Blue Flame Little Girl 〜現代ダンジョンで地獄を見た幼女は、幸せに成り上がる〜

ももるる。

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アタッカーズショップ。

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 都内最大規模のアタッカーズショップ、コルティオ練馬本店。

 大型の倉庫型店舗としてそびえるソコは、本当ならコストトのはずだったらしい。

 以外と店舗数が少ないコストトが練馬にも出来るって事だったのに、コルティオが計画に割り込んで見事勝ち取っちゃったそうだ。

 日本にあるコストトは「コストト・ホールセール・ジャパン」が運営してるけど、大元はアメリカのワシントンにある「コストト・ホールセール」が母体である。

 だから多分、迷宮事変から発生する国の混乱とかで、日本支店に手を掛けてられなくなったのかも知れない。その隙を見事、コルティオが奪ってしまったのか。

 そんな考察も中々楽しい。

 なので、まぁ、お店の見た目はそのまんまコストトだ。看板の名前だけコルティオになってる感じ。

 なんだろうね。この、誰であっても、どんな家庭であっても、コストトに入る時ってなんかちょっとワクワクしちゃうの。

 浅田家はまぁまぁ裕福なお家なので、ディスカウントストアにはあまり縁がなかったし、その最大手みたいな大型倉庫型店舗であるコストトなんて遠い世界の事だった。

 というかコストトは会員制なので、会費を払って無いと入店すら出来ない。ワンデイパスとかで入れる場合も有るけど、浅田家は未経験だ。

 まぁコルティオはコストトじゃないし、ディスカウントでも無ければ食料品も必需品も売ってない。ただの武器屋である。

 駐車場からお店へアクセスする際、コストトと違って会員証は確認されないけど、代わりにダンジョンアタッカーのライセンスは確認された。ライセンス無いと武器購入が出来ないから。

 ちなみに、もう私達のライセンスは笹木さんによって発行されてる。もちろん特例だ。

 スタッフさんも、幼い私と真緒までライセンスを持ってる事に懐疑的だったけど、私が軽く蒼炎を見せると全てを理解した様にペコペコと頭を下げて入店を許可してくれた。

 うん。なんか権力ゴリ押ししてごめんなさい。でも皆の為だから許してね。

 蒼炎は現在、蒼乃フラムの固有スキルだ。つまり蒼炎を使える私は蒼乃フラムであり、世界唯一のダンジョン攻略者であり、世界最強のダンジョンアタッカーである。

 そんな私がライセンスを持ってるのは、まぁルールの上ではおかしいけど、強さの上ではむしろ当然とすら言える。だって銀級討伐出来るのって、今のところ私だけだし。

 そんな訳で入店。

「うわぁ、凄いねぇ…………」

「そうねぇ。物騒なラインナップだけど、ここまで並ぶと壮観ねぇ」

「しゅご~い……」

 ほぼ全フロアぶち抜きで作られた店内は、当然の事ながら武器、武器、武器…………。

 山ほどの武器が並んでいた。

 簡素かつ機能的な什器じゅうきに並べられた武器が照明に反射して、金属が有する鈍い輝きを放ってる。

 剣、槍、棍、斧など、近接武器がメインである。まぁ遠距離武器は現状、採算が合わないからね。魔力が伴ってないとダメージを与えられないし、手を離すと武器から魔力が抜けちゃうし。

 魔力が最初から含有されてる素材を飛び道具の矢弾やだまにするのは、コスト的にもまだ無理だろう。

 この先、もっとダンジョン攻略が進んでダンジョン産の金属類なんかが安価になれば、飛び道具も流行ると思うけど。

 流石に今の段階で、弓につがえる矢を一本で数万円とか数十万円とか、無理でしょ。ゴブリン一匹殺すだけで札束アタックだ。殴っても殺せる存在にそんな事してられない。

 さて、アタッカーズショップが「アタッカーズショップ」と呼ばれ、ウェポンショップと呼ばれてない訳だけど、もちろんソレにも理由がある。

 このコルティオにも武器が置いてあり、むしろそれがメインだけど、アタッカーズショップはダンジョンアタッカーが使う品物全般を扱うお店であり、つまり防具や消耗品類も置いてある。

 煌びやかな鎧や、見た目よりも防御力があるローブなんてファンタジーな防具類から、普通に現代ファッション風に作られたジャージ等、幅広い防具が陳列されてる。

 消耗品の類はコレと言った分類が難しいが、例えば煙幕を張るスモークバンとか、目眩しに使う閃光手榴弾フラッシュバンなんてアイテムも置いてある。当たり前だけどダンジョンの外で使うと捕まるタイプのアイテムだ。

 他にもダンジョンの中で手早く補給を済ませる為の栄養食や、ちょっとした休憩をする為のアイテム。逆にガッツリとダンジョン泊をする為のキャンプガジェット等々、商品の幅は枚挙に暇がない。

 これも当然の話しなんだけど、私が銅級ダンジョンを攻略するのに掛かった時間が三ヶ月で、私を除く現在のダンジョンアタッカーが攻略出来てる最深部が五層だ。

 そして、五層まで日帰りは不可能に近い。いや、レベルを上げまくれば出来るだろうけど、それが出来る頃には五層なんて鼻で笑いながら突破出来る実力になってるだろうから、考えなくていい。

 つまり何が言いたいか? 五層までダンジョン泊が必須なのだ。ダンジョンは『帰還』を許しても『途中復帰』を許してくれない。一度帰ると攻略は初めからなのだ。

 五層の攻略を諦めた勢の人々も、四層に行くだけだって日帰りは無理だ。ダンジョンで稼ぐにはやっぱりダンジョン泊が必須。

 なのでこの店でも、ダンジョン泊に関わるアイテムは結構充実してる。

 非覚醒者はインベントリの出し入れが自由に出来ないので、持ち運びに配慮したアイテム類が多く、ダンジョン産のアイテムまでふんだんに使ってコンパクトにしたテントまで置いてある。お値段580万円。高いねぇ。

「さて、ダンジョン泊に使うアイテムも、食料も、防具も、全部笹木さんにお任せしてるし。今日は徹底的に武器選びね。…………あ、お母さんと真緒は防具も買うけど」

「お母さんとしては、優ちゃんにもしっかり防具を付けて欲しいのだけど……」

「私も必要だとは思うけど、最低限の性能さえあれば特に吟味は要らないんだよね。銅級ダンジョンなら蒼炎を反応装甲リアクティブ・アーマーみたいに使えるから」

 私だってダンジョンの危険は身に染みて分かってる。舐めるつもりは無い。けど、無駄に警戒してゴテゴテと装備を身に付けて、自分の敏捷を削る訳にも行かない。それはそれで自殺に近い行為だから。

 そんな色々な理由を語りつつ、私は二人の装備選びを始めた。

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