Blue Flame Little Girl 〜現代ダンジョンで地獄を見た幼女は、幸せに成り上がる〜

ももるる。

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この後どうするか。

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「…………え? 目の前で発動が条件なんじゃ?」

「バッカさねぇ。上級の攻撃魔法なんか、町中で使われて見なさいな。大変な事になるじゃないさ」

 翌日、ニクスがランク4の発動に成功したので、条件をクリアするべく魔法ガチ勢おばちゃんの所まで来たのだけど、思いっきり馬鹿にされた。

 おばちゃんは私達が店に来るなり、カウンターの奥から私達を見て、「おや、出来たみたいだねぇ。なら、鍵はそこの棚だよ。……あたしゃ炎の子がやると思ったんだけど、妹に先越されたのかい? だらしないねぇ」とか言って、さっさと鍵を売り付けてきた。

「大体、発動出来たのかくらいは見りゃ分かるのさ。生涯を魔法に捧げたババァを舐めるんじゃないよ」

 と、言うことらしい。解せぬ。

「あぁそれと、アンタらが欲しがってたアイテムを作っておいたよ。スクロールってんだろ? この先、アンタらみたいな旅人が増えるなら売れるだろうからねぇ」

「え、マジ!? どれ、どこっ、いくら!?」

「そっちの棚さね。値段はピンキリだよ」

 鍵さえ手に入れば、こんなもふもふで気が利いてツンデレ気質な可愛い可愛い獣人おばあちゃん魔女の家になんて用はない! でもたまに遊びに来るからね! って思ってたら不意打ちされて陥落した。

 マジかよスクロールめっちゃ欲しい。使い捨てに出来る量産品って言うのは譲れないアドバンテージがあるのだ。

 使い回せる魔導具が上位互換だと思う人は多いだろうけど、決してそんな事は無い。使い捨てなら盗まれても一回しか使えないし、奪い返す労力も要らない。だってまた買えば良い。

 魔導具なら壊れるまで盗人に使い回されるし、必要なら取り返さなきゃダメだ。だって買い直すの高いし、素材的に一点物って場合もある。

 他にも、荷物が持ち切れないなんて場合にも、容赦無く捨てて行ける。量産品だからまた買えば良い。今は希少なドロップを持ち帰るんだ。って感じだね。

 他にも、使い捨てだからって利点は少なくない。要するにスクロールは神アイテムだ。

「ぐぬ、魔導具よりは安いけど流石に高い……!」

「あ、おねーちゃんこれ、コルドゥラだね」

「マジかよ買おう」

「高いわよ?」

 そう、高いんだよなぁ。ランクにもよるけど、安くても5000DDとかだ。コルドゥラなんて28000DDもする。買うけどね。

「しっかしまぁ、アンタらも物好きだねぇ。魔法専門って言うよりは戦士寄りの癖に、わざわざウチで鍵買うかい?」

「…………………………は?」

 ウッキウキでスクロールの棚を漁ってたら、突然後ろから信じられない言葉を聞かされた。

 は、え? 待っておばちゃん。それ、まるで他にも鍵の入手ルートがあった様に聞こえるよ?

 私が信じたくない思いでおばちゃんに問い掛けると、おばちゃんは逆に「知らなかったのかい?」と言って、真相を教えてくれた。

「武芸百般のところで『武技』を見に付ければ、その祝いに鍵を貰えるさね」

 師範ッッ!? 教えといてよ師範ッッッ……!

 て言うか武技って何!? 此処に来て新要素は止めて!?

 こうして私達は、少なくないダメージをメンタルに抱えながら宿に帰った。もちろんスクロールは買ったよ。

 宿の食堂で適当に食事を注文しながら、三人と一頭で相談する。

「で、どうする?」

「土壇場で選択肢が増えたものねぇ」

「おねーちゃん、ぶぎってなに?」

「私も知りたいよ…………」

 私達に許された選択肢は、ダンジョンブレイクを誘発してニクスのコルドゥラで確実に災害を止めるか、六層に言って順当にヒートゲージを下げるか、この二択だった。

 けど、突然『今まで通りのローテーションで武技を習う』が選択肢にランクインした。正確には、『今まで通りのローテーションで六層攻略も視野に入れた動きで武技も習う』だけど。

「何かお悩みかい? ほら、注文のコプト揚げだよ」

「わーい! コプトの唐揚げ!」

 宿の女将さんが持って来てくれた料理にニクスが飛び付く。昨日納品したコプト肉を使ったメニューだね。昨日のお祝いで余ったお肉はそのまま宿に売ったんだ。

「追加注文で悩んでるなら、全部頼んじまいなよ」

「あー、いえ、ちょっと違うお悩みでして…………」

 けどまぁ、『悩んでるなら全部やってしまえ』って言うのは、解決法としてはありかな。ダンジョンブレイクについては慎重にならざるを得ないけど。

 お仕事に戻っていく女将を見送りながら、サクサクと唐揚げを楽しむニクスを眺めて自分も食べる。はぁ美味しい。

「とりあえず、方針を決めよう。私達的にはダンジョンブレイクが一番楽なんだろうけど、コレは無しにしようと思う。どうかな?」
 
「そうねぇ。ダンジョンブレイクの回数をゼロのままに出来るなら、その方が良いものね。安易にブレイクさせたら、次回のブレイクは二層のカーバンクルまで放出されるんだし」

「それに、万が一ミスったらそのまま普通にダンジョンブレイクが災害になるしね」

「お母さん達も万能じゃ無いものね」

 そうなると、六層へ行くのは確定で、あとは六層以降の攻略に注力するか、五層をこのまま拠点として使って武技を習いながら六層を攻略するか、どっちかだ。

 それぞれにメリットがある。攻略に力を入れて六層を超え、七層を目指す様にすれば、その分早くヒートゲージを減らせる。可能ならゼロにして置きたいしね。

 そして武技を習う方は単純だ。私達がもっと強くなる。

 どっちも一長一短か。まさか別ルートがあったとは…………。どうやって調べたらそれ分かったんだよ。

「ねぇねぇ、それってブギって言うのがどんなのか、確認してから決めても良いんじゃないの?」

「そりゃそうだ」

「そうね。確かに、学んだ方が良い技か否かを確認もせずに決めるのは不毛ね。うん、ニクスちゃんの言う通りよ」

 そんな訳で、私達はとりあえず師範の所へ行くことになった。

 師範、今日は授業の日じゃないけど許してね

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