32 / 40
第32話 必死の努力
しおりを挟む
特区までの道を急いだ。
週末前の夜の定期馬車は混んでおり、冒険者の武装のマルヴィナたちを訝し気な目で見てくる者もいた。
「ピエールを襲ったひとたちがまだいたりしないかしら?」
馬車を降りて、マルヴィナが心配そうな表情だったが、ピエールの豪邸についてみると玄関の周囲には誰もいなかった。
「すみませーん」
呼び鈴を押すと、
「どなたですか?」
中から女性の声が聞こえてきた。
「ピエールさんの知り合いです」
ボブとマルヴィナが前で立つと、扉が開いた。お手伝いさんの格好をした女性が中へ招き入れた。
「旦那様はこちらです」
広い庭から豪邸に入り、そこを六人が案内されてずんずん入っていく。そこは、すぐ外にプールがあるリビングのひとつだった。
「あ!?」
絨毯の上に大きなバスタオルが敷かれ、その上にピエールの体が横たえられていた。衣類は取り去られて、ひざ丈の白い水着を履かされている。ピエールの体は、出血のためか痩せ細り、干からびてミイラのように見えた。
マルヴィナ、ヨエル、二コラ、ミシェル、クルト、そしてボブが、神妙な面持ちで取り囲んで立つ。
「これは……?」
マルヴィナがふとそのお手伝いさんを見た。
「ええ、これは、旦那様が生前に好きだったプールに入るときの恰好にしてあげました。このバスタオルも旦那様のお気に入りです。ゴンド族ではひとが亡くなったときにそうするものでして……」
とその赤褐色の肌の、少し体つきのよい若い女性が答えた。
「わかった、悪くないわね」
そういうと、マルヴィナは持っていた本を広げ、ピエールの遺体の横で跪いた。
「少し下がっていてくれるかしら、さっそく詠唱するわ」
他のメンバーが、さがってリヴィングのソファに腰掛ける。
「アーウームー、冥界神ニュンケの奇跡に感謝する、死体招魂……。ピエールの魂、還って来て!」
手を合掌して目をつぶった。
周囲が見守る中、数分が経過した。
「……」
マルヴィナは目を開けて、いったんソファに座って休憩した。水を一杯飲んでから、遺体の前に戻ってまた祈りの姿勢になる。
「……」
ソファでは雑談が始まり、お手伝いさんがつまみや飲み物や酒をテーブルに持ってきた。
「ちょっと時間がかかるわね……」
という表情で、マルヴィナが再びソファで休憩し、お菓子をかじりつつ果実ジュースを口に含んだ。そのとき、
「ん……」
遺体のあたりから呻き声が聞こえた。
「起きた!?」
端に座っていたクルトが気づいて叫び、お手伝いさんが走り寄る。
「み、水を……」
お手伝いさんが抱き起すと、その人物がそう呟いた。
「これを……」
そこには、すでに二コラが水の入ったデキャンタとコップを差し出している。
お手伝いさんがコップを受け取り、すぐに水を注いでその人物に飲ませた。ゆっくりと、水を口に含んで飲み下していく。
「わ、ワインを……」
次に、ワインを所望した。
「色は?」
ミシェルがすぐそこにあったワインセラーを開け、色を聞いてきた。
「赤を……、ローレシア産を……」
ミシェルが産地を確認して赤ワインを持ってきて、二コラがグラスを持ってきた。
すぐについでその人物に飲ませる。みるみるうちに、血色がよくなってきた。
「いっつ……」
その人物が立ち上がろうとして顔をしかめた。
「大丈夫か?」
手を貸していたミシェルも声をかけた。ヨエルとボブもお菓子をつまみつつソファからその様子を不安げに眺めている。
「あ、あれを……」
立ち上がった人物が何かを所望し、お手伝いさんがすぐに走った。
「これですね」
赤銅色のステッキを持ってきて渡した。
その人物がそれを受け取ると、そのステッキをつきながら足を一歩前に出した。
「お、おい、大丈夫か?」
ミシェルの手から離れたその人物にさらに声をかけるが、
「あ、歩ける、歩けるぞ……」
