Blue Flame Little Girl 〜現代ダンジョンで地獄を見た幼女は、幸せに成り上がる〜

ももるる。

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買い物終わり。

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「ねぇおねーちゃん。こっちのおかしは?」

 お母さんに携行食の解説と選び方を披露してると、真緒に別の商品について聞かれる。ちなみにまだ人集りは健在だ。

「そっちは、プロテインバーかな? 低カロリー低脂質で高タンパクなブロック食だけど、正直ダンジョンアタックではカロリー欲しいし、今回は要らないかな……?」

「いらないの? おいしそーだよ?」

「マーちゃんが食べたいなら勿論買うよ? 食べたい物を食べて『美味しい』って楽しむのが一番ストレス発散になるからね。…………あー、でも、ダンジョンの外で体を作る為には有用かな?」

 ステータスと体の出来っていうのは別問題なので、強い体が欲しいなら普通に有用なアイテムだと思う。ただアタッカーズショップに置いとく意味は無いとも思うけど。

 ステータスなんて存在が出て来てしまったけど、それでも強い体は依然として有用だ。

 何故ならステータスとは肉体をベースに強化する物だから。

 例えば私は現在レベル8で、膂力や敏捷がえらいことになってる。けど、例えばムッキムキの成人男性が私と同じ数値まで膂力のステータスを鍛えた時に、果たして私とムッキムキの人は互角なのか?

 答えは否。

 仮に二人の筋力を数値化するとして、幼い私の筋力のベースを100。ムッキムキの人のベースを800とする。そしてステータスの膂力値はその数字に干渉して能力を上昇させるしくみだ。

 今の私が世界最強のダンジョンアタッカーで居られるのは、レベルがダントツで高いからであって、同じレベルが増えていけば順当に埋もれていく存在だと言える。

 まぁ、レベルが同じなら同じくらい強いのかって言うと、ソレ・・も違うんだけどさ。

「まぁ良いや。マーちゃんはムキムキに成りたい? それともキュアキュアに成りたい?」

「きゅあきゅあ!」

「じゃぁ、あれ食べるとムキムキになっちゃうから、やめようね」

「あーい!」

 別にプロテインは食べただけで筋肉が着くような魔法の食べ物じゃ無いんだけど、それでもお姉ちゃん的には真緒がムキムキになるのはなんか嫌なわけで…………。

 良い感じに意識を反らせたので、当面の携行食と水筒系アイテムをお母さんと一緒に選び、それから細々とした便利アイテムにも手を出してからお会計だ。

 この買い物も、ひとまずは私がDMで得た稼ぎで支払うけど、領収書を貰っておけば笹木さんが経費で落としてくれるそうだ。なので安心して買い物が出来る。

 ふむ。私の繋ぎ斧ちゃんなんて、あれ一本で140万だってさ。二本で280万か。結構するな。

 でも、八層で見つけた斧ちゃんの価値を思うと、多分この繋ぎ斧ちゃんは八層斧ちゃんの足元にも及ばないんだろうなって言うのは分かる。

 だって、八層だもんな。人類でまだ私しか行けてない場所で宝箱トレジャーボックス経由のドロップをしたレア武器だ。その価値は簡単には測れないだろう。

 少なくとも三桁万円では絶対に収まらないと思う。

「お買い物、終わりー!」

「おわりー!」

 武器、防具、アタッカー向け携行食、それと様々なアイテム色々。武器用のケースなんかも購入した。

 明日以降に行くダンジョンアタッカーへ向けて準備をした私達は、お支払いをした後に一旦私のインベントリに全部しまって、それから駐車場に帰っ来てた。

 そして元気に声を出し、真緒の可愛い相槌を貰い、そして振り返って文句を言う。

「なので、皆かいさーん! 解散! なんで駐車場まで着いてくるの! 普通に怪しい人だよソレぇ!」

「それー!」

 きゃっきゃと私の発言を真似する真緒を可愛がりながら、何故か駐車場まで着いてきた見学者達を散らす私。

 私に言われて始めて「ハッ!?」としてる人が多く、いやそれは流石に嘘でしょうとジト目で追い返した。

 車のナンバーとか覚えられない様にさり気なく隠したけど、どこまで効果が有るのやら。

 そのうち、浅田家の車のナンバー、取得し直して交換した方が良いかもね。

 ナンバーと車って紐付けされてるだけで、別に一蓮托生のセット物って訳じゃないからね。必要とあらば交換は可能なのだ。

「うーん…………、ああ言う人が居るなら、いっそ配信でもしてもっと情報散らした方が良いのかなぁ」

「優ちゃん、あんまり無理はしないでね? 多少の事ならパパも私も、気にしないから」

 私の労力が嵩むことにお母さんが難色を示すけど、配信自体はそのうちやろうと思ってたのだ。そのために秋葉原で買い物して来たんだし。

 そう言えばカメラ類がインベントリに入れっぱなしだな。今夜辺り、インベントリを整理しようか。

 と言うか、私ってまだ銅竜の鱗とかちゃんと見た事無いんだよね。いや銅級十層で相見あいまみえた銅竜その物の鱗は見たけどね。アイテムとしてのソレはまだ見てないのだ。

「インベントリの中身だって、いつ公表するべきか…………」

 そう言えば爆弾の処理も終わってなかった事を思い出した。

 やる事いっぱいだなぁ……。

「優ちゃん、今日はもう帰ってゆっくりしましょ。悩むのは後で良いわ」

「おねーちゃん、やすむのっ!」

「………………ふふっ、うん。分かったよ。今日はもう帰ってダラダラしようねぇ~!」

 そんなこんなで、今日のお買い物は終わりです。

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