悪役令嬢になりましたので、自分好みのイケメン近衛騎士団を作ることにしました

葉月キツネ

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目が覚めたらゲームの世界!?

第10話-私の友達-後編

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「大丈夫だったアリスさん?」

 アリスに近寄ると頭を深く下げて「大丈夫です」と言ってくる。頭を上げた顔は先日のアリスに戻っている。

「あぁ言うのにはね言い返さないとだめよ。どんどん調子に乗るんだから。アリスさんが優しいのは知ってるから、いきなりは難しいかもしれないけど、少しづつでもそうしなさい」
「重ね重ねありがとうございます。ご迷惑をおかけしました」

 そう言ってまた頭を下げてくる。他人行儀な言葉使いから距離を取られているのがひしひしと伝わってくる。

「ねぇアリスさん。早速なんだけど明日一緒にお昼を食べない?」

 アリスがきょとんとした顔をした。とても可愛い。

「私とですか? その……いいんでしょうか。私なんかと。気遣ってくれて頂けるのは大変ありがたいのですが、ご迷惑をおかけしてしまうのではないでしょうか」
「迷惑なんかないわ。私はアリスさんと友達として一緒にお昼を食べたいの。それに迷惑をかけるとしたら私よ。私ついおしゃべりが過ぎて、アリスさんにお昼を食べる時間をなくしてしまうかも」
「それは……困りますね」

 そう言ってアリスが笑った。

「フランソワ様は私とお友達になって下さるのですか。廊下で2回もぶつかってしまった私なんかと。それに私は家の身分としては高くなんかないですよ」
「そんなの関係ないわ。それに文句を言う人がいたら私がぶっとばしてあげるわ」
「物騒ですね。さっき嘘でも友達と言ってくださった時はとても嬉しかったです。なので明日は是非お昼をご一緒させてください。美味しいお昼をご用意していきます」
「嘘なんかじゃないわ! 私はもう友達でいるわ! 私も、友達のユリィとアンもお弁当を持ってくるからみんなで交換しましょ。明日が楽しみだわ」
「そんな事を言って下さるなんて初めてです」

 アリスと一緒に笑った。フランソワとアリスが一緒にお昼を食べる。そんなシーンが起こることはありえない事だったけど、これはこれでいいのかも知れない。また2次創作を書くことになったらそんな題材で書いてみたい。
 笑っていると予鈴の音が響いた。アリスと顔を見合わせて無言のまま二人で教室へと駈け出した。


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