そう呟きながら、その人物がステッキをついてリビングをゆっくり歩き回る。やや左足を引きずるような歩き方だが、みるみる笑顔が出てきた。
「やった、お、おれは、生き返ったぞー!」
ぐっと拳を作って、その人物が叫んだ。
「あ、あなたはピエール?」
それを眺めながら、マルヴィナが恐る恐る尋ねる。
すると、その人物がマルヴィナのほうを見て、そして大きくうなずいた。それを見て、他のメンバーも顔を見合わせてうなずく。
突然、
「やっほーい!」
ピエールがステッキをリビングの床に投げ捨て、そして走り出した。プールサイドからジャンプして、足から飛び込む。呆気にとられている他のメンバーと、微笑みながら見ているお手伝いさんだが、ピエールはずぶ濡れですぐにあがってきた。
「す、すまない、君たちに見せないといけないものがあった」
と、お手伝いさんに大きめの庭石を拾ってくるよう告げると、リビングにあがってきた。バスタオルを拾って体を拭く。
「わたしが死んでいる間、わたしはアストラル界の図書館でずいぶんと勉強した。その成果を今から見せよう」
そういうと、お手伝いさんが持ってきた両手で抱える程度の大きさの庭石をリビングの絨毯の上に置いた。何が始まるのかと、みんなが覗き込んでくる。
「少し下がっていてくれ」
ピエールは、水着姿のまま座禅を組み、両手で印を結んだ。目もつぶる。
「アーウームー、豊穣神ココペリよ、我に水とワインを与えたまえ。金剛錬金、フリーゴールド!」
ピエールが詠唱して叫ぶ。
「……」
しばらく時間が経過した。
「あ!?」
「え!?」
「うそ!?」
最初のヨエルの声に、他の者も次々とそれに気づく。
「石が、黄金になってる……!?」
ピエールが自慢げにそれを持ち上げて、まずお手伝いさんに渡した。そして、それを順々に回し見していく。
「すげえ……」
「いくらぐらいするんだろう?」
「わたしは、何の努力もなく金を作り出す力を手に入れた。どうかな? 気に入ってくれたかな?」
と言っているうちに、ピエールが再びふらついた。あわててミシェルと二コラが近寄って支える。やつれて顔色が悪い。
「わ、ワインを……」
もう一度赤ワインをグラスに入れて渡すと、ピエールはそのグラスを一気に飲んだあとに、ボトルもそのまま口につけて一気に飲み干してしまった。一瞬で顔色が良くなり、見た目に肉付きもよくなった。
「ようし、やったぞー!」
再びプールに走って行ってドボンと飛び込む。
「おーい、君たちもおいでよ!」
ピエールが叫ぶと、
「ようし!」
クルトとヨエルとボブが服を脱ぎ捨てて下着姿になって、プールに走り出した。
「まったく男どもは……」
呆れてそれを眺めながら、マルヴィナたちがソファに座った。
「これでなんとなくお金の問題は解決しそうね」
マルヴィナの言葉に、二コラとミシェルが同意してうなずいた。
「しかし、あの石を金に変える技は、いつでも使えるものなんだろうか? さっき本人は何の努力もいらないようなことを言っていたが……」
とミシェル。
「しかし詠唱後には明らかに消耗していたようにも見える」
と二コラ。
「そうね。どうしたものかしら」
とマルヴィナがふたたびお菓子をつまみだすと、
「いや、すまない。今後のことについて話すべきだった」
とピエールが再びプールからあがってきた。他の三人はまだプールで騒いでいる。どこからか革製の空気の入ったボールや浮き輪を使っている。
タオルで体を包んだピエールがソファに座って話し出した。
「さっきの呪文は、錬金術の一種だ。わたしにとっては何の努力もいらないが、より効率のよいやりかたがある」
とピエールはさらにワインを持ってくるようにお手伝いさんに伝えた。
「できれば、庭石よりも熱した金属などのほうが効率よく金や銀に変えられる。安く大量の金属があればなおいい。あと、できればすぐ近くにプールもあるといい。熱した金属の近くにいると体温がどしてもあがってしまうのでね」
