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採点方式。
しおりを挟む「とりあえず、毎回スキルでゴリ押しは攻略の勉強としては下の下だから、挟み撃ちされない様に進みながら説明するね。歩きながら色々と教えるから」
「はい、フラム先生。お願いしますね」
「おねーちゃんせんせー! まえからまたきてますっ!」
「はい殲滅しまーす」
生徒役を楽しむお母さんと、最初っから元気で可愛い生徒なニクスちゃんを連れてダンジョンを進む。
当然、目に映るゴブリンはスキルで焼き滅ぼして行く。
「まず、お母さんもニクスも、そしてライブや動画でご覧の皆様方にも、蒼乃フラムが断言します」
配信者系アタッカー……、ダンジョンストリーマーとでも呼ぼうか。彼らが言ってたけど、DMはベストアングルで勝手に撮影してくれるから、カメラ目線気にしなくて済んで凄い楽。マジでそう。
私も素人だからどこ見ながら喋れば良いのか分からないけど、ただ普通に戦いながら喋れば、それだけでベストアングルの撮影がなされる。凄い助かる。
そんな事を考えながら、カメラ目線など一切気にせず、ダンジョン内を見回してモンスターの気配を探りつつ、お母さんとニクスと配信に向かって喋り続ける。
「現在、世間で一般的に語られ、予想され定説とされてるレベリングシステムは、ほぼ全部間違いです。あれを当てにレベリングすると弱くなるのでご注意ください」
「………………え?」
「そうなの…………?」
私の言葉に驚く二人。私が病院で寝てる間もテレビなどで色々と見てたはず。聞いてたはず。私はそれらをここで否定する。
「主流の説としては、モンスターを倒すとモンスターが排出する経験値をアタッカーが手に入れ、一定量貯まるとレベルアップする。能力の上昇値や必要討伐数に規則性が見られないので、その値は才能に依存するか、又はランダムである。………………そう思ってる方々は、今すぐその認識を捨てて下さい。そして明日からそのレベリングを止めて下さい」
日本だけじゃなく、世界で今主流とされてるレベリング理論は今の通りで、通称ゲームシステム理論と呼ばれてる。
DMにもモンスターを倒せば強くなれる旨が記載されていて、私の三ヶ月を映した動画にもその通りの現象が映っている。
実際、殆どのアタッカーはモンスターを倒し続けるとレベルアップして行くために、まさにゲームだとこの理論を受け入れている。
しかし、実際は違う。
「断言します。確かにモンスターを倒せば経験値は手に入ります。けど、経験値を放出してるのはモンスターじゃ有りません。…………モンスターは経験値を落としません」
この考えが、私以外のアタッカーが何故かイマイチ強くならない理由だと考える。
「……ゆ、じゃ無かったわね。フラムちゃん、どういう事かしら?」
「ん? いや、そのままの意味だよ。モンスターは経験値を落とさない。だから効率良く数を狩っても意味が無い」
世界的に見ても、レベリングの方法は基本的に『集団でモンスターをボコる』のが最適解だとされてる。
ゲームシステム理論でレベルアップに必要な討伐数が個人でズレるのも、この集団戦闘によって経験値配分がブレるからじゃないかとする人も居る。
けど、私から言うと全部間違ってる。それを確信してる。
「でも、実際にそれでレベルが上がってる人ばっかりよ?」
「ニクスも、テレビでみたよ?」
進みながら、出て来るゴブリンは片っ端から潰して行く。
今日は本当に慣れる事が目的なので、今はとにかくモンスターとの戦闘に精神を馴染ませる為に戦う。
レベリングの為の工夫はまた後日だ。
「それは当然だよ。だって経験値は得てるんだもん」
お母さんとニクスの問い掛けに答えながら、小さい蒼炎を適宜飛ばして行く。
ちなみに私はほぼ手を出さてない。たまに蒼炎でサポートするくらいで、戦闘は二人に任せてる。ナイトは殿を担当して、バックアタックを警戒してくれてる。
「モンスターは経験値を落とさないのに、モンスターを倒して経験値は得てる……? 謎かけ、なのかしら?」
「なぞなぞ~? …………ぴっ!?」
「違うよ。答えはもっとシンプルなんだ」
慣れて来たところで探索が疎かになって、岩陰に隠れてたゴブリンを見逃して奇襲されかけたニクスを蒼炎で助ける。
飛び掛るゴブリンに指先から蒼炎の弾丸を撃ちながら質問な答える。
「アタッカーに経験値を配ってるのは、ダンジョンその物だよ。お母さん、ニクス」
そう。ここが一番大事なところ。
モンスターをどれだけ効率良く倒しても関係ないんだ。
人が手に入れてる経験値とは、その多寡とは、戦闘の結果をダンジョンが評価してアタッカーに与える『採点方式』なんだから。
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