Blue Flame Little Girl 〜現代ダンジョンで地獄を見た幼女は、幸せに成り上がる〜

ももるる。

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肉球タクシー。

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 もはや子供らしい感性なんて微塵も残ってないけど、それでも友達に会えるのは嬉しいし、私は学校が嫌いじゃなかった。

 事情が事情なので休学扱いだった私も、その辺の申請とか処理は病院に入院している間にお父さんとお母さんがやってくれた。

 現在朝六時半。登校です。復学です。

「おねーちゃん! いっしょ!」
 
「そうだねぇ。一緒に学校行けるねぇ」

 私は現在八歳。真緒は七歳。年子である。

 真緒は七月七日生まれで、迷宮事変の発生が五月六日。私はその日から三ヶ月足す九ヶ月と数日の昏睡を経て、今日の日付は五月二十日。つまり真緒はまだランドセルが眩しいピッカピカの一年生で、入学から一ヶ月半しか経ってないのだ。

 なので小学校には一緒に登校する。

 と言っても町内で集まってテクテク歩いて学校まで行く訳じゃない。

 実は浅田家、ちょっと裕福なお家でして、私は少しだけお嬢様学校っぽい所に通ってるのだ。

 まぁ、ちゃんとしたお嬢様学校じゃないし、ていうか共学なんだけど、小学校でありながら制服がちゃんとあるタイプの、ちょっとだけ良い感じの小学校です。

 私と真緒が着ているお揃いの制服は、薄い灰色の生地に紺色の縁どり、そして白い刺繍が可愛い仕立てで、とても良く真緒に似合ってる。凄く可愛い。お姉ちゃんはとっても満足です。

「じゃぁ行こっか」

「うんっ!」

「行ってらっしゃい。気を付けて行くのよ?」

「「はーい!」」

 私は真緒の手を引いて玄関を出た。

 見送ってくれるお母さんは、本当なら車を運転して私と真緒の送迎をしてくれる筈なんだけど、何だかんだで情報がジワジワと漏れて学校にもマスゴミが集まって来てるらしいので、車のナンバーを隠すために車が使えなくなった。

 …………本当に迷惑だよねぇ。殺しちゃおうかなぁ。

 まぁ今のところ、まだそこまで家族に負担が無いから、まだ我慢出来る。

 けどこれ以上酷くなるなら、テレビで宣言した言葉は嘘じゃないと示す必要がある。

 そんな訳で、今日の移動手段はコチラ。

「肉球タクシー、ナーくんです」

「ナイト、おねがいねっ!」

「わんっ!」

 玄関前に蒼炎を纏って現れたナイトは、普段が柴犬サイズの可愛い姿から一変して、大型の虎くらいまで大きくなっている。

 そう、体を蒼炎で作ってるナイトは今、体の大きさなんて自由自在なのでした。

 昨日の夜知りました。

 そんな大きくなったナイトに跨った私は、前に真緒を抱っこする形でナイトに座り、座りの良いポジションを探してナイトの背中をお尻でぐりぐりする。ふむ、ふわふわだ。

 蒼炎で出来てるナイトは、なんと言うか、見た目はすんごいもふもふなんだけど、触り心地に毛並みの感触が無いのだ。なんと言うか、マシュマロみたいなふわふわしたナニカなのだ。

「それじゃぁ行くよ、グレイパー起動!」

 このままだと、ナイトに鞍も手綱も無いので私たちが落ちかねない。なので私はインベントリから紐みたいなアイテムを取り出して魔力を通す。

 これはいつの間にかインベントリに入っていた便利アイテムで、ネットに情報が無いから多分五層より上でドロップするはずだ。

 DMのインベントリで表示される名前はグレイパーで、効果は魔力を通して対象を念じると、耐久度がゼロになるまで対象を捕縛してくれるって言う物。たぶん魔法具とかそんな感じのアイテムに相当するんだと思う。

 アイテムドロップには色々と種類があって、武器や防具といった装備品の類は宝箱からしか出て来ないが、モンスターの素材や魔石の他にも傷を即座に治す水薬ポーションとか、投げて当てると相手を麻痺させる玉パラライズボールとか、使い捨ての便利なアイテムもドロップする。

 このグレイパーもその一つで、どこで拾ったかは分からないが、耐久度がゼロになるまでは再利用し放題なので、私と真緒の体をナイトに括り付けるだけならば多分ずっと使えるはず。

「肉球タクシー、発車!」

「はっしゃー!」

「わぅーんっ!」

 掛け声と共にナイトは走り出した。

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