「そうね、何かそういう錬金術に適した場所があるといいのだけれど……」
とマルヴィナが思案顔になると、
「あの、わたしの実家が困窮区の鉄工所なんですけど……」
そばで立っていたお手伝いさんがマルヴィナたちに告げた。
「鉄工所? それはおあつらえ向きね」
とマルヴィナがピエールのほうを向くと、ワインを口に含みながらピエールもうなずいた。
「よし、じゃあお手伝いさんの実家に交渉して、そこにプールをつくって黄金を作りまくりましょう!」
とマルヴィナが言ったとき、ボブがプールからあがってきた。
「書簡のことを忘れていたよ」
と大きなパンツの中から筒を取り出して、それを開けてピエールに渡した。完全に水に浸かったその紙をピエールが広げて眺める。
「ふむ、マルーシャ女王が、わたしにゾンビ帝国の宰相になれと言ってきている」
「ええ!?」
マルヴィナたちが驚いているが、
「どうでしょう、悪い話ではないと思いますが」
とボブも全身から水を滴らせながら言った。
「ふむ。わたしが宰相になれば、何の努力もなくお金の問題はすべて解決するでしょう」
と立ち上がり、ボブとピエールが固く握手した。そして、奇声をあげて二人が再びプールへ走り出す。
こんなことで逆に大丈夫かな、とやや心配になりつつもマルヴィナはその光景を眺めるのであった。
週末前の夜の定期馬車は混んでおり、冒険者の武装のマルヴィナたちを訝し気な目で見てくる者もいた。
「ピエールを襲ったひとたちがまだいたりしないかしら?」
馬車を降りて、マルヴィナが心配そうな表情だったが、ピエールの豪邸についてみると玄関の周囲には誰もいなかった。
「すみませーん」
呼び鈴を押すと、
「どなたですか?」
中から女性の声が聞こえてきた。
「ピエールさんの知り合いです」
ボブとマルヴィナが前で立つと、扉が開いた。お手伝いさんの格好をした女性が中へ招き入れた。
「旦那様はこちらです」
広い庭から豪邸に入り、そこを六人が案内されてずんずん入っていく。そこは、すぐ外にプールがあるリビングのひとつだった。
「あ!?」
絨毯の上に大きなバスタオルが敷かれ、その上にピエールの体が横たえられていた。衣類は取り去られて、ひざ丈の白い水着を履かされている。ピエールの体は、出血のためか痩せ細り、干からびてミイラのように見えた。
マルヴィナ、ヨエル、二コラ、ミシェル、クルト、そしてボブが、神妙な面持ちで取り囲んで立つ。
「これは……?」
マルヴィナがふとそのお手伝いさんを見た。
「ええ、これは、旦那様が生前に好きだったプールに入るときの恰好にしてあげました。このバスタオルも旦那様のお気に入りです。ゴンド族ではひとが亡くなったときにそうするものでして……」
とその赤褐色の肌の、少し体つきのよい若い女性が答えた。
「わかった、悪くないわね」
そういうと、マルヴィナは持っていた本を広げ、ピエールの遺体の横で跪いた。
「少し下がっていてくれるかしら、さっそく詠唱するわ」
他のメンバーが、さがってリヴィングのソファに腰掛ける。
「アーウームー、冥界神ニュンケの奇跡に感謝する、死体招魂……。ピエールの魂、還って来て!」
手を合掌して目をつぶった。
周囲が見守る中、数分が経過した。
「……」
マルヴィナは目を開けて、いったんソファに座って休憩した。水を一杯飲んでから、遺体の前に戻ってまた祈りの姿勢になる。
「……」
ソファでは雑談が始まり、お手伝いさんがつまみや飲み物や酒をテーブルに持ってきた。
「ちょっと時間がかかるわね……」
という表情で、マルヴィナが再びソファで休憩し、お菓子をかじりつつ果実ジュースを口に含んだ。そのとき、
「ん……」
遺体のあたりから呻き声が聞こえた。
「起きた!?」
端に座っていたクルトが気づいて叫び、お手伝いさんが走り寄る。
「み、水を……」
お手伝いさんが抱き起すと、その人物がそう呟いた。
