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第28話 聖女の思い(前編)
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アルト男爵と聖女と判明したラン嬢が登城されて、謁見の間にて、国王陛下に聖女と認定された。
アルト男爵は、謁見の間での認定が終わると一人で自領に帰されたらしい。
聖女は、これから神殿で生活することになるからだ。
私たちは、国王陛下の執務室に呼ばれた。
集まったのは、国王陛下、王妃殿下、私の婚約者であるレオン王太子殿下、マリー王女、マリー王女の婚約者で、私の弟のラルフ、宰相の叔父様、騎士団長、神殿長、そして、聖女認定されたラン嬢だ。
「それで、皆を集めたが、聖女ランよ。話したいこと何なのだ。」
「はい。実は、父であるアルト男爵なのですが、何かを企んでいるかもしれません。」
「やはりそうか。」
「流石は、国王陛下、お気づきでしたか。」
「懸念していただけだがな。なぜ何か企んでいると思ったのだ。そして男爵は、既に何か行動に出ているのか。」
「はい。神殿に行き私が聖女とわかるまでは、私と弟のキーンは、屋敷から出ることが許されず、ほぼ毎日、ストレスを発散するために両親から暴力を振るわれてきました。
聖女と判明して、機嫌取りなのか、二人とも暴力は、振るわれなくなりましたけど……」
「何と!! 親が子を虐待するなど、貴族は近年、子供が生まれにくくなっているというのに……だから大事に育てねばならぬというに、これは許されぬことぞ。」
「国王陛下か。お気持ちは、わかりますが、落ち着いてください。」
私も暴力は振るわれなかったが冷遇は、されていたしな。ラン嬢の辛さは、少しわかるし、国王陛下の怒りもわかる。皆、気持ちは、国王陛下と同じみたいだけど、叔父様が国王陛下をとめた。
「すまぬ。ついな。聖女ランよ。話を続けてくれ。」
「はい。そして、使者から登城命を聞かされると、手紙をかかれたり、登城までの間に頻繁に出掛けて、人に会っていたようでしたし、私に王太子妃になれると言ってきたりもしたので、何か企んでいるのではないかと感じました。」
「なるほどのう。同派閥だった貴族たちと会っている可能性があるな。ドナルド、ハンス、調査の方頼むぞ。」
「「かしこまりました。国王陛下。」」
「国王陛下。よろしいでしょうか。」
「なんだ。ロック。申してみよ。」
「聖女ランが、神殿で生活することになったので、男爵夫婦が子息のキーンにまた虐待をし始める可能性があるかと。」
「確かにそうだな。保護が必要だな。ドナルド、影に命じて、保護させろ。処罰は、保留だがな。」
「かしこまりました。」
「ありがとうございます。国王陛下。」
「構わぬよ。当然のことだ。」
そうですね。保護した方がいいですわね。
しかし、アルト男爵も後継者の子息を虐待とか万が一があったらどうするつもりなのですかね。
処罰が保留なのは、男爵だけ処罰するより関わっている貴族をまとめて処罰したいからでしょう。
「聖女ランよ。わかっていると思うが、そなたは、王太子妃にはなれぬぞ。」
「はい。わかっております。王家と男爵家では、家格が違い過ぎます。物語にもなっておりますが、過去に王子と聖女が婚姻されたことはありますが、あれは、元々、婚約者だったり、家格の釣り合う上級貴族だったからですので、私は、そのようなことは、望んでおりません。」
ラン嬢は、しっかりしていますね。
こういう方とは、仲良くなりたいですわね。
「国王陛下。今、話している事とは、関係ありませんが、よろしいでしょうか。」
「よいぞ。ソフィア。」
「ありがとうございます。私、ラン嬢と仲良くしたいと思っております。まだ当分先の話ですが、家格的に正妃にはなれませんが、しっかりとした考えをお持ちですので、次代の聖女の引き継ぎが済んだらレノン王太子の側妃にするのがいいと思いますわ。」
「ソフィア。いいのか。」
「当然ですわ。レノン。下級貴族では、金銭的に無理だったりもしますが、王族や貴族が側妃をもうけるのは、義務みたいなものですわ。」
まあ、そう言ったものの、身近だと元父には、側妃はおりませんでしたし、叔父様なんか婚姻すらしておりません、国王陛下も王妃様だけですけどね。
「恐れ多いことですが、ソフィア様からそう言っていただき嬉しく思います。」
「私もラン嬢と仲良くしたいです。」
「マリー王女殿下まで。ありがとうございます。」
ラン嬢は、恐縮してしまったかしらね。マリーも私が気に入ったのがわかって、自分もということでしょうかね。
「ラン嬢、仲良くしたいので、様はいりません。私のことはソフィアと呼んでくださいね。」
「私もマリーと呼んでください。」
「無理です。ああ……申し訳ございません。」
ラン嬢は、驚いて、砕けた言葉使いになってしまったようで、それに気づき、謝られました。
「私が言うのも変ですが、公式な場では、ダメですが、こういう場ならそのくらい砕けた感じでもよろしいかと思いますわ。親しい感じがして、そうですよね。国王陛下。」
「そうだな。構わね。ソフィアも国王陛下ではなく、お義父様とか呼んでよいぞ。」
国王陛下がノッてきましたわね。
「わかりましたわ。お義父様。」
「おお、呼ぶように言ったのは、私だが、いいな。ソフィア、プライベートの場では、これからはそれで頼む。」
「はい。お義父様。」
「あなた、調子に乗りすぎではないですか。ソフィアちゃん、私のことは……」
「はい。お義母様と呼ばせていただきます。」
