異世界日帰りごはん 料理で王国の胃袋を掴みます!

ちっき

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ジブラロール料理大会始まった!

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「大盛況ね。」
 デミオーガの姫、クラータはギルドが主催する出店を見て回る、旅人や商人、冒険者までもがコロシアムの周りに出店された料理を味わっていた、デミオーガ大将のセルロが頷く。

「食材の半分は商業ギルド持ちですからね、普段より安く売っても粗利がデカいです。」
「たまにはあいつらの懐も温かくしてあげないとねぇ。」
 ゴツイ体で器用に作業する男を見ながら言うクラータ、勿論犯罪者ギルド以外の店もある。

「あら、食堂の旦那じゃない。」
「おう!お嬢、儲かってるみたいだな。」
「お陰様で、今日は旦那1人?」
「ああ、嫁と娘はあっちだ。」
 食堂の主人は親指をコロシアムに向けながら笑う。

「え?レウピィも大会出てるの?」
 驚くクラータ、食堂の看板娘レウピィは他国からの犯罪者誘導に協力してくれる大事な娘だ。

「ああ、良い所まで行くんじゃねぇか?」
 楽し気に言う食堂の主人、クラータはレウピィと奥さんの料理を思い出す。

「・・・優勝しちゃうかも。」
 呟くクラータに、食堂の主人はニヤリと笑う。

「優勝したら貴族から声が掛けられちまうな。」
「貴族ぅ?レウピィに手を出すなら覚悟が必要よ?」
「おー怖い怖い、まぁそうだな、お嬢とロイロちゃん、ユーリン達の目が光ってるからな。」
 クックックと笑いながら鍋をかき混ぜる食堂の主人。

「旦那、2杯頂戴。」
 クラータはそう言うと、器を受け取る。

「あら、ビーフシチューじゃない!」
「おう!しかもいつもの半額だぞ?」
 ニヤっと笑う主人に笑みを返すクラータ、セルロは器を1つ受け取るとベンチに座る。

「どうします?姫。」
「なにが?」
「見学に行きますか?」
「外で何か起きたら動かないとダメでしょ、今日はここで見回るわ。」
「了解です。」
 2人はそう言うと、ビーフシチューを食べ始めた。


----------------------------


「フランシスは何処まで行けるか。」
 オーレン公爵領領主、セベラム・オーレンはコロシアムの貴族席で呟く。

「あら、フランシスはサポートよ?」
 オーレン公爵夫人、ベニファ・オーレンが答える。

「ああ、そうだった、テールキ嬢のサポートだったな。」
「ええ、この大会で優勝、いえ、上位に食い込む事が出来ればそれだけで嫁ぎ先が増えますからね。」
「バンドレ伯爵であれば侯爵、いや、今なら公爵でも声を掛けて来るかもしれぬな。」
「今、ジブラロールでは料理が出来る事がステータスになってますからね。」
 クスクス笑うベニファにセベラムも笑う。

「フランシスはしっかりトレヴァー家嫡子の胃袋を掴んだからな。」
「ええ、将来有望、人柄も良い、文句のつけようがない子ね。」
「それで、フランシス、いや、テールキ嬢は何処まで行けると思うんだ?」
「そうね、優勝を狙えるのではないかしら?」
「それは流石に無理だろう。」
「うふふ、そう思ってるのはあなただけよ、学園での料理教室、チハル王女殿下とのお茶会でもレシピを貰い、最近はヒナさんとも3人で料理を教えてもらってるの、これ以上に良い待遇の人なんてジブラロールに居るわけ無いわ。」
 自身満々に言うベニファ、セベラムは頷く。

「女神の包丁も魅力だな。」
「そう?フランシスはあまりに気にしてなかったわよ?」
「女神アイトネ様から神授される包丁だぞ!?家宝!いや、国宝物だぞ!?」
「ええ、あまり大声では言えませんが・・・。」
 ベニファはセベラムの耳元で小さく呟く。

「チハル王女殿下直伝のスイーツをお渡しすると貰えるそうよ。」
 今にも消えそうな声で囁くベニファに、セベラムは目を見開く。

「内緒よ?」
「あ、ああ、言える訳が無い。」
 頷くセベラム、そしてクスクス笑うベニファはコロシアムに入って来た娘達に目をやった。


----------------------------


「さ~て行きますかぁ♪」
 シャリーが立ち上がると、2人の少女も立ち上がる。

「ヨール、グラ、頑張るわよ!」
「うん!シャリー頑張って!」
「シャリー!目指せ優勝よ!」
「まかせて!」
 3人は休憩所を出ると、出場者控室へ向かう。

「でも、結構な参加人数だったわよね。」
 ヨールは沢山の料理人を目にし、驚いた事を思い出す、シャリーはフフンと笑い答える。

「他国の料理人は気にしてないわ、問題は貴族令嬢よ。」
「学園の新しい授業よね。」
「それ聞いたわ、しかも料理上手な子は上級貴族からお声が掛かるそうよ?」
「私たちも優勝したら声かけてもらえるかしら?」
 シャリーの言葉にヨールとグラは楽し気に話始める。

「ヨールもグラも貴族と結婚したいの?」
「んーん、面倒だから街の人でいいよ。」
「わたしもー、今から貴族の作法なんて覚えられないし。」
 2人の答えにクスクス笑うシャリー。

「チハルちゃんに言えばそう言うの気にしない貴族様ともお付き合い出来そうだけどね~♪」
「え?シャリーは貴族と結婚したいの?」
「ん~ん、今は料理が楽しいから結婚なんて考えられないよ。」
「でも優勝しちゃったら声掛かるんじゃない?」
「かかるかもしれないわね~♪」
 余裕な表情で答えるシャリー、だが興味は無さそうに言う。

「それじゃ女神様の包丁狙い?」
「優勝ねらうならそうなんでしょ?」
 2人に言われシャリーは苦笑いで答える。

「包丁かぁ・・・もう持ってるんだよね(ボソッ)」
 小さな声で答えるシャリー、しかし2人は聞き逃さなかった。

「え!?」
「も・・・もってるの!?」
「しーーーー!!!」
 口の前に人差し指を当てながらシャリーが答える。

「前、固い果物を切ってる時に現れて『はいコレ♪』って渡して帰って行っちゃったのよ。」
 シャリーはそう言うと綺麗な鞘に入れられた包丁を少しだけ見せる。

「それ、神授だったんだ。」
「いつも使ってるから普通の包丁だとおもってたわ。」
「でも確かに、あの固い果物も殻も種も一振りだったわね。」
「うんうん、よく手入れしてあるなーっておもってたわよ。」
 2人が言うと、シャリーは微笑む。

「私は大会で1番を取る!アイトネ様のスイーツを作っているという自信を持つためにね!」
『呼んだ?』
「「「うわぁ!!!」」」
『そんな事で自信つけなくても大丈夫よ♪私はシャリーちゃんのスイーツ大好きだから♪頑張ってね♪』
 アイトネはそう言うと直ぐに消えた。

「・・・うん、頑張ろう。」
 アイトネに頑張ってと言われて嬉しそうに微笑むシャリー、そして2人も頷くと、シャリーが声を上げる。

「優勝ねらうぞー!」
「「おー!」」
 3人は手を上げ、満面の笑みで声を上げた。




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