「これを……」
そこには、すでに二コラが水の入ったデキャンタとコップを差し出している。
お手伝いさんがコップを受け取り、すぐに水を注いでその人物に飲ませた。ゆっくりと、水を口に含んで飲み下していく。
「わ、ワインを……」
次に、ワインを所望した。
「色は?」
ミシェルがすぐそこにあったワインセラーを開け、色を聞いてきた。
「赤を……、ローレシア産を……」
ミシェルが産地を確認して赤ワインを持ってきて、二コラがグラスを持ってきた。
すぐについでその人物に飲ませる。みるみるうちに、血色がよくなってきた。
「いっつ……」
その人物が立ち上がろうとして顔をしかめた。
「大丈夫か?」
手を貸していたミシェルも声をかけた。ヨエルとボブもお菓子をつまみつつソファからその様子を不安げに眺めている。
「あ、あれを……」
立ち上がった人物が何かを所望し、お手伝いさんがすぐに走った。
「これですね」
赤銅色のステッキを持ってきて渡した。
その人物がそれを受け取ると、そのステッキをつきながら足を一歩前に出した。
「お、おい、大丈夫か?」
ミシェルの手から離れたその人物にさらに声をかけるが、
「あ、歩ける、歩けるぞ……」
そう呟きながら、その人物がステッキをついてリビングをゆっくり歩き回る。やや左足を引きずるような歩き方だが、みるみる笑顔が出てきた。
「やった、お、おれは、生き返ったぞー!」
ぐっと拳を作って、その人物が叫んだ。
「あ、あなたはピエール?」
それを眺めながら、マルヴィナが恐る恐る尋ねる。
すると、その人物がマルヴィナのほうを見て、そして大きくうなずいた。それを見て、他のメンバーも顔を見合わせてうなずく。
突然、
「やっほーい!」
ピエールがステッキをリビングの床に投げ捨て、そして走り出した。プールサイドからジャンプして、足から飛び込む。呆気にとられている他のメンバーと、微笑みながら見ているお手伝いさんだが、ピエールはずぶ濡れですぐにあがってきた。
「す、すまない、君たちに見せないといけないものがあった」
と、お手伝いさんに大きめの庭石を拾ってくるよう告げると、リビングにあがってきた。バスタオルを拾って体を拭く。
「わたしが死んでいる間、わたしはアストラル界の図書館でずいぶんと勉強した。その成果を今から見せよう」
そういうと、お手伝いさんが持ってきた両手で抱える程度の大きさの庭石をリビングの絨毯の上に置いた。何が始まるのかと、みんなが覗き込んでくる。
「少し下がっていてくれ」
ピエールは、水着姿のまま座禅を組み、両手で印を結んだ。目もつぶる。
「アーウームー、豊穣神ココペリよ、我に水とワインを与えたまえ。金剛錬金、フリーゴールド!」
ピエールが詠唱して叫ぶ。
「……」
しばらく時間が経過した。
「あ!?」
「え!?」
「うそ!?」
最初のヨエルの声に、他の者も次々とそれに気づく。
「石が、黄金になってる……!?」
ピエールが自慢げにそれを持ち上げて、まずお手伝いさんに渡した。そして、それを順々に回し見していく。
「すげえ……」
「いくらぐらいするんだろう?」
「わたしは、何の努力もなく金を作り出す力を手に入れた。どうかな? 気に入ってくれたかな?」
と言っているうちに、ピエールが再びふらついた。あわててミシェルと二コラが近寄って支える。やつれて顔色が悪い。
「わ、ワインを……」
もう一度赤ワインをグラスに入れて渡すと、ピエールはそのグラスを一気に飲んだあとに、ボトルもそのまま口につけて一気に飲み干してしまった。一瞬で顔色が良くなり、見た目に肉付きもよくなった。
「ようし、やったぞー!」
再びプールに走って行ってドボンと飛び込む。
「おーい、君たちもおいでよ!」
ピエールが叫ぶと、
「ようし!」
クルトとヨエルとボブが服を脱ぎ捨てて下着姿になって、プールに走り出した。
