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94話
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アースドラゴンの討伐に成功した僕たちは、とりあえず今回の事前調査はここまでとしてエイリアに帰還した。
「ただいま戻りました」
帰還の報告をするために、今僕たちはエイリア城に来ている。普段あまりこちらには来ないのだけれど、グラハム伯が忙しく屋敷に戻れそうもないとの伝言があったためだ。
「おう、おかえり。ケガも無いようでなによりだ」
「ええ、どうにかですね。今回は、久しぶりに狩人らしい狩りもしましたよ。な、ミーア」
「本当に久しぶりよね。目標を観察して、作戦を立てて。追い込んで。ふふ、しばらく忘れていた感覚ね」
「お、おう。お前たちの実力でそれやるのか」
グラハム伯の顔色が悪い。
「僕たちの実力でって言われますけど。僕たちは狩人です。対象を観察して習性、弱点を洗い、それをもとに罠にはめて安全地帯から嵌め殺すのが本来の戦い方ですよ。もちろんそれだけでは済まないので直接戦闘もしますけどね。いきなり直接戦闘というのは、あくまでも罠にかけるまでもない相手ならするというだけの事ですから。なので狩人本来の戦い方をすれば格上に対しても勝てるとそういうことです」
「格上、格上ね。お前たちにとっての格上なあ。今回は、どんなのがいたんだ」
ミーアがちょっといたずらっ子の顔で答えた。
「おっきな亀がいましたよ」
グラハム伯の表情が何を言っているんだという感じになり
「亀などそのあたりにいくらでもいるだろう」
「ええ、でも全長15メルドもあって、突進して上位魔獣を捕食するような亀は初めて見ましたよ」
「ぐ、ぐほっ」
グラハム伯がむせる。
「しかもオリハルコン製の剣で切りつけても簡単には切れなかったんですよ」
どうやら今日のミーアは小悪魔のようだ。
「他にもおっきなトカゲもいましたよ」
「あ、あはは、まさかドラゴンでもいたか」
さすがのグラハム伯も顔が引き攣っている。
「ん、どうかな。おっきな亀を甲羅ごと叩き潰して食べちゃってたみたいですけどね」
「な、お前達がオリハルコンの剣で切りつけて簡単には切れない亀を叩き潰すトカゲだと」
「ええ、アースドラゴンだと思うのですけど」
ミーアがさらりと告げると、グラハム伯の表情がさらに強張った。
「で、亀には剣で切りつけたって言っていてここにお前たちがいる以上狩ってきたんだろうが、そのアースドラゴンは……」
「はい、魔法の鞄の中です」
「ふたりで、……狩ったんだよな」
「ええ、森の深層の更に奥に他の冒険者がいるってことは流石にないですからね。でも思ったよりはうまく狩れました」
グラハム伯は、深呼吸をすると僕の方に目を向けてきた。
「で、狩人らしい狩りってのがそのキーワードなんだろうな」
「ええまあ、そうですね。久しぶりに弓を使いました」
そこから僕はアースドラゴンをどうやって討伐したのかを話した。
「しかし、本当にお前たちは規格外だな。いくら得意武器とはいえ100メルド以上離れたアースドラゴンのそれも目を1発で射抜くとはな」
「いえ、狩人の祝福を頂いて、多少の経験を積めばできる事ですよ」
「多少、多少ね。お前たちの言う多少ってのはちっとばかり怖いが、まあいいだろう。で見せてもらえるのか」
「いいですよ。ただ、ここではちょっと」
グラハム伯の執務室は、辺境伯の立場を反映し普通に広いがさすがに巨大亀や、アースドラゴンの死骸を出すのは無理だ。
「では中庭ならどうだ」
「では、出しますね」
まずはアースドラゴンを出した。
「おおお、でかいな」
グラハム伯が感嘆の声をもらし、それを確かめるかのようにコンコンと叩く。頭部を見てその牙の凶悪さに驚き、尻尾の大きさに首を振る。
「これを2人で……」
「では亀はこちらに出しますよ」
僕はグラハム伯に声を掛けアースドラゴンの隣に巨大亀の死骸を出し並べた。
「これは、グラントータスか」
どうやらグラハム伯は、この亀に心当たりがあるようだ。
「ご存知なのですか」
「詳しく知っているわけではない。俺がみたところグラントータス。伝説とまでは言わんが、ほとんど実物を見ることは無い魔獣だな。その甲羅は強固でほとんど無敵の強度を持つとまで言われているんだが。お前たちは、剣で切り刻んできたんだよな」
「切り刻むは大げさですが。まあ、剣で倒してきましたね」
そこで大きく溜息を吐き、微苦笑を漏らすグラハム伯。
「ま、いい。またギルマスが頭を抱える案件が増えただけだ。で、どうだ」
「どうだとは、なんですか」
「事前調査だろう」
「あ、そうでした。そうですね。魔獣の相手自体は僕達でどうにかなるとは思いますが、できれば僕たちの他に調査団の直掩として咄嗟の時に足止めくらいはできる人材が欲しいですね」
「お前たちだけではダメか」
「ダメとは言いませんが、このグラントータスですか、とかアースドラゴンクラスを相手すると、僕たちも討伐にそれなりに時間かかりますし、手を離せなくなります。その間調査団が無防備になるのは好ましくないかと」
