異世界日帰りごはん 料理で王国の胃袋を掴みます!

ちっき

文字の大きさ
863 / 1,167
連載

新ママさんズ!

しおりを挟む
「さ、アカネさん、マフユさんどうぞ。」
 クローゼットの前で春恵は2人の手を取る、2人は春恵の手を握り異世界に入った。

「これが異世界。」
「凄いわ。」
 2人はポツリと呟くと、子供達が開けた扉の方を見る、明るく賑やかな声が聞こえる。

「さ、こちらへどうぞ♪」
 嬉しそうに春恵は隣の部屋を指し歩く、2人は春恵の後ろについて行くと千春の応接室へ入った。

「いらっしゃいませー!」
 千春は楽し気に声を掛けると、侍女達が頭を下げる、茜と真冬は頭を下げる。

「さーて、ユキちゃんとレイちゃん、今から晩御飯作るけど一緒に作らない?」
「「つくる!」」
「それじゃこっちおいでー♪」
 千春は2人を隣の厨房へ連れて行く、その姿を見送る母親達。

「さ、どうぞそちらに。」
 茜は春恵に促されるが、視線はルプやビェリー、コン、そしてロイロに目が行く。

「土地神様?」
「本当だわ、あの銀狼様は見た事が有ります。」
 茜の言葉に真冬が答える。

「元気そうで何よりだ雪女。」
 ルプはクックックと笑いながら声を掛ける、するとサフィーナが2人の横に立ちお茶の準備を始めながら声を掛ける。

「どうぞそちらに。」
 微笑みながら促すと2人はソファーに座った。

「どう?こちらの世界。」
「凄い、力が湧き出るみたい。」
「気では無い何かが充満してますね。」
「ええ、こちらではマナと言われる力なの。」
 春恵はサフィーナに淹れてもらったお茶を受け取り口を付ける。

「おかぁさーん、カレー作る事になったよー。」
「あら、カレーなの?」
「うん、おこちゃま達が皆でカレーって言うから・・・何話してたの?」
「こっちのマナが凄いわねーって話よ。」
「あっちにマナないんだっけ?私達はMPとか魔力って言ってるけど。」
「あっちは気と言われる別物なのよ。」
「別物なの?そう言えばルプも似たような事言ってたね。」
 千春はルプの方を見る、ルプは千春を見ると頷く。

「こっちの魔力は使い方を知らなければ使えねぇからな。」
「わっちらは魔法属性の適性があるけんねー。」
「僕もありましたねー。」
 ルプ、ビェリー、コンが言うと千春は首を傾げる。

「魔力と気って違うの?」
 千春が言うとルプは少し考える様な仕草をすると説明を始める。

「そうだな、あっちで使う気と、こっちの魔力、似て非なる物だな、わかりやすく言えば、同じ燃える燃料ではあるが性質が違う。」
「そうやねー、地球はガソリン、こっちはアルコールみたいな感じかいな?」
「そんな感じですね、あちらで使うにはこちらの魔力は軽いです、地球で使うにはこちらの魔力では出力が足りない感じです。」
 ルプ達の例えに少し首を傾げるが、茜、真冬は納得したのか頷いている。

「力が湧く感じなのは私達にも魔力の適性が有ると言う事なのね。」
「そう言う事でしょうね、体に吸収されるのが分かるわ。」
 茜と真冬が言うと、千春は考える、そしてより詳しく知りたくなり、声を掛ける。

「アイトネー。」
『はーい♪』
「きいてた?」
『もちろん♪ルプ達の言っていた説明で合ってるわよ?』
「それが良く分かんなかったんだけど。」
『そうね、地球はマナの制限を掛けているのは前説明したわよね?』
「うん。」
『でも星の管理をするのには必要な物でもあるの。』
「神様も使うから?」
『半分正解、それで地球の湧き出る力、リュウミャクだったかしら、そこから力を分けてもらっているのよ。』
「あー、はいはい。」
『その力は少しの量でもある程度の術を使えるわ、でも使う為にはかなりの能力が必要なの。』
「人は使えないんだっけ?」
『使えないというより、溜める器が足りないのよ、長く生きた者、ルプ達の様な精神生命体や彼女達みたいな、ね?』
 そう言うとアイトネは茜と真冬を見る、2人は急に現れた女神を呆然と見ていた。

