異世界日帰りごはん 料理で王国の胃袋を掴みます!

ちっき

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閑話:ヒナねーちゃんの空の旅!

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 ゆっくりと景色の変わる空、飛空島は山を抜け、大きく開けた海が見え始めた、飛空島の先頭に立ち景色を見ていた弓削陽菜は後ろからの足音で振り返る。

「ヒナ。」
「フスネ。」
 婚約者となったオーレン公爵家、フスネ・オーレンは微笑む。

「冷えないかい?」
「結界があるから大丈夫よ、ほら、フリエンツ王国が見えたわ。」
 嬉しそうに報告する陽菜、フスネは陽菜の横に立ち、先を見る。

「大きな王国だ。」
「ね、凄いよね。」
「魔国も凄かったけどね。」
 クスクスと笑う陽菜に微笑み返すフスネ、2人はゆっくりと変わる景色を見ながらフリエンツを見つめた。


----------------------------------


「ただいま。」
 扉を開け、部屋に入って来た陽菜は、一つ目で青い肌をした女性に声を掛ける。

「お帰りヒナ。」
「テールカ・・・寒かった!」
「やっぱり寒かったんじゃないか。」
 肩を擦る陽菜にフスネは笑う。

「それじゃフリエンツに着陸するわね、ロボ君お願い。」
「了解シマシタ、空港ヘ着陸イタシマス。」
 広い空港にゆっくりと下降する飛空島、地上では沢山の馬車や商人が待っている、そして飛空島に乗っている商人や旅人たちも、降りる準備で大忙しだ。

「ヒナ、フスネってフリエンツは初めてなの?」
「たしか・・・初めてだよね?」
「ああ、初めてだよ。」
 頷くフスネにテールカが問いかける。

「魔国はどうだった?」
「色々勉強になったね、ジブラロールの法が入っているのにはびっくりしたけれど。」
 それを聞き、笑う陽菜。

「それはチハルちゃん達のせいね。」
「聖女様か、凄いな。」
「あの子達ほんと凄いわ、お父さん達も関わってるらしいけどね♪」
 3人がのんびり話していると、軽く地面が揺れる、そして飛空島の出入り口は大賑わいだ。

「それじゃ王城に行って挨拶する?」
 テールカが言うと、フスネが頷く、しかし陽菜は苦笑いで答える。

「マリーナ居るかしら?」
「今の所6割居たでしょ。」
「確率的にはね~♪さ、フスネ行きましょ♪」
 陽菜に言われ、フスネとテールカも笑いながら扉を開ける。

「イッテラッシャイマセ~。」
 ロボ君は手を振り皆を見送った。


----------------------------------


「いらっしゃいませ。」
 空港に足を付けた陽菜たちに声を掛けるのは、王宮騎士団であるセイレーン達だ。

「マリーナ様はいらっしゃいますか?」
「・・・いえ、今はジブラロールに到着されてる予定です。」
「はい!5割になりました~♪」
 楽し気に言う陽菜。

「王宮にいつもの部屋をご準備させて頂いております。」
「ありがとう、でもマリーナ様がいらっしゃらないのでしたら、先に街に行っても?」
「はい、勿論で御座います、護衛を呼びますのでお待ちくださいませ。」
「何度も来てるもの、護衛はいいわよ、それに。」
 陽菜は肩に乗った妖精を見る。

「チョチョが居るわ。」
「まかせて♪」
「いえ、何か有れば・・・大変なので。」
 力強く言うセイレーンに陽菜は折れ、頷いた、そして護衛に守られた馬車はトコトコと街へ向かう。

「ヒナ、マリーナ様呼びに行く?」
 チョチョが問いかけると、陽菜は首を振る。

「今頃天丼たべながらゆっくりしてるでしょ、邪魔したくないわ、それにまた来るし5割なら次は会えるでしょ♪」
「次は4割になってるかもしれないわよ?」
 テールカは笑いながら言うと、横でフスネも笑う。

「いいのよ、今回の旅はフスネが各国を見て回って勉強する旅なんだから。」
「父上に言われ、飛空島に乗ったけれど、勉強になってるよ、そしてどれだけジブラロールが平和で発展しているかも、身に染みて分かった。」
「テールカ、他の大陸にも行くのよね?」
「ええ、次はトーホル大陸の予定ね、こっちの便は大型飛行艇が2隻で代わりに飛ぶわ。」
「次は港町ルジイタと、プロステル王国だっけ?」
「獣人の国、ロンガー王国にも行くわよ、途中の小さな村にも贈り物があるってチハルちゃんが言ってたわ。」
「場所わかるの?」
「ええ、ロボ君に座標を教えていたから大丈夫。」
 次の旅の話をしながら外を見るフスネ、綺麗に整備された道、笑いが聞こえる通りに微笑む。

「良いね。」
「ん?なにが?」
「みんな幸せそうだ。」
 微笑むフスネの手を取る陽菜。

「マリーナ女王も頑張ってるから。」
 2人は街を見ながら話す、そして馬車は停留所に止まると、陽菜たちは馬車から降りる、そしてプロステルの街を歩く、人間よりも鰭族や海を生業とする種族が多く、所々には魔族も歩いていた。

「人間の方が少ないんだね。」
「鰭族は魔族らしいから、魔国と同じ様な感じらしいわ。」
「そのお陰で私も人間の国よりも歩きやすいわ。」
「テールカは魔国でも浮いてたわよ。」
「一つ目だものね~。」
 軽く答えるテールカ、大きな一つ目をパチリ瞬きし微笑む。

「それ、もしかしてウインク?」
「そうよ?」
「瞬きしただけよね。」
 楽し気に話す2人を横目に、フスネは微笑みながら街を歩く。

「フスネ!これ!これが美味しいのよ!」
 急に陽菜は立ち止まり、屋台を指差す、屋台には丸い焼いた物が並べられていた。

「これは?」
「タコ焼き♪」
「あ、私も食べたいわ。」
 陽菜が言うと、テールカものぞき込む、ソースの香りが漂い食欲をそそる。

「タコヤキ?」
「ええ、チハルちゃん達が広めた料理の1つよ。」
「おじさん、タコヤキ3つくださいな。」
 テールカはさっさと注文をする、店の主人は頷き、大きな手で上手に串を使い、大きな葉で出来た器に並べ、ソースを塗り、鰹節をまぶすと、青のりを振りかける。

「マヨはどうする?」
「「かけて!」」
 陽菜とテールカの声がハモる、それを見てフスネはクスクス笑う。

「なんで笑ってるの?」
「いや、2人仲が良いなと思ってね、姉妹みたいだ。」
 フスネは答えると、2人も笑う。

「一緒に居る時間長いものねぇ。」
「そうね、ヒナが小説を書いてる時も横にいるものね。」
「食事も一緒、お風呂も、寝る時も一緒ね。」
 ウンウンと頷く2人は、たこ焼きを受け取ると、フスネに1舟渡す。

「「あっつううう!!!」」
 同時にたこ焼きを口に入れた2人は声をあげる。

「あはははははは!!!」
 大笑いするフスネ、恥ずかしそうに陽菜とテールカは目を合わせ笑う。

「ほら、2人とも、座って食べよう、そこのベンチ空いてるよ、チョチョも食べるかい?」
「ありがとう!フスネ!いただくわ♪」
 3人はベンチに座る、そしてタコ焼きを食べながら街を見る、潮風に乗って笑い声が響く街で、陽菜はたこ焼きを頬張り、隣のフスネと目を合わせ微笑んだ。







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