは意地悪そうに笑う。

「お母様知ってたんですか?」
「知ってるわよ、何も無かったでしょう?あるのは穀倉地帯だけ、特産品と言う物も無いわ、チハルのレシピで新しい料理が作られてれば、楽しめるかもしれないわね、とは思ったけれど。」
 マルグリットの言葉に千春は苦笑いだ。

「ぜんっぜん面白くなかったです!ラーメン美味しく無かったですし。」
「あら珍しい、チハルがそこまで言うなんて。」
「初めてですね、こんなに早く帰りたいと思った所は。」
 ガックリと肩を落とす千春、マルグリットはクスクスと笑う。

「チハルのレシピを使って新しい料理を作っている領も有るわ、色々回ってみたらどう?」
「そうですねー、他にも呼ばれてる領があるんですよね?」
「えぇ、沢山有るわ。」
「そっかー、片っ端から回ってみようかな、まだ休みあるし。」
 千春は卒業式までの日程を思い出す、まだまだ休みは続く。

「それで?ハニードはどうだった?」
「あははは!もうアベニーさんに頭が上がらないみたいでした♪」
「でしょうね、あの件の後物凄く叱ったもの。」
「あとお爺様のお手紙見て顔を青くしてましたよ?」
「あー、あの手紙ね。」
「お母様、内容知ってます?」
「えぇ、知ってるわよ。」
「なんて書いてたんです?」
「知りたいの?」
「はい!」
「どうしようかしら~♪」
「えー!おしえてくださーい!」
 少し気分が滅入っていた千春は、マルグリットに揶揄われながらも楽しく話す、そして何処の領が楽しいか、どの領に行くかと計画を組んだ。


------------------------------


「っかー!やっぱりラーメンはここだよね!」
 鳥居ゲートを使い、いつものラーメン屋で食事をする頼子達。

「ユラちゃん達も餃子もたべなー。」
「ありがとー!ヨリおねーちゃん!」
 ユラ、イーレン、イーナ、そしてルペタも小さな器でラーメンを食べながら餃子を食べる。

「おいしー!」
「おいしいね!」
「おいしいのです!」
「おいしー!」
 幼女達は満面の笑みで答える。

「正直もうあの領は行かなくて良いや。」
 麗奈がポツリと呟く。

「うん、でも勿体ないね、あんなに大きな領なのに。」
「でも、あそこで食べてる人達は楽しそうだったよ。」
「あの人達はあれで満足なんだろうけど・・・。」
 ふと日葵が呟いた言葉に大愛が問いかける。

「けど?」
「ん、あの人達がジブラロールに来たら、驚くだろうなーって。」
「あー、料理の質が違うからね。」
 大愛と日葵が話していると、花音が答える。

「そりゃそうでしょ、ジブラロールはチハルのお膝元だよ?」
「お膝元ってどういう意味だっけ。」
 はて?と青空が呟くと、花音が笑いながら言う。

「支配下って意味だよ、ジブラロールはチハルの料理が支配してるからね。」
「「「「「「たしかにー。」」」」」」
 JK達はウンウンと頷く、幼女達は気にせず餃子をパクパク食べながら微笑んだ。



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