悪役令嬢になりましたので、自分好みのイケメン近衛騎士団を作ることにしました

葉月キツネ

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ガルド城の秘密

第50話-私とフランソワ-後編

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 料理に舌鼓を打っているとフランソワ父から話を切り出した。

「ところでフランソワ。来月行われるガルド城でのパーティーには出席してくれるかな?」
「パーティーですか?」

 突然の話に疑問系での返しになってしまう。
 ガルド城と言う名前にも聞き覚えがない。

「毎年行っているガルド領主主催のパーティーだ。覚えていないかい?」
「あ、すみません。うっかりしていました」
「毎年行くのを嫌がっていたから、忘れてしまう程嫌だったのかと思ってしまったよ」

 そんなにフランソワは毛嫌いしてたのねそのパーティー。
 パーティーとか華やかそうなのめっちゃ好きそうなのに。

「それで…いつでしたっけ?」
「4日後だよ。毎年同じ日取りだろう」
「そうでしたね! なんだか色々と思い出して来ましたわ!」

 とりあえず勢いでその場を誤魔化した。これ以上とぼけて聴こうものならさらに心配をかけかねない。詳しくは帰ったらホリナあたりに聞いてみよう。

「今年は他の領主、貴族にもフランソワが学院に入る程大きくなったことも伝えないといけないですしねあなた」
「そうだな。時が流れるのは早いものだ」
「他の領主の御子息も来られるからちゃんと挨拶するのよフランソワ」

 フランソワ母の忠告に首を縦に振って答える。

「そしたら私はガルド城へ直接向かえばよろしいのですか?」
「そうね。それまで家に居てくれてもいいんだけど、一旦別荘に帰るならそうなるわね」
「ホリナのこともありますので、一旦帰ります。それでアレンに乗せていってもらいますわ」
「帰りは家の方で馬車は手配するわ。アレンもまたガルド城まで来るのも大変でしょうし。どうせ私達も家に帰るのだからついでよ」
「えっ? パーティーが終わるまでなら近くに待機してもらっていればいいんでは?」
「何を言ってるんだ? 3日間を通してのパーティーだ。その間待っておいてもらうのは流石に無理じゃないか?」

 それは無理だわ。いやまず3日間って何よ。予想外すぎる。どんだけするのよ。

「そうでした。そしたら当日は着替えも用意して参ります」
「今年もあなたが来てくれるように説得するのかと思っていたけど、すんなりと来てくれてびっくりしたわ」

 フランソワ母のホッとした顔が出てくる。毎年どれだけフランソワを説得するのが大変なのか察しがつく。
 私のイメージだけど、フランソワって意見変えなさそうだもんなぁ。
 結局この後は昔のガルド城への連れて行くためのフランソワの説得話と去年のガルド城でのパーティーの話で夕食の時間は終わった。


 翌朝私はフランソワ母と父の見送りの元、アレンの馬車に乗ってホリナのいる屋敷への帰路についた。
 半日くらいのことだったけど、フランソワがどれだけ愛されて育ったのかを知ることができた。でも私は内心フランソワの両親にはずっと謝っていた。
 だって私は2人の知ってるフランソワじゃないから。
 いつか本当のフランソワとも会わせてあげたい。何より私自身フランソワと話して見たいと思った。
 ゲームだと悪役だったあなたがどんな風に育って、どんなことを思って毎日を過ごしていたのか、あなたならこの時にどんな選択肢をとったのか。
 そんな事を小さくなって行くフランソワ両親の住む屋敷を眺めながら思った。
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