340 / 435
新たなる始まり
第309話-四人の先陣-
しおりを挟む
タガマの町が見えて来ると敵の一団も見えるようになっていた。
町の入り口を固める様に集まっている人数はざっと見た感じ五十人はいる。こちらの倍以上の人数だ。
「さてどうするよアル。ここでこのまま圧掛けながら時間稼ぐか?」
「本当はそうしたいところだけど、それだと後ろに被害が行かないとも言い切れないからね」
つまりもう腹は括っているらしい。
「今から作戦と言えるほどの物ではありませんが、戦い方を伝えます」
アルの作戦をここにいる全員に伝達した。
聞いた反応として心配の声があがったがそれをアルは理由を話して沈めた。
「分かっていただけましたか? ここで時間を稼ぐと後ろが危険に晒される可能性がある。実際僕ならそうしますよ」
そう言うと誰もが意見を引っ込めた。
「そしたら手筈通りに僕ら四人が先陣を切ります。入口の集団の数が減ったら加勢をお願いします」
俺たち四人が先陣を切って相手の人数を減らす。シンプルだが確かに作戦と呼ぶにはお粗末だ。
「俺とオーランが先行する。ユリとアルは後方からサポートよろしくな」
「分かりました。任せてください」
ユリの自信の裏打ちは俺もよく知っているだから信用出来る。
「オーランも行けるな?」
「勿論」
「頼もしいね」
アルは発案者だ。聞くまでもない。
「よっしゃ。そしたら行くか」
俺の馬が駆け出すと共に三人も同時に動き出す。
俺たちの動きに気づいた敵も戦闘態勢を取った。
馬で掛けると三分もしないうちに相手へと接触できる。ただ、何も飛んでこない事はない。遠距離からこっちを狙って弓と魔法が飛んでくる。
本来なら隠れたり、避けたりする所だがそんなことをする必要はない。頼れるサポート役がいる。
「オーラン!」
アルの声に呼応して横殴りの風が発生した。オーランの右側から発生した鋭い風がこっちめがけて飛んできたものを薙ぎ払う。
「ユリ!」
今度はユリの番だ。ユリは守るためじゃなく。先にいる敵へと目掛けて凝縮された水の球を放つ。それは敵を混乱させるには充分だ。
俺たちはスピードを緩めない。距離が近づいてきた。俺はそのまま馬から飛び降りて、そのまま敵陣へと真っ直ぐに降り立った。
地面に着地すると同時に近くにいる敵目掛けて剣を振るう。
防御が間に合わずに断末魔の叫びと共に倒れる敵、受け止めて反撃してこようとする敵。そんな敵の的にならない様に敵集団の中を動いて撹乱する。
「は、速いぞこいつ」
誰かが言ったのが聞こえた。悪くは気分だ。速さには自信がある。多人数を相手するには俺は打ってつけの武器が身に備わっていた。
敵は仲間同時で攻撃し合うのを恐れて積極的には攻撃してこない。
そして一人での時間はあっという間に過ぎて、三人も戦闘へと加わった。
町の入り口を固める様に集まっている人数はざっと見た感じ五十人はいる。こちらの倍以上の人数だ。
「さてどうするよアル。ここでこのまま圧掛けながら時間稼ぐか?」
「本当はそうしたいところだけど、それだと後ろに被害が行かないとも言い切れないからね」
つまりもう腹は括っているらしい。
「今から作戦と言えるほどの物ではありませんが、戦い方を伝えます」
アルの作戦をここにいる全員に伝達した。
聞いた反応として心配の声があがったがそれをアルは理由を話して沈めた。
「分かっていただけましたか? ここで時間を稼ぐと後ろが危険に晒される可能性がある。実際僕ならそうしますよ」
そう言うと誰もが意見を引っ込めた。
「そしたら手筈通りに僕ら四人が先陣を切ります。入口の集団の数が減ったら加勢をお願いします」
俺たち四人が先陣を切って相手の人数を減らす。シンプルだが確かに作戦と呼ぶにはお粗末だ。
「俺とオーランが先行する。ユリとアルは後方からサポートよろしくな」
「分かりました。任せてください」
ユリの自信の裏打ちは俺もよく知っているだから信用出来る。
「オーランも行けるな?」
「勿論」
「頼もしいね」
アルは発案者だ。聞くまでもない。
「よっしゃ。そしたら行くか」
俺の馬が駆け出すと共に三人も同時に動き出す。
俺たちの動きに気づいた敵も戦闘態勢を取った。
馬で掛けると三分もしないうちに相手へと接触できる。ただ、何も飛んでこない事はない。遠距離からこっちを狙って弓と魔法が飛んでくる。
本来なら隠れたり、避けたりする所だがそんなことをする必要はない。頼れるサポート役がいる。
「オーラン!」
アルの声に呼応して横殴りの風が発生した。オーランの右側から発生した鋭い風がこっちめがけて飛んできたものを薙ぎ払う。
「ユリ!」
今度はユリの番だ。ユリは守るためじゃなく。先にいる敵へと目掛けて凝縮された水の球を放つ。それは敵を混乱させるには充分だ。
