Blue Flame Little Girl 〜現代ダンジョンで地獄を見た幼女は、幸せに成り上がる〜

ももるる。

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警察。

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 寄り道して買い物して、その後メイド喫茶でご飯を食べて遊んだ日から二日後の今日。

 私は、学校を休んでお客様の対応していた。

 当たり前のことだけど、先日マスゴミを燃やした件で警察が家に来たのだ。

 と言ってもカメラは全てきっちり消し炭にしたし、と言うか本人たち以外の持ち物は服さえも残さず燃やし尽くしたのだ。現行犯逮捕出来るほどの物証は残っておらず、状況証拠と被害者の証言だけで私を逮捕出来るほど、日本の法律は融通が効く作りじゃない。

 しかも、今回の事で普通に刑事さんが来るのかと思えば、何故か警察機関の中でもかなり凄い、超偉い人が家に来たのだ。

 それで…………。

「単刀直入に申し上げます。我々は浅田優子さんが起こすほぼ全ての事件を握り潰す方針ですので、今回の事件は訪問は切っ掛けに過ぎません」

 とまぁ、こんな感じでお偉い人に凄いことを言われてる訳ですよ。

 予め連絡を貰ってたので、お父さんは仕事の予定を無理やりあけて出席。お母さんはそもそも専業主婦なのでもちろんここに居る。そして両親と私がここに居ると、学校に行く足が無くなる妹も自動的に休みになる。

 要するに浅田家フルメンバーが揃って警察のお偉いさんと対面中なのだ。

 浅田家フルメンバーに対する相手は、迷宮事変後に新しく発足された、警察組織の新部署だか新部門だかのトップ。

 迷宮事変対策局迷宮由来犯罪対策課本部長、『笹木 杜夫ささき もりお』さん。

 この迷宮事変対策局迷宮由来犯罪対策課とは、簡単に言うと迷宮事変に纏わる現象に由来する災害と犯罪に対応するために作られた新しい警察組織らしくて、○○本部長とか聞くと微妙な階級に聞こえるのだけど、笹木さんは警察組織の上から数えて四番目に偉い人らしい。

 迷宮事変っていう意味不明な癖に影響力だけは絶大な災害とそれに纏わる犯罪に対応するには、相応の権力を持たせないとダメだったらしく、迷宮事変対策局迷宮由来犯罪対策課は警察の中でもかなり偉いエリート集団として扱われているそうだ。

 名前がめっちゃ長いので、普通はダンジョン課とか、迷宮警察とか呼ばれてる。

 ダンジョンアタッカーの中ではダンジョンポリスなんて呼び方もあったっけ。

 警察の訪問って聞いたら、イメージだともっと何人もやって来て威圧されそうに思うけど、笹木さんは一人でやってきた。

「…………握り潰す方針、ですか?」

「はい。余程大々的に大量殺人などが行われないなら、大体、ぼぼ全部を、確実に握り潰すつもりです」

 笹木さんに対応するのはお父さんで、当事者の私も隣に居る。

 何回聞いても凄いこと言われてると思う。これは、つまりなんだ? 大々的な殺しは揉み消し難いから、殺すなら静かに隠れてやってくれってこと?

「いきなりその様な事を言われましても……」

「そうでね。では順を追って説明しましょう」

 最初からそうしてくれ。私はお父さんの隣でそう思った。

「まず大前提として、我々は浅田優子さんを捕縛する術が、そもそも無いのです。いざ逮捕するとなった時、暴れられたら何も出来ないどころか、被害が増えるだけです」

 まぁ、そうだよね。

 ダンジョンアタッカーは逮捕が難しい。それは今の世の中で良く言われてる事だ。

 まず魔力をその身に宿したダンジョンアタッカーは、銃で撃ってもダメージが少ない。保有する魔力が高ければ高いほどその傾向が強くなる。

 そうなるともう、ダンジョン由来のアイテムを使った魔力入り超高級弾薬を準備するか、自分たちもダンジョンに潜ってレベルアップするしかない。

 ダンジョンアタックを経て身体能力を向上させた人材を用意するか、魔力入りの高級弾薬を用意しないと捕縛出来ない厄介な存在、それがダンジョンアタッカーである。

 そして、そのダンジョンアタッカーの中でも特大に魔力を保有しているのが私であり、どんなダンジョンアタッカーよりも身体能力が高いのも私であり、要するに私を捕縛出来る存在が現在、地球上に居ないのだ。

 持ってる魔力が高過ぎて、通常の弾薬なら大型の狙撃銃すら効かない化け物、それが浅田優子であり蒼乃フラムである。

 魔力入りの弾薬を用意すればダメージは通るけど、私の保有魔力を越える魔力を弾薬に練り込まないと、多分私は一撃で殺せない。そして一撃で殺せなかったら凄まじい反撃が待っている。

 …………うん。めちゃくちゃ厄介な存在だよね。可能ならば国から出て行って欲しい存在かも知れない。

「次に、現段階で浅田優子さんが持つ個人の価値が高過ぎるので、手が出せないのですよ。酷い話しですが、マスゴミ・・……、おっと失礼しました、マスコミ・・数十人の死と浅田優子さんの機嫌、その二つを並べたら、我々は浅田優子さん一人の機嫌を取ります。……文字通りに、ね」

 文字通りにご機嫌取りって事か。

「これらの理由は、人類全体がダンジョンによって強くなっていけば解消される問題ではありますが、それは未来の話しであり、我々は今、絶対に浅田優子さんを失う訳には行かないのです」

 …………そんなに言うほど?

 私は内心首を傾げながら、お母さんが入れてくれたお茶を飲む。

 それに釣られたのか、笹木さんもお父さんも湯呑みに手を付けて一息入れた。お母さんのお茶は美味しいなぁ……。

「それは、……娘が持っている、ダンジョンのアイテムなんかの話しですか? 未知のドロップに対する価値で?」

「いえ。……いや、正直に言えば、浅田優子さんが個人で保有するダンジョンドロップも、喉から手が出るほど欲しいのは事実です。ですが、それとは全く別の話しで、浅田優子さん本人だけの価値について話しています」

「…………あの、結論からお願いできますか?」

 ちょっと回りくどいなと思った私は、思わず口を挟んだ。

 笹木さんは順を追って説明するって言ったけど、一つ一つが丁寧過ぎる。こんなのはもう箇条書きでぶわーって説明して、後から気になった項目を詳しく聞けばいいと思うんだ。

 もしくは書面に残してくれ。

「……そうですね。では率直にお伝えします。現在、日本にある銀級ダンジョンのヒートゲージを減らせる存在が、世界で浅田優子さんただ一人なのです」

 笹木さんに言われて思い出した。そう言えば病院でお医者さんも、銀級ダンジョンのヒートゲージが全く減らせなくてヤバいって言ってたね。

 ……………………完全に忘れてたわ。

「…………それはつまり、政府や警察が、…………うちの娘に? またダンジョンへ行けと、そう仰るので?」

「……はい。我々は、日本は、浅田優子さんに銀級ダンジョンを攻略してもらう他に、滅びから逃れる術が無いのです」

 確かお医者さんが、銀級ダンジョンの一層に出て来る雑魚モンスターは、銅級ダンジョンの五層と同格だって言ってたっけ。

 つまり、銀級ダンジョンのヒートゲージが一回溜まるだけで、日本の国土に銅級ダンジョンの中ボス級のモンスターが大量に解放されるわけで…………。

 あれ、ヤバいのでは?

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