「わかった、誰かみつくろおう」
「ただいま戻りました」
帰還の報告をするために、今僕たちはエイリア城に来ている。普段あまりこちらには来ないのだけれど、グラハム伯が忙しく屋敷に戻れそうもないとの伝言があったためだ。
「おう、おかえり。ケガも無いようでなによりだ」
「ええ、どうにかですね。今回は、久しぶりに狩人らしい狩りもしましたよ。な、ミーア」
「本当に久しぶりよね。目標を観察して、作戦を立てて。追い込んで。ふふ、しばらく忘れていた感覚ね」
「お、おう。お前たちの実力でそれやるのか」
グラハム伯の顔色が悪い。
「僕たちの実力でって言われますけど。僕たちは狩人です。対象を観察して習性、弱点を洗い、それをもとに罠にはめて安全地帯から嵌め殺すのが本来の戦い方ですよ。もちろんそれだけでは済まないので直接戦闘もしますけどね。いきなり直接戦闘というのは、あくまでも罠にかけるまでもない相手ならするというだけの事ですから。なので狩人本来の戦い方をすれば格上に対しても勝てるとそういうことです」
「格上、格上ね。お前たちにとっての格上なあ。今回は、どんなのがいたんだ」
ミーアがちょっといたずらっ子の顔で答えた。
「おっきな亀がいましたよ」
グラハム伯の表情が何を言っているんだという感じになり
「亀などそのあたりにいくらでもいるだろう」
「ええ、でも全長15メルドもあって、突進して上位魔獣を捕食するような亀は初めて見ましたよ」
「ぐ、ぐほっ」
グラハム伯がむせる。
「しかもオリハルコン製の剣で切りつけても簡単には切れなかったんですよ」
どうやら今日のミーアは小悪魔のようだ。
「他にもおっきなトカゲもいましたよ」
「あ、あはは、まさかドラゴンでもいたか」
さすがのグラハム伯も顔が引き攣っている。
「ん、どうかな。おっきな亀を甲羅ごと叩き潰して食べちゃってたみたいですけどね」
「な、お前達がオリハルコンの剣で切りつけて簡単には切れない亀を叩き潰すトカゲだと」
「ええ、アースドラゴンだと思うのですけど」
ミーアがさらりと告げると、グラハム伯の表情がさらに強張った。
「で、亀には剣で切りつけたって言っていてここにお前たちがいる以上狩ってきたんだろうが、そのアースドラゴンは……」
「はい、魔法の鞄の中です」
「ふたりで、……狩ったんだよな」
「ええ、森の深層の更に奥に他の冒険者がいるってことは流石にないですからね。でも思ったよりはうまく狩れました」
グラハム伯は、深呼吸をすると僕の方に目を向けてきた。
「で、狩人らしい狩りってのがそのキーワードなんだろうな」
「ええまあ、そうですね。久しぶりに弓を使いました」
そこから僕はアースドラゴンをどうやって討伐したのかを話した。
「しかし、本当にお前たちは規格外だな。いくら得意武器とはいえ100メルド以上離れたアースドラゴンのそれも目を1発で射抜くとはな」
「いえ、狩人の祝福を頂いて、多少の経験を積めばできる事ですよ」
「多少、多少ね。お前たちの言う多少ってのはちっとばかり怖いが、まあいいだろう。で見せてもらえるのか」
「いいですよ。ただ、ここではちょっと」
グラハム伯の執務室は、辺境伯の立場を反映し普通に広いがさすがに巨大亀や、アースドラゴンの死骸を出すのは無理だ。
「では中庭ならどうだ」
「では、出しますね」
まずはアースドラゴンを出した。
「おおお、でかいな」
グラハム伯が感嘆の声をもらし、それを確かめるかのようにコンコンと叩く。頭部を見てその牙の凶悪さに驚き、尻尾の大きさに首を振る。
「これを2人で……」
「では亀はこちらに出しますよ」
僕はグラハム伯に声を掛けアースドラゴンの隣に巨大亀の死骸を出し並べた。
「これは、グラントータスか」
どうやらグラハム伯は、この亀に心当たりがあるようだ。
「ご存知なのですか」
「詳しく知っているわけではない。俺がみたところグラントータス。伝説とまでは言わんが、ほとんど実物を見ることは無い魔獣だな。その甲羅は強固でほとんど無敵の強度を持つとまで言われているんだが。お前たちは、剣で切り刻んできたんだよな」
「切り刻むは大げさですが。まあ、剣で倒してきましたね」
そこで大きく溜息を吐き、微苦笑を漏らすグラハム伯。
「ま、いい。またギルマスが頭を抱える案件が増えただけだ。で、どうだ」
「どうだとは、なんですか」
「事前調査だろう」
「あ、そうでした。そうですね。魔獣の相手自体は僕達でどうにかなるとは思いますが、できれば僕たちの他に調査団の直掩として咄嗟の時に足止めくらいはできる人材が欲しいですね」
「お前たちだけではダメか」
「ダメとは言いませんが、このグラントータスですか、とかアースドラゴンクラスを相手すると、僕たちも討伐にそれなりに時間かかりますし、手を離せなくなります。その間調査団が無防備になるのは好ましくないかと」
「わかった、誰かみつくろおう」
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