俺たちはスピードを緩めない。距離が近づいてきた。俺はそのまま馬から飛び降りて、そのまま敵陣へと真っ直ぐに降り立った。
地面に着地すると同時に近くにいる敵目掛けて剣を振るう。
防御が間に合わずに断末魔の叫びと共に倒れる敵、受け止めて反撃してこようとする敵。そんな敵の的にならない様に敵集団の中を動いて撹乱する。
「は、速いぞこいつ」
誰かが言ったのが聞こえた。悪くは気分だ。速さには自信がある。多人数を相手するには俺は打ってつけの武器が身に備わっていた。
敵は仲間同時で攻撃し合うのを恐れて積極的には攻撃してこない。
そして一人での時間はあっという間に過ぎて、三人も戦闘へと加わった。
0
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢の慟哭
浜柔
ファンタジー
前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。
だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。
※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。
※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。
「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。
「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
〘完〙前世を思い出したら悪役皇太子妃に転生してました!皇太子妃なんて罰ゲームでしかないので円満離婚をご所望です
hanakuro
恋愛
物語の始まりは、ガイアール帝国の皇太子と隣国カラマノ王国の王女との結婚式が行われためでたい日。
夫婦となった皇太子マリオンと皇太子妃エルメが初夜を迎えた時、エルメは前世を思い出す。
自著小説『悪役皇太子妃はただ皇太子の愛が欲しかっただけ・・』の悪役皇太子妃エルメに転生していることに気付く。何とか初夜から逃げ出し、混乱する頭を整理するエルメ。
すると皇太子の愛をいずれ現れる癒やしの乙女に奪われた自分が乙女に嫌がらせをして、それを知った皇太子に離婚され、追放されるというバッドエンドが待ち受けていることに気付く。
訪れる自分の未来を悟ったエルメの中にある想いが芽生える。
円満離婚して、示談金いっぱい貰って、市井でのんびり悠々自適に暮らそうと・・
しかし、エルメの思惑とは違い皇太子からは溺愛され、やがて現れた癒やしの乙女からは・・・
はたしてエルメは円満離婚して、のんびりハッピースローライフを送ることができるのか!?
悪役令嬢エリザベート物語
kirara
ファンタジー
私の名前はエリザベート・ノイズ
公爵令嬢である。
前世の名前は横川禮子。大学を卒業して入った企業でOLをしていたが、ある日の帰宅時に赤信号を無視してスクランブル交差点に飛び込んできた大型トラックとぶつかりそうになって。それからどうなったのだろう。気が付いた時には私は別の世界に転生していた。
ここは乙女ゲームの世界だ。そして私は悪役令嬢に生まれかわった。そのことを5歳の誕生パーティーの夜に知るのだった。
父はアフレイド・ノイズ公爵。
ノイズ公爵家の家長であり王国の重鎮。
魔法騎士団の総団長でもある。
母はマーガレット。
隣国アミルダ王国の第2王女。隣国の聖女の娘でもある。
兄の名前はリアム。
前世の記憶にある「乙女ゲーム」の中のエリザベート・ノイズは、王都学園の卒業パーティで、ウィリアム王太子殿下に真実の愛を見つけたと婚約を破棄され、身に覚えのない罪をきせられて国外に追放される。
そして、国境の手前で何者かに事故にみせかけて殺害されてしまうのだ。
王太子と婚約なんてするものか。
国外追放になどなるものか。
乙女ゲームの中では一人ぼっちだったエリザベート。
私は人生をあきらめない。
エリザベート・ノイズの二回目の人生が始まった。
⭐️第16回 ファンタジー小説大賞参加中です。応援してくれると嬉しいです
お兄様、冷血貴公子じゃなかったんですか?~7歳から始める第二の聖女人生~
みつまめ つぼみ
ファンタジー
17歳で偽りの聖女として処刑された記憶を持つ7歳の女の子が、今度こそ世界を救うためにエルメーテ公爵家に引き取られて人生をやり直します。
記憶では冷血貴公子と呼ばれていた公爵令息は、義妹である主人公一筋。
そんな義兄に戸惑いながらも甘える日々。
「お兄様? シスコンもほどほどにしてくださいね?」
恋愛ポンコツと冷血貴公子の、コミカルでシリアスな救世物語開幕!