「まったく男どもは……」
呆れてそれを眺めながら、マルヴィナたちがソファに座った。
「これでなんとなくお金の問題は解決しそうね」
マルヴィナの言葉に、二コラとミシェルが同意してうなずいた。
「しかし、あの石を金に変える技は、いつでも使えるものなんだろうか? さっき本人は何の努力もいらないようなことを言っていたが……」
とミシェル。
「しかし詠唱後には明らかに消耗していたようにも見える」
と二コラ。
「そうね。どうしたものかしら」
とマルヴィナがふたたびお菓子をつまみだすと、
「いや、すまない。今後のことについて話すべきだった」
とピエールが再びプールからあがってきた。他の三人はまだプールで騒いでいる。どこからか革製の空気の入ったボールや浮き輪を使っている。
タオルで体を包んだピエールがソファに座って話し出した。
「さっきの呪文は、錬金術の一種だ。わたしにとっては何の努力もいらないが、より効率のよいやりかたがある」
とピエールはさらにワインを持ってくるようにお手伝いさんに伝えた。
「できれば、庭石よりも熱した金属などのほうが効率よく金や銀に変えられる。安く大量の金属があればなおいい。あと、できればすぐ近くにプールもあるといい。熱した金属の近くにいると体温がどしてもあがってしまうのでね」
「そうね、何かそういう錬金術に適した場所があるといいのだけれど……」
とマルヴィナが思案顔になると、
「あの、わたしの実家が困窮区の鉄工所なんですけど……」
そばで立っていたお手伝いさんがマルヴィナたちに告げた。
「鉄工所? それはおあつらえ向きね」
とマルヴィナがピエールのほうを向くと、ワインを口に含みながらピエールもうなずいた。
「よし、じゃあお手伝いさんの実家に交渉して、そこにプールをつくって黄金を作りまくりましょう!」
とマルヴィナが言ったとき、ボブがプールからあがってきた。
「書簡のことを忘れていたよ」
と大きなパンツの中から筒を取り出して、それを開けてピエールに渡した。完全に水に浸かったその紙をピエールが広げて眺める。
「ふむ、マルーシャ女王が、わたしにゾンビ帝国の宰相になれと言ってきている」
「ええ!?」
マルヴィナたちが驚いているが、
「どうでしょう、悪い話ではないと思いますが」
とボブも全身から水を滴らせながら言った。
「ふむ。わたしが宰相になれば、何の努力もなくお金の問題はすべて解決するでしょう」
と立ち上がり、ボブとピエールが固く握手した。そして、奇声をあげて二人が再びプールへ走り出す。
こんなことで逆に大丈夫かな、とやや心配になりつつもマルヴィナはその光景を眺めるのであった。
0
あなたにおすすめの小説
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
『異世界に転移した限界OL、なぜか周囲が勝手に盛り上がってます』
宵森みなと
ファンタジー
ブラック気味な職場で“お局扱い”に耐えながら働いていた29歳のOL、芹澤まどか。ある日、仕事帰りに道を歩いていると突然霧に包まれ、気がつけば鬱蒼とした森の中——。そこはまさかの異世界!?日本に戻るつもりは一切なし。心機一転、静かに生きていくはずだったのに、なぜか事件とトラブルが次々舞い込む!?
ぽっちゃり女子の異世界人生
猫目 しの
ファンタジー
大抵のトリップ&転生小説は……。
最強主人公はイケメンでハーレム。
脇役&巻き込まれ主人公はフツメンフツメン言いながらも実はイケメンでモテる。
落ちこぼれ主人公は可愛い系が多い。
=主人公は男でも女でも顔が良い。
そして、ハンパなく強い。
そんな常識いりませんっ。
私はぽっちゃりだけど普通に生きていたい。
【エブリスタや小説家になろうにも掲載してます】
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる