まだ見ぬ幸せ

紅 蓮也

文字の大きさ
16 / 41

第16話 マッカートの廃嫡発表と貴族たちの処罰(前編)

しおりを挟む
 私は、謁見の間におりますわ。
 玉座に国王陛下が座り、周りには、王妃殿下、レノン第二王子殿下、私、マリー王女殿下が立っております。

 登城するように王命が出されたので、国境を守る隣国に睨みをきかせている辺境の貴族も含めて、王国の全ての貴族家の当主が謁見の間に集まっておりますわ。
 勿論、元父であるサイ公爵もいますわよ。
 サイ公爵は、私が王家の方たちと一緒の位置に立っていることに驚いているよですわね。

 婚約者の私がいるのにマッカート王太子殿下が居ないことと、なぜ集められ、これから何が行われるのか知らされていない貴族の方たちが、隣の者と私語をされたりしいて、少し騒がしくなっておりますわね。

「静粛に」

 宰相である叔父様が、集まった貴族に静かにするように言われましたね。
 騒がしかったら話ができませんからね。
 謁見の間の玉座に陛下座っており、これから発言をされるというのに皆さん、隣にいる者と話をして、場を少し騒がしくさせるのは、如何なものですかね。

「皆、よく集まってくれた。これから色々と発表がある。発表の前にマッカートたちを連れて参れ。」

 陛下がそう言われると、縛られたマッカート王太子殿下と縛られてはいないものの一緒にレベッカが連れられてきましたわ。
 マッカート殿下が縛られていることで、また場が騒がしくなりましたね。

「静粛に」

 また叔父様が静かにするように言われましたね。
 騒がしくては、話が進みまないので、静かにしてもらいたいものですね。

「マッカートよ。なぜここに連れて来られたのかわかるか。一度だけ発言を許するので、申してみよ。」

「はい。国王陛下。」
「私が縛られ、ここに連れてこられたのは、私に婚約破棄されたソフィアと叔父にあたる宰相が謀ったかはです。」

「違うわ。馬鹿者が」

 なに言っているですか。あなたは、自業自得なだけですよ。陛下をはじめ皆、呆れてますよ。
 婚約破棄のことは、一部の者しか知りませんでしたからね。集められた貴族たちが騒がしくなりましたね。
 話が先に進まないのは、問題ですが、これは、仕方ないかもしれませんわね。


「マッカート、おぬしが、そのような状況に置かれているのは、今までも問題を起こして、罰も与えてきたのに反省せず、次々に起こしたからだ。」
「まあ、よい。次だ。レベッカ嬢、その方は、マッカートから聞いた話によれば、マッカートと関係を持ち、マッカートは、そなたを婚約者にすると申していたが、間違いないか。一度、発言を許すので、申してみよ。ただし、嘘は許さぬぞ。」

「はい。国王陛下。」
「全て、事実です。マッカート王太子殿下に婚約者にと言って頂いたので、お受け致しました。」

「そうか。わかった。」
「では、発表をする。マッカート、おぬしには、今回、謹慎を命じた際に最後のチャンスだと伝えたはずだが、城から抜け出した。
よって、おぬしを廃嫡とし、第二王子であるレノンを王太子とする。それからマッカートの婚約者であった、ソフィア嬢をレノンの婚約者とする。」

「「「!!」」」

 陛下の発言に皆、驚いたようですが、特にサイ公爵、マッカート元王太子、レベッカの三人が特に驚いていたようですね。そのあと三人とも私を睨み付けてきましたけどね……

「それから……「なぜ、私が廃嫡なのですか。ソフィアと宰相がレノンと結託して王国を好きなようにするために謀ったのです。私を廃嫡などしては、百年続いたミュゼルバ王国が終わってしまいます。お考えなおしてください。縄で縛られるべきは奴らです。」

 そう言って、マッカート元王太子が私たちを指差しました。
 マッカート元王太子、今回は、陛下は発言を許可しておりませんわよ。勝手に発言をしては、なりませんのよ。
 それよりも陛下が話されているのに、割って入って発言をするなんて、以ての外ですわよ。
 あなたが国王になった方が、王国が終わってしまうと思いますわ。

「そうですわ。ソフィアお姉様は、悪女ですからそうに違いませんわ。」

「そうだ。ソフィアは悪女です。お考えなおしてを陛下。」

 レベッカあなたもですか。私が悪女ってなんですか。それにレベッカも、今回は、発言を許されてませんわよ。勝手な発言は許されませんわ。

「戯れ言が聞こえたが、話を続けるぞ。」

 陛下お怒りですね。当然ですけどね。

「マッカートニ、おぬしとレベッカ嬢との婚約破棄は認めてやる。ただし
 ……」

 それを聞いて、マッカート元王太子もレベッカも嬉しそうですね。まだ話は続いているというのに

「ただし、婚約は認めるが、マッカートとレベッカ嬢が婚約を破棄することは認めぬからな。これは王命であるからもし破った場合は、処罰する。それからマッカートは廃嫡後は平民とする。この話は以上だ。」

「!!」

 話を最後まできかないからですわ。喜んでいたのに、今は顔が二人とも真っ青ですわよ。

「マッカートとレベッカ嬢は、退室せよ。城の門を出たらマッカートの縄を解いてやれ」

 二人に退室するように言われ、城の門を出たらマッカート元王太子の縄を解くように騎士に指示を出され、騎士が二人を連れていかれました。

 マッカート元王太子とレベッカが退室したので、この後は、いよいよザザン伯爵親子とザザン伯爵の派閥に属している腐った貴族たちの処罰が始まりますね。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました

由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。 彼女は何も言わずにその場を去った。 ――それが、王太子の終わりだった。 翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。 裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。 王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。 「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」 ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます

腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった! 私が死ぬまでには完結させます。 追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。 追記2:ひとまず完結しました!

侯爵家の婚約者

やまだごんた
恋愛
侯爵家の嫡男カインは、自分を見向きもしない母に、なんとか認められようと努力を続ける。 7歳の誕生日を王宮で祝ってもらっていたが、自分以外の子供を可愛がる母の姿をみて、魔力を暴走させる。 その場の全員が死を覚悟したその時、1人の少女ジルダがカインの魔力を吸収して救ってくれた。 カインが魔力を暴走させないよう、王はカインとジルダを婚約させ、定期的な魔力吸収を命じる。 家族から冷たくされていたジルダに、カインは母から愛されない自分の寂しさを重ね、よき婚約者になろうと努力する。 だが、母が死に際に枕元にジルダを呼んだのを知り、ジルダもまた自分を裏切ったのだと絶望する。 17歳になった2人は、翌年の結婚を控えていたが、関係は歪なままだった。 そんな中、カインは仕事中に魔獣に攻撃され、死にかけていたところを救ってくれたイレリアという美しい少女と出会い、心を通わせていく。 全86話+番外編の予定

アルバートの屈辱

プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。 『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。

それぞれのその後

京佳
恋愛
婚約者の裏切りから始まるそれぞれのその後のお話し。 ざまぁ ゆるゆる設定

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

処理中です...