悪役令嬢になりましたので、自分好みのイケメン近衛騎士団を作ることにしました

葉月キツネ

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嵐の来訪者

第227話-真剣な戦い-

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「さぁ、そろそろ俺たちの番だぜ、お山の大将」

 こっちの言葉に大人しく目当ての人物が反応してやってくる。
 手にはさっきユリと戦っていたやつが握っていた木剣が握られている。

「おい、そんなおもちゃで戦う気かよ」
「何を言っている、素手で殴りあいでもしたいのか?」

 その返答に思わず溜息が出ちまう。

「違うだろ」

 俺は手に持っていた自分の剣を見せつけるように前に出して鞘に手をかける。鞘から出した刀身が暮れ始めた陽の光を反射させている。

「これじゃねぇと戦いじゃないだろ」
「正気か……」
「正気さ。馬車の中にちゃんとした武器くらいあるだろ。なけりゃ俺は真剣で、お前はそれで戦えよ」
「やれやれ、その自信の源はなんなのか理解に苦しむ。おい! ギウス! 槍を持ってこい」

 名前を呼ばれた男は馬車の中から長い武器を持ってきて渡す。試合の時で使っていた時よりも長く見えるその槍は、先端に片刃がついて物々しい。

「自信の源? そりゃ、俺の実力とお前の実力の差ってやつだろ」
「よく言う。自分の力量が分からないと怪我する事を教えてやらんとな」
「言ってろ。まぁ、卑怯な事しか出来ねぇ奴に負ける気はしねぇよな」
「ほぅ……」

 最後の言葉が効いたのかさっきと違う反応を見せてくる。聞く耳持たないのかと思ったら違ったらしい。

「一応聞いておくが、私が勝てばお前はどうする?」
「そうだな。あそこでへばってる奴らの代わりに働いてやろうか?」
「私の配下になるのか。そしたら惨めな仕事だけさせてやる。私に忠誠を誓えば少しはいい目を見させてやろうか」
「出来もしない事言ってんじゃねーよ」
「じゃ俺が勝ったら、二度と俺たちにちょっかい出してくんな。いいな」
「いいさ。出来もしない事だから」

 言質は取った。まぁ信用ならない言葉だろうけど、ないよりマシだ。

「そんじゃ、やりますか」
「好きにすればいい」

 槍を構えた。構えは特段変わったことはない。先端をこっちに向けたまま動かない。武器だけじゃない。身体もブレない。
 ようやくここまで辿り着いた。
 気がつけば監禁されてお嬢が魔の手に晒されていた。それを阻止できなかったのは近衛騎士としての失態でしかない。
 そんな失態をここで挽回する。

「借りは返させてもらうぜお山の大将」
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