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第39話 帝国との同盟協定会談(前編)
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戦争から3ヶ月が経ち、帝国側でも皇帝、皇太子、皇帝・皇太子派に属する貴族たちの処刑が済み、第二皇子が皇帝となり、新体制がスタートしてから2ヶ月がたった。
現在、王国に招いてのミュゼルバ王国とサタオール帝国の同盟協定会談が始まろうとしている。
「皇帝陛下はじめ帝国の皆様、王国までお出でくださりありがとうござます。」
「国王陛下、私は、新米の皇帝ですし、年齢も若い、それにこちらから仕掛けた戦争でしたので、こちらが出向くのは、当然のことです。」
国王陛下と皇帝陛下の挨拶から会談は、始まった。
王国側は、国王陛下、叔父様、レノン、ラルフ、外務大臣のナザル伯爵、そして私の6名、帝国側は、皇帝陛下、宰相、外務大臣がこの場にいる。
「うまく行き、協力関係が築けたこと嬉しく思う。」
「私もです。帝国は、今まで血統主義で、貴族は何をしても許され、更に侵略路線でしたから平民が不幸になるばかりでしたが、平民の方が絶対数が多いわけですし、有能な者もいますからそんな者を貴族の機嫌次第で殺されてしまうのは、勿体ないですからね。」
「そうですな。王国でも以前は、平民や女性を下にみる貴族ばかりでしたが、少しずついい方向に頑張っておりますよ。
ここにいるソフィアもとても優秀で、国王である私や王太子であるレノンより、国の長に向いているかもしれません。若いので、経験は、私が勝りますが、人気は、ソフィアが圧倒的に勝っていますな。ミュゼルバ王国初の女王になってもらいたいくらいだ。」
国王陛下がいきなり私をべた褒めし始めた。何言っているんですか、私は、女王になんかなりませんからね。
「それほどなのですか。羨ましいですね。私も帝国で、女性や平民から優秀な者を見出だし、帝国繁栄のために頑張ってもらいたいですね。」
「では、そろそろ同盟協定に関しての話をしますかな。ソフィアが睨んでますし……」
「そうですね。他愛ない話は、これくらいにして本題に入りますか。」
本題の同盟協定の話をしないのかと国王陛下を見てましたが、睨んでませんよ。何言ってもいるんですか。後で王妃殿下とマリーに報告しますわ。
存分に二人からお叱りを受けてください国王陛下。
「ドナルド宰相、説明を頼む。」
「はい。まずは、同盟国となるので、サタオール帝国への侵略はしない。他国から侵略行為があった場合、要請があれば援軍を送る。貿易の際の関税を引き下げる。帝国は、皇帝がかわり新体制になって、隣国に狙われたりもあるかもしれませんから、大陸の大国のミュゼルバ王国とサタオール帝国が同盟国となることは、そういう国への牽制になりますからな。」
「それから、帝国は、今まで政策の影響で、物資が不足しているでしょうから帝国の民が安心して暮らせるよう王国は、近年、豊作で備蓄も豊富ですので、食料物資をはじめとした生活必需品を支援するつもりでいます。」
「それは、ありがたい。」
「作物の種なども不足しているとのことでしたので、春頃に植えられるよう。作物の種や苗も支援させていただく予定ですので、後程、帝国の土地で育てるのに適している作物などをお教えください。会談が終わったらナザル外務大臣頼みます。」
「はい。わかりました。」
「ありがとうござます。マッサム外務大臣、会談が終わったらナザル外務大臣殿と交渉を頼む。」
「かしこまりました。皇帝陛下。」
「カエタール宰相、こちらからの説明を頼む。」
「はい。同盟国となるので、ミュゼルバ王国への侵略はしない。他国から侵略行為があった場合、要請があれば援軍を送る。貿易の際の関税を引き下げる。ここまでは同じ王国側と同じになります。帝国は、侵略ばかりしてきたので、武器類をはじめ工業産業が発展しておりますので、工業技術の技術提供をさせていただこうかと考えております。」