毒を盛られて生死を彷徨い前世の記憶を取り戻しました。小説の悪役令嬢などやってられません。
克全
ファンタジー
公爵令嬢エマは、アバコーン王国の王太子チャーリーの婚約者だった。だがステュワート教団の孤児院で性技を仕込まれたイザベラに籠絡されていた。王太子達に無実の罪をなすりつけられエマは、修道院に送られた。王太子達は執拗で、本来なら侯爵一族とは認められない妾腹の叔父を操り、父親と母嫌を殺させ公爵家を乗っ取ってしまった。母の父親であるブラウン侯爵が最後まで護ろうとしてくれるも、王国とステュワート教団が協力し、イザベラが直接新種の空気感染する毒薬まで使った事で、毒殺されそうになった。だがこれをきっかけに、異世界で暴漢に腹を刺された女性、美咲の魂が憑依同居する事になった。その女性の話しでは、自分の住んでいる世界の話が、異世界では小説になって多くの人が知っているという。エマと美咲は協力して王国と教団に復讐する事にした。
その狂犬戦士はお義兄様ですが、何か?
行枝ローザ
ファンタジー
美しき侯爵令嬢の側には、強面・高背・剛腕と揃った『狂犬戦士』と恐れられる偉丈夫がいる。
貧乏男爵家の五人兄弟末子が養子に入った魔力を誇る伯爵家で彼を待ち受けていたのは、五歳下の義妹と二歳上の義兄、そして王都随一の魔術後方支援警護兵たち。
元・家族の誰からも愛されなかった少年は、新しい家族から愛されることと癒されることを知って強くなる。
これは不遇な微魔力持ち魔剣士が凄惨な乳幼児期から幸福な少年期を経て、成長していく物語。
※見切り発車で書いていきます(通常運転。笑)
※エブリスタでも同時連載。2021/6/5よりカクヨムでも後追い連載しています。
※2021/9/15けっこう前に追いついて、カクヨムでも現在は同時掲載です。
ブラック・スワン ~『無能』な兄は、優美な黒鳥の皮を被る~
碧
ファンタジー
「詰んだ…」遠い眼をして呟いた4歳の夏、カイザーはここが乙女ゲーム『亡国のレガリアと王国の秘宝』の世界だと思い出す。ゲームの俺様攻略対象者と我儘悪役令嬢の兄として転生した『無能』なモブが、ブラコン&シスコンへと華麗なるジョブチェンジを遂げモブの壁を愛と努力でぶち破る!これは優雅な白鳥ならぬ黒鳥の皮を被った彼が、無自覚に周りを誑しこんだりしながら奮闘しつつ総愛され(慕われ)する物語。生まれ持った美貌と頭脳・身体能力に努力を重ね、財力・身分と全てを活かし悪役令嬢ルート阻止に励むカイザーだがある日謎の能力が覚醒して…?!更にはそのミステリアス超絶美形っぷりから隠しキャラ扱いされたり、様々な勘違いにも拍車がかかり…。鉄壁の微笑みの裏で心の中の独り言と突っ込みが炸裂する彼の日常。(一話は短め設定です)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる