悪役令嬢になりましたので、自分好みのイケメン近衛騎士団を作ることにしました

Time can only move forward

第241話-二択の選択-

　今からどうするべきか。
　間違いなく、私の周りは時間が戻っている。選択肢は二つある。
　一つは時間が戻ったことを受け入れて、今の時間を再度やり直す。
　二つ目は時間が戻ったことを受け入れずに、私の知っている時間に戻るための方法を探す。

「どっちにしても上手くいくとは思えないなぁ」

　もう一度やり直す。それは出来るんだろうか。きっと私の知らない結果になると思う。前と同じ状況を作り出すまでに気持ちが折れてしまいそうになりそうだ。
　それにそれこそまた時間が戻ってしまえば意味がない。
　二つ目に関してもどうすればいいか分からない。相談出来る相手もいない。どうすれば良いかも検討がつかない。原因を突き止める事も出来るのだろうか。仮に出来ても元の時間に戻る事は出来るんだろうか。
　考え出すと答えなんて出なかった。どんどん嫌な想像だけが膨らんでいく。

「そうなると……一つしか無いわよねぇ」

　窓から差し込む光が部屋を明るく照らしている。私のお先は真っ暗のくせに部屋だけは明るくて仕方ない。

「今は受け入れるしか無い。だけど、どうして時間が戻ったのか原因を探らないと」

　一つ目と二つ目の選択肢を両方選んだ。並行して進める。そしたら希望が見えてくるかもしれない。
　私は諦められなかった。昨日までの苦労がなかった事になんて出来ない。したくない。
　私はみんなが揃った白銀の騎士団をちゃんと見たい。
　何かをするための支えは重要だ。支えがないと人は頑張れない。支えがなければどこかで折れてしまう。

「まずは小さな手がかりでも調べないと」

　思いついた事は今の時期に出来る事かは分からない。だけど、ダメでもやるしかない。

「魔法って言ったら思い当たる所は一つしか無いわね」