「おお、帝国の工業技術は素晴らしいから、王国の技術発展に繋がりのでありがたいな。」
現在、王国に招いてのミュゼルバ王国とサタオール帝国の同盟協定会談が始まろうとしている。
「皇帝陛下はじめ帝国の皆様、王国までお出でくださりありがとうござます。」
「国王陛下、私は、新米の皇帝ですし、年齢も若い、それにこちらから仕掛けた戦争でしたので、こちらが出向くのは、当然のことです。」
国王陛下と皇帝陛下の挨拶から会談は、始まった。
王国側は、国王陛下、叔父様、レノン、ラルフ、外務大臣のナザル伯爵、そして私の6名、帝国側は、皇帝陛下、宰相、外務大臣がこの場にいる。
「うまく行き、協力関係が築けたこと嬉しく思う。」
「私もです。帝国は、今まで血統主義で、貴族は何をしても許され、更に侵略路線でしたから平民が不幸になるばかりでしたが、平民の方が絶対数が多いわけですし、有能な者もいますからそんな者を貴族の機嫌次第で殺されてしまうのは、勿体ないですからね。」
「そうですな。王国でも以前は、平民や女性を下にみる貴族ばかりでしたが、少しずついい方向に頑張っておりますよ。
ここにいるソフィアもとても優秀で、国王である私や王太子であるレノンより、国の長に向いているかもしれません。若いので、経験は、私が勝りますが、人気は、ソフィアが圧倒的に勝っていますな。ミュゼルバ王国初の女王になってもらいたいくらいだ。」
国王陛下がいきなり私をべた褒めし始めた。何言っているんですか、私は、女王になんかなりませんからね。
「それほどなのですか。羨ましいですね。私も帝国で、女性や平民から優秀な者を見出だし、帝国繁栄のために頑張ってもらいたいですね。」
「では、そろそろ同盟協定に関しての話をしますかな。ソフィアが睨んでますし……」
「そうですね。他愛ない話は、これくらいにして本題に入りますか。」
本題の同盟協定の話をしないのかと国王陛下を見てましたが、睨んでませんよ。何言ってもいるんですか。後で王妃殿下とマリーに報告しますわ。
存分に二人からお叱りを受けてください国王陛下。
「ドナルド宰相、説明を頼む。」
「はい。まずは、同盟国となるので、サタオール帝国への侵略はしない。他国から侵略行為があった場合、要請があれば援軍を送る。貿易の際の関税を引き下げる。帝国は、皇帝がかわり新体制になって、隣国に狙われたりもあるかもしれませんから、大陸の大国のミュゼルバ王国とサタオール帝国が同盟国となることは、そういう国への牽制になりますからな。」
「それから、帝国は、今まで政策の影響で、物資が不足しているでしょうから帝国の民が安心して暮らせるよう王国は、近年、豊作で備蓄も豊富ですので、食料物資をはじめとした生活必需品を支援するつもりでいます。」
「それは、ありがたい。」
「作物の種なども不足しているとのことでしたので、春頃に植えられるよう。作物の種や苗も支援させていただく予定ですので、後程、帝国の土地で育てるのに適している作物などをお教えください。会談が終わったらナザル外務大臣頼みます。」
「はい。わかりました。」
「ありがとうござます。マッサム外務大臣、会談が終わったらナザル外務大臣殿と交渉を頼む。」
「かしこまりました。皇帝陛下。」
「カエタール宰相、こちらからの説明を頼む。」
「はい。同盟国となるので、ミュゼルバ王国への侵略はしない。他国から侵略行為があった場合、要請があれば援軍を送る。貿易の際の関税を引き下げる。ここまでは同じ王国側と同じになります。帝国は、侵略ばかりしてきたので、武器類をはじめ工業産業が発展しておりますので、工業技術の技術提供をさせていただこうかと考えております。」
「おお、帝国の工業技術は素晴らしいから、王国の技術発展に繋がりのでありがたいな。」
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