週末は別の人の彼女

扇野那由多

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親は殺せず子を殺す

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気付けば2回、堕胎手術をしていた。

殺していた自分は
誰かから愛されることによって
また新たな生を受けた。
その時だけ自由でいられた。
ありのままの自分でいられる。
そしてそれを認めてもらえる。
愛は多ければ多い方がいい。
心が気持ちよかった。
その愛が心地よくて
自由になりたくて
このまま何も考えずに生きていきたかった。
ただそれだけの気持ちで
命を無駄にした。
何かを履き違えていた。
でも何も学ばなかった。
家では縛られ
外で解放され
そんな暮らしを続けていったある日
三度目の妊娠をした。
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