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幕間
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彼女との約束から1週間。
それからもなんだかんだと足しげく喫茶ジュリエットへと通っていた。
初デート前ということもあり彼女の顔を見るのが気恥ずかしいが、それでも通ってしまうのは時間があると自然と足が向かってしまうからである。慣れとは恐ろしいものである。
しかし、気恥ずかしくとも彼女の働いているところを見るととても癒されるし、昨日も少しだけではあるが会話をした時間は至福の時であり、来週へ向けてとどんどん気持ちは高まっていた。
ジュリエットの扉を開くとカランカランと聞きなれたドアベルの音が鳴り響く。渋い声の「いらっしゃい」が聞こえる、ということは今日はマスターだけのようだ。
「ホットコーヒー御願いします」
マスターが小さな声で「畏まりました。」と返すとコーヒー豆をドリップするために準備に取り掛かり、コーヒー独特の香りが立ち込め始める。それと同時にカウンター手前にあるラックから普段読みもしない新聞を手にとる。
マスターと2人の日はこの間に店内にある新聞を読むのがいつもの癖である。マスターのことは苦手ではないのだが話すこと自体あまりないため、こちらからどう話を振るべきかが悩ましい。というよりかは元々自分が人に声をかけるのがあまり得意ではないだけでもある。
そんな不器用な自分が恋する女性をデートに誘ったのだ、それだけでも個人的には最優秀努力賞である。
(声をかけてくれたのは前園さんの方からだけど・・・)
そんな自虐思考をしながら新聞を読んでいるとコーヒーがカウンターに置かれる。
新聞をたたみ元の場所へと返し、コーヒーカップへ手を伸ばす。
「飲みながらでも少しよろしいでしょうか・・・」
突然のことに声を高くして返事をしてしまう。不意な声掛けにはつい声が高くなるいやな癖である。
「ど、どうしたんでしょうか・・・」
「単刀直入に言います。前園さんが昨日でバイトを辞めました」
「えっ・・・」
その瞬間つかんだコーヒーカップを落としそうになったのであった。
それからもなんだかんだと足しげく喫茶ジュリエットへと通っていた。
初デート前ということもあり彼女の顔を見るのが気恥ずかしいが、それでも通ってしまうのは時間があると自然と足が向かってしまうからである。慣れとは恐ろしいものである。
しかし、気恥ずかしくとも彼女の働いているところを見るととても癒されるし、昨日も少しだけではあるが会話をした時間は至福の時であり、来週へ向けてとどんどん気持ちは高まっていた。
ジュリエットの扉を開くとカランカランと聞きなれたドアベルの音が鳴り響く。渋い声の「いらっしゃい」が聞こえる、ということは今日はマスターだけのようだ。
「ホットコーヒー御願いします」
マスターが小さな声で「畏まりました。」と返すとコーヒー豆をドリップするために準備に取り掛かり、コーヒー独特の香りが立ち込め始める。それと同時にカウンター手前にあるラックから普段読みもしない新聞を手にとる。
マスターと2人の日はこの間に店内にある新聞を読むのがいつもの癖である。マスターのことは苦手ではないのだが話すこと自体あまりないため、こちらからどう話を振るべきかが悩ましい。というよりかは元々自分が人に声をかけるのがあまり得意ではないだけでもある。
そんな不器用な自分が恋する女性をデートに誘ったのだ、それだけでも個人的には最優秀努力賞である。
(声をかけてくれたのは前園さんの方からだけど・・・)
そんな自虐思考をしながら新聞を読んでいるとコーヒーがカウンターに置かれる。
新聞をたたみ元の場所へと返し、コーヒーカップへ手を伸ばす。
「飲みながらでも少しよろしいでしょうか・・・」
突然のことに声を高くして返事をしてしまう。不意な声掛けにはつい声が高くなるいやな癖である。
「ど、どうしたんでしょうか・・・」
「単刀直入に言います。前園さんが昨日でバイトを辞めました」
「えっ・・・」
その瞬間つかんだコーヒーカップを落としそうになったのであった。
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