Blue Flame Little Girl 〜現代ダンジョンで地獄を見た幼女は、幸せに成り上がる〜

ももるる。

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休学。

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 自分の中にまだかろうじて存在する「子供・・」を満たす為に、思いっきり小学校を楽しんで遊び倒した翌日。

 既に申請を通してある休学届けによって、今日から私の休学期間が始まる。

 正直に言う、ちょっと悲しいし、辛い。

 私はレベルアップによって感性が育っちゃったけど、だからって友達との絆がその場で崩壊する訳じゃない。

 あくまで私からの認識に特定のバイアスが掛かるだけで、私たちの関係性は変わってなんか居ない。

 羽ちゃんを子供としか認識出来なくても、でも私の親友だ。友達と会い難くなるのは、普通に辛い。

 でも、この休学で銀級ダンジョンにケリを付けないと、家族はもちろん羽ちゃんや他のクラスメイトにも被害が及ぶ可能性がある。

「…………頑張らないとなぁ」

 そんな訳で、今日はお買い物に行く。

「じゃぁ行こっか」

「そうね。今日は普通に車が出せるもの」

「おでかけー!」

 目的地は武器屋。世間では「attacker'sアタッカーズ shopショップ」と呼ばれるタイプの販売店だ。

 法改正からコッチ、ダンジョンアタッカー向けに武器を販売するお店が生まれた。

 ダンジョンの近くに建てられた店はストレートに栄えるし、他にもニッチな需要を満たすお店も根強い人気を獲得した。

 その文化が発生して、まだ一年未満。壮絶な競争が巻き起こってるジャンルだ。

 私たちはその中でも、都内最大の規模を誇るお店に向かう。

 アタッカーズショップ『コルティオ』練馬店。

 銀級ダンジョンが葛飾区にある水元公園で、銅級ダンジョンが渋谷区の代々木公園にあるのに、何故練馬区そこに建てたのか分からないお店だけど、都内最大規模と言う看板は伊達じゃない。

 久しぶりにお母さんの運転する車に乗って、少しずつ変わりゆく街並みを見ながら考える。

 私のメインウェポンは特注予定。二ヶ月後のダンジョンブレイク前には完成させて、銀級のヒートゲージを抑えなければ成らない。

 一層から既に銅級の五層クラスが出没すると言われる銀級ダンジョンを攻略するには、やはり高品質で高性能な武器が必要だ。

 当時の私は五層の時点では丸腰だったのだけど、銀級は一層からそれで、つまり攻略が進むにつれて敵も強くなるって事だ。生半可な武器じゃ足りないかもしれない。

 そして、お母さん達のレベリングに使う武器も必要だ。

 こっちも特注して良いんだけど、時間がネックだ。

 なにせお母さんも真緒も銀級の攻略に着いてくると言う。だとしたら効率的にレベルを上げて、お母さんも真緒も、銀級ダンジョンでも死なない強さを手に入れてもらう必要がある。

 そして、それには時間がいくらあっても足りないんだ。可能な限り時間を使いたい。一日たりとも無駄にしたくない。

 ともすれば、特注武器の完成なんて待ってられない。

 つまり、既製品が必要なんだ。

「流石に、スキルも無いお母さん達を丸腰でダンジョンとか入れられないし」

 私の場合は蒼炎があったから何とかなった。でも、あの時の私に蒼炎が発現しなかったら?

 うん。順当に死んでたよね。ゴブリンに殺されて、ナイトの後を追ってた筈だ。

 要するに、お母さんと真緒にはあの時の私に用意するつもりで装備を持たせるべきなんだ。

 車窓しゃそうから練馬の街を眺め、見えて来た巨大倉庫型店舗のコルティオを一瞥。

 超高効率発電と蓄電が可能となった現代では「電線」が消えて、空や遠くの景色を見ても邪魔な物が視界に映らない。

 一年より前でも電線は消えつつあったけど、たった一年でその勢いは加速したそうだ。

「ほら、着いたわよ」

「運転ありがと、お母さん」

「ふふ、お父さんがお仕事で居ない間は、お家を守るのはお母さんの仕事だもの」

 到着したアタッカーズショップの駐車場で、お母さんが言外に「だから、まだ甘えて良い」と言う。それは大人の役目だから、無理はするなと目で語る。

 ありがとうお母さん。でも、だからこそ、そんなお母さんを守りたいんだよ。

 言及げんきゅうせず、ニコニコ笑ってお茶を濁したらお母さんに呆れられた。

「まったく、誰に似たのかしら」

「えへっ、そんなの決まってるじゃん! 世界で一番素敵なお父さんとお母さんにだよ!」

 当たり前の事である。

 もし二人が、所謂いわゆる毒親って奴だったら、私はこんなに頑張ってない。ダンジョンの中で諦めてたし、そもそもナイトと出会うことすら無かった筈だ。

 今の私がここに居るのは、全部ぜんぶ、お父さんとお母さんが素敵な人だからだ。そんな二人とずっと一緒に居たいからだ。そんな二人の娘として恥ずかしくない自分で居たいからだ。

 そんな感情を全て目力によって伝えると、お母さんは頬を染めてそっぽを向いた。

「ほら、早く行くわよ」

「あ、お母さん照れた」

「てれたー?」

「別に照れてないわよ」

 ガチャガチャとドアを操作して、さっさと車から降りてしまうお母さん。私と真緒も直ぐにスライドドアを開けて追い掛ける。

 二人も出たらお母さんが電子キーを使ってピッと鍵をかけた。

 お母さん可愛いなぁ。

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