「へぇ、で?こっちは?」
『この世界、+々6^2♪<7\☆○の世界はマナを世界中に広げてるの、マナは体に貯めやすいから人でも溜める事が出来るのよ。』
「日本じゃ使えないんだよね。」
『ええ、マナの力では地球の制限を突破するのは難しいわ、コンが言った通り「出力が足りない」の。』
「ふむふむ~、で?神様達はマナ・・・魔力喜んでたけど?」
『精神生命体はマナを圧縮して神気として溜める事が出来るの、だからマナの豊富な神気餅は取り込みやすいエネルギーなのよ。』
「だからあんなに喜ぶんだ。」
 納得した千春は頷く、そして質問を続ける。

「で?ユキママさんとレイママさんはこっちで力使えるの?」
 千春が言うと、アイトネは2人を見る。

『ええ、炎属性と氷属性が特化しているわ、想像以上ね。』
「あっちのお子ちゃま達は?」
『あの2人も一緒ね、ユキは狐の精霊、こちらの種族で言うとフェイ・フォックス、 妖精界の狐型魔族よ。』
「レイちゃんは?」
『フロスト・セイレーンね、同じく妖精界、最上位の水棲魔族になるわ。』
「あ、どっちも魔族なんだ。」
『ええ、アルと一緒ね♪』
「あ!アルデアも魔族だったわ!一緒に居る事多いから完全に忘れてたわ!」
 千春はそう言うと天井にぶら下がるシャンデリアを見る。

「アルデアー。」
 千春の呼びかけに蝙蝠がピョコっと顔を出すが、直ぐに厨房の方を見る、すると厨房からアルデアが現れた。

「呼んだ?」
「なんでそっちいんの?」
「イーナの様子を見てたのよ、何?」
「魔族仲間来たよ。」
 千春がそう言うと茜と真冬に両手を広げながら指す。

「こんにちは、ヴァンパイアのアルデアよ、よろしくね♪」
 アルデアは貴族のカテーシーで挨拶をする。

「ヴァンパイア・・・。」
「物凄い魔力だわ。」
 2人はアルデアを見て目を見開く。

「あら、あなた達も数日ここに住めば良い感じに魔力を溜めれるわよ?」
 アルデアは飄々と答えると千春の横に座る。

「アルデアってあっちでも数回くらいなら魔法使えたよね?」
「ええ、数回使えばあっという間に尽きちゃうけれど。」
 千春に答えるとアルデアはサフィーナにお茶を貰う。

「アルデアはあっちで気を溜めたり出来ないの?」
「無理ね、あっちで1000年くらい過ごしたら溜めれる様になるかもしれないし、出来ないかもしれないわ。」
「へー、そんな感じなのね。」
「そ、逆に向こうの魔族や聖獣ならこちらの魔力を使うのには苦労しないでしょう?」
 アルデアはそう言うとルプを見る。

「ああ、少しコツは必要だが、慣れればなんてことないな。」
 ルプが言うとロイロが苦笑いで答える。

「儂はアルデア並みの魔力を保持しておるが、向こうでは出力不足じゃったわ。」
「へー・・・なんか私『へー』しか言って無いきがするな。」
 千春の呟きに皆が笑う。

「良いじゃない、千春はこっちで魔法使えるでしょ?」
「つかえるけどー、おかぁさんみたいに使えると便利じゃーん。」
「それは女神特権だもの♪」
 春恵の言葉に茜がハッとした顔で春恵を見る、そして質問した。

「そう!そう!物凄い神気を感じたの!貴女は何者なの!?それに!」
 茜は春恵とアイトネを見る。

「私は春恵、日本で一度死に、こちらで女神として転生した千春の母です、ハルって呼んでくれるとうれしいかな?」
『私はこちらの世界の管理者よ、アマちゃんと同じ種族なのよ。』
「アマ・・・天照大御神様で御座いますか?!」
 真冬が驚きながら問いかける、茜も同じ様に驚き椅子から降り地面に正座する。