王妃様が、冷めた目で、国王陛下に言われましたね。
私とラン嬢以外の皆も国王陛下に同じような目で見てますね。
アルト男爵は、謁見の間での認定が終わると一人で自領に帰されたらしい。
聖女は、これから神殿で生活することになるからだ。
私たちは、国王陛下の執務室に呼ばれた。
集まったのは、国王陛下、王妃殿下、私の婚約者であるレオン王太子殿下、マリー王女、マリー王女の婚約者で、私の弟のラルフ、宰相の叔父様、騎士団長、神殿長、そして、聖女認定されたラン嬢だ。
「それで、皆を集めたが、聖女ランよ。話したいこと何なのだ。」
「はい。実は、父であるアルト男爵なのですが、何かを企んでいるかもしれません。」
「やはりそうか。」
「流石は、国王陛下、お気づきでしたか。」
「懸念していただけだがな。なぜ何か企んでいると思ったのだ。そして男爵は、既に何か行動に出ているのか。」
「はい。神殿に行き私が聖女とわかるまでは、私と弟のキーンは、屋敷から出ることが許されず、ほぼ毎日、ストレスを発散するために両親から暴力を振るわれてきました。
聖女と判明して、機嫌取りなのか、二人とも暴力は、振るわれなくなりましたけど……」
「何と!! 親が子を虐待するなど、貴族は近年、子供が生まれにくくなっているというのに……だから大事に育てねばならぬというに、これは許されぬことぞ。」
「国王陛下か。お気持ちは、わかりますが、落ち着いてください。」
私も暴力は振るわれなかったが冷遇は、されていたしな。ラン嬢の辛さは、少しわかるし、国王陛下の怒りもわかる。皆、気持ちは、国王陛下と同じみたいだけど、叔父様が国王陛下をとめた。
「すまぬ。ついな。聖女ランよ。話を続けてくれ。」
「はい。そして、使者から登城命を聞かされると、手紙をかかれたり、登城までの間に頻繁に出掛けて、人に会っていたようでしたし、私に王太子妃になれると言ってきたりもしたので、何か企んでいるのではないかと感じました。」
「なるほどのう。同派閥だった貴族たちと会っている可能性があるな。ドナルド、ハンス、調査の方頼むぞ。」
「「かしこまりました。国王陛下。」」
「国王陛下。よろしいでしょうか。」
「なんだ。ロック。申してみよ。」
「聖女ランが、神殿で生活することになったので、男爵夫婦が子息のキーンにまた虐待をし始める可能性があるかと。」
「確かにそうだな。保護が必要だな。ドナルド、影に命じて、保護させろ。処罰は、保留だがな。」
「かしこまりました。」
「ありがとうございます。国王陛下。」
「構わぬよ。当然のことだ。」
そうですね。保護した方がいいですわね。
しかし、アルト男爵も後継者の子息を虐待とか万が一があったらどうするつもりなのですかね。
処罰が保留なのは、男爵だけ処罰するより関わっている貴族をまとめて処罰したいからでしょう。
「聖女ランよ。わかっていると思うが、そなたは、王太子妃にはなれぬぞ。」
「はい。わかっております。王家と男爵家では、家格が違い過ぎます。物語にもなっておりますが、過去に王子と聖女が婚姻されたことはありますが、あれは、元々、婚約者だったり、家格の釣り合う上級貴族だったからですので、私は、そのようなことは、望んでおりません。」
ラン嬢は、しっかりしていますね。
こういう方とは、仲良くなりたいですわね。
「国王陛下。今、話している事とは、関係ありませんが、よろしいでしょうか。」
「よいぞ。ソフィア。」
「ありがとうございます。私、ラン嬢と仲良くしたいと思っております。まだ当分先の話ですが、家格的に正妃にはなれませんが、しっかりとした考えをお持ちですので、次代の聖女の引き継ぎが済んだらレノン王太子の側妃にするのがいいと思いますわ。」
「ソフィア。いいのか。」
「当然ですわ。レノン。下級貴族では、金銭的に無理だったりもしますが、王族や貴族が側妃をもうけるのは、義務みたいなものですわ。」
まあ、そう言ったものの、身近だと元父には、側妃はおりませんでしたし、叔父様なんか婚姻すらしておりません、国王陛下も王妃様だけですけどね。
「恐れ多いことですが、ソフィア様からそう言っていただき嬉しく思います。」
「私もラン嬢と仲良くしたいです。」
「マリー王女殿下まで。ありがとうございます。」
ラン嬢は、恐縮してしまったかしらね。マリーも私が気に入ったのがわかって、自分もということでしょうかね。
「ラン嬢、仲良くしたいので、様はいりません。私のことはソフィアと呼んでくださいね。」
「私もマリーと呼んでください。」
「無理です。ああ……申し訳ございません。」
ラン嬢は、驚いて、砕けた言葉使いになってしまったようで、それに気づき、謝られました。
「私が言うのも変ですが、公式な場では、ダメですが、こういう場ならそのくらい砕けた感じでもよろしいかと思いますわ。親しい感じがして、そうですよね。国王陛下。」
「そうだな。構わね。ソフィアも国王陛下ではなく、お義父様とか呼んでよいぞ。」
国王陛下がノッてきましたわね。
「わかりましたわ。お義父様。」
「おお、呼ぶように言ったのは、私だが、いいな。ソフィア、プライベートの場では、これからはそれで頼む。」
「はい。お義父様。」
「あなた、調子に乗りすぎではないですか。ソフィアちゃん、私のことは……」
「はい。お義母様と呼ばせていただきます。」
王妃様が、冷めた目で、国王陛下に言われましたね。
私とラン嬢以外の皆も国王陛下に同じような目で見てますね。
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