Blue Flame Little Girl 〜現代ダンジョンで地獄を見た幼女は、幸せに成り上がる〜

ももるる。

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休み時間。

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「あさだをとめろぉぉおおおおおお!?」

「へいへい湯島くんっ! ボールがショボイぜ止まって見えるぜぇ!」

 バシッと掴んだボールを投げ返し、クラスメイトを退場させる。

 現在学校の昼休み。みんなで校庭にラインを引いてドッチボールの最中だ。

 あらゆる角度から投げれるボールを避けたり掴んだり、一つもミスが無い私。

 対して、あっと言う間に窮地へ立たされる男子達。

「浅田つぇえええっ!?」

「あさださんヤバ過ぎない!?」

「これが世界最高峰のダンジョンアタッカーによるドッチボールだぜぇえッ☆」

 状況はそう、私一人VS男子十五人。

 なんか、最初は普通に遊んでたんだけど、私が強すぎるって事で私一人で全員倒す事になった。

 ちなみに女子はフィールドの外でキャピキャピしながら私を応援してくれてる。

 ちなみにあと三人れば私の勝ちだ。

「あ、あさだにボール渡すなぁ! こうそくパスで回してふいをつけぇ!」

「あっは☆ ダンジョンで磨いた私の警戒を越えられるかなっ!?」

「優子ちゃんがんばれぇー!」

「ゆーちゃんふぁいとー!」

 一人を退場させた代償にボールが相手に渡り、正面から投げると見てから余裕と言わんばかりに私がボールを貰っちゃうので、高速パス回しでどうにか私の背後を付けないかと四苦八苦する男子達。

 正直、銅竜から食らったあの蹴りくらいの速さが無いと私には当たらないと思うけど、是非頑張って欲しいかな。

 一人が強すぎると普通はみんな萎えると思うけど、何故かみんな私が強ければ強いほどテンションが上がっていくんだよね。

 私が無茶な動きをするほど皆が笑うし、ヒーローショーを見てる様なワクワクに狂ってる。

 羽ちゃん達からの声援をこの身に受けながら少し思案してると、チャンスとばかりに背後から投げられたボールを見ないでノールックしゃがみ回避する。

 ダンジョンだとフクロウ系の魔物が出す微かな羽音とかで位置を読まないと平気で頭をぶち抜かれるので、ハッキリと「ビュン!」って音がするボールとか目を瞑ってても余裕なんだよね。

「どうやったら当たるのコレッ!?」

「銅級ダンジョン攻略したら当たるかもね?」

「むりじゃん!」

 まぁまぁ、今は無理でも、将来的にはね?

 その後も、特に特筆すべき何かも無く順当に全員を退場させて、一人勝ち。これ、いわゆる「俺TUEEEE」って奴かな。多分そうだ。

 レベル8のダンジョン攻略者がレベル0の小学生を相手にドッチボールで無双する。うん、何しとんねんって奴だね。

 休み時間はまだ残ってるけど、残りは女子組と一緒に遊ぶ。

 さてさて、何を遊ぶのかな?

「ナイトくんとあそびたい!」

「だってさ、ナーくん」

「わう!」

 何が始まるのかと思ったら、ナイトに乗っての校庭一週だった。

 クラスメイトの女の子だけじゃなく、なんか他クラスどころか他学年の人まで集まって来て、休み時間の終わりを告げるチャイムがなった瞬間、次に乗る予定だった子の絶望顔が申し訳ないけど爆笑しちゃった。

 凄かった。この世の終わりみたいな顔が一瞬で生まれて腹筋が死んだ。

 あまりにも悲壮な顔なので、次回を約束せざるを得なかった。私の登校日は昼休みに肉球タクシーが流行るのだろう。

 ただ、えっと、ごめんね? 今日はエネルギーを貰いに来たけど、暫くは休学する予定なんだよ…………。

 ………………次に乗れる次回、いつになるんだろうね?

 ほんとごめんよ。

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