『そう言うのは大丈夫よ、気楽にして頂戴♪』
「・・・アイトネって偉い人なんだねぇ。」
「千春、なにを当たり前の事言ってるの?」
 アイトネは2人にソファーへ座るよう促し、千春は春恵に突っ込まれる、すると厨房から千春を呼ぶ声が聞こえた。

「チハルさーん!」
「はいはーい!それじゃ料理手伝って来ますんでごゆっくり!」
 千春はソファーから飛び降りると厨房へ走っていく。

「騒がしい子でごめんなさいね。」
 苦笑いで言う春恵に茜と真冬は真顔で首を横に振る。

「それじゃ新しいママさんズとして交流させて貰おうかしら♪」
「ママさんズ?」
「なんですか?それ。」
「ウチの子達が私達をそう呼ぶのよ、ユラは私の娘みたいなものなの、それに私が死んだのは千春がそれくらいの歳の頃・・・もう一度娘の成長が見れて嬉しいの、お友達になってくれますか?」
 春恵の言葉に茜と真冬はすぐに返事を返した。

「「もちろん♪」」
 そして新ママさんズは子供達の声を聞きながら子育て談義で盛り上がった。






しおりを挟む
感想 3,885

あなたにおすすめの小説

追放料理人とJKの異世界グルメ無双珍道中〜ネットスーパーは最強です〜

音無響一
ファンタジー
わーい、異世界来ちゃった! スキルスキル〜何かな何かな〜 ネットスーパー……? これチートでしょ!? 当たりだよね!? なになに…… 注文できるのは、食材と調味料だけ? 完成品は? カップ麺は? え、私料理できないんだけど。 ──詰みじゃん。 と思ったら、追放された料理人に拾われました。 素材しか買えない転移JK 追放された料理人 完成品ゼロ 便利アイテムなし あるのは、調味料。 焼くだけなのに泣く。 塩で革命。 ソースで敗北。 そしてなぜかペンギンもいる。 今日も異世界で、 調味料無双しちゃいます!

異世界召喚されたけどスキルが地味だったので、現代知識とアイテムボックスで絶品料理を作ったら大商会になっちゃいました

黒崎隼人
ファンタジー
手違いで剣も魔法もない異世界に召喚された、しがない日本のサラリーマン、湊カイリ。 彼に与えられたのは、無限に物が入る【アイテムボックス】と、物の名前が分かる【鑑定】という、あまりにも地味な二つのスキルだけだった。 戦闘能力は皆無。途方に暮れるカイリだったが、異世界の食事が絶望的に不味いことを知り、大きなチャンスに気づく。 現代日本の「当たり前」の知識は、この世界ではとんでもない「宝」なのだと! 「醤油?味噌?そんなものがあれば、この世界の食文化はひっくり返るぞ!」 ひょんなことから出会った没落貴族の美少女・リリアナと共に、カイリは現代知識と地味スキルを駆使して屋台から商売をスタート。 絶品料理で人々の胃袋を掴み、さらには便利な生活用品を次々と発明していく。 伝説の神獣の幼体「フェン」やドワーフの鍛冶師など、頼れる仲間たちも加わり、彼らが立ち上げた「サンライズ商会」は瞬く間に大躍進! 迫り来る悪徳商会や腐敗した貴族の妨害も、現代のマーケティング術と知恵で痛快に打ち破る! これは、平凡なサラリーマンが異世界の常識を覆し、食と生活に革命を起こして一代で大商会を築き上げる、痛快成り上がりファンタジー! 美味しい料理と、もふもふな相棒、そして仲間との絆。 人生、逆転できないことなんて何もない!

五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~

放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」 大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。 生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。 しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。 「すまない。私は父としての責任を果たす」 かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。 だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。 これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。

【完結】モブ令嬢のわたしが、なぜか公爵閣下に目をつけられています

きゅちゃん
ファンタジー
男爵家の三女エリーゼは、前世の記憶を持つ元社畜OL。社交界デビューの夜、壁際でひとりジュースを飲んでいたところを、王国随一の権力者・ヴァルナ公爵カイルにスカウトされる。魔法省の研究員として採用されたエリーゼは、三年間誰も気づかなかった計算の誤りを着任三日で発見。着々と存在感を示していく。一方、公爵の婚約候補と噂されるクロード侯爵令嬢セラフィーヌは、エリーゼを目障りに思い妨害を仕掛けてくるが...

「わざわざ始まるまでまたないで、今のうちに手を打ったってよくない?」

イチイ アキラ
恋愛
アスター公爵令嬢エステルは、夢をみる。それは先を映す夢。 ある日、夢をみた。 この国の未来を。 それをアルフレッド王太子に相談する。彼女を愛して止まない婚約者に。 彼は言う。 愛する君とぼくの国のためなら、未来を変えるのも仕方なくない?

聖女の力は「美味しいご飯」です!~追放されたお人好し令嬢、辺境でイケメン騎士団長ともふもふ達の胃袋掴み(物理)スローライフ始めます~

夏見ナイ
恋愛
侯爵令嬢リリアーナは、王太子に「地味で役立たず」と婚約破棄され、食糧難と魔物に脅かされる最果ての辺境へ追放される。しかし彼女には秘密があった。それは前世日本の記憶と、食べた者を癒し強化する【奇跡の料理】を作る力! 絶望的な状況でもお人好しなリリアーナは、得意の料理で人々を助け始める。温かいスープは病人を癒し、栄養満点のシチューは騎士を強くする。その噂は「氷の辺境伯」兼騎士団長アレクシスの耳にも届き…。 最初は警戒していた彼も、彼女の料理とひたむきな人柄に胃袋も心も掴まれ、不器用ながらも溺愛するように!? さらに、美味しい匂いに誘われたもふもふ聖獣たちも仲間入り! 追放令嬢が料理で辺境を豊かにし、冷徹騎士団長にもふもふ達にも愛され幸せを掴む、異世界クッキング&溺愛スローライフ! 王都への爽快ざまぁも?

揺れぬ王と、その隣で均衡を保つ妃

ふわふわ
恋愛
婚約破棄の断罪の場で、すべては始まった。 王太子は感情に流され、公爵令嬢との婚約を解消する。 だが、その決断は王家と貴族社会の均衡を揺るがし、国そのものを危うくする一手だった。 ――それでも彼女は、声を荒らげない。 問いただすのはただ一つ。 「そのご婚約は、国家にとって正当なものですか?」 制度、資格、責任。 恋ではなく“国家の構造”を示した瞬間、王太子は初めて己の立場を知る。 やがて選ばれるのは、感情ではなく均衡。 衝動の王子は、嵐を起こさぬ王へと変わっていく。 そして彼の隣には、常に彼女が立つ。 派手な革命も、劇的な勝利もない。 あるのは、小さな揺れを整え続ける日々。 遠雷を読み、火種を消し、疑念に居場所を与え、 声なき拍手を聞き取る。 これは―― 嵐を起こさなかった王と、 その隣で国家の均衡を保ち続けた妃の物語。

美人同僚のおまけとして異世界召喚された私、無能扱いされ王城から追い出される。私の才能を見出してくれた辺境伯様と一緒に田舎でのんびりスローライ

さら
恋愛
美人な同僚の“おまけ”として異世界に召喚された私。けれど、無能だと笑われ王城から追い出されてしまう――。 絶望していた私を拾ってくれたのは、冷徹と噂される辺境伯様でした。 荒れ果てた村で彼の隣に立ちながら、料理を作り、子供たちに針仕事を教え、少しずつ居場所を見つけていく私。 優しい言葉をかけてくれる領民たち、そして、時折見せる辺境伯様の微笑みに、胸がときめいていく……。 華やかな王都で「無能」と追放された女が、辺境で自分の価値を見つけ、誰よりも大切に愛される――。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。