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異世界文明との接触
第27話 宿屋
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打ち合わせの結果、森の一番奥で狩った2羽分のウサギの毛皮を100万スクルドで買ってもらう事で決着したのよね。その間の瑶さんのやり取りは流石は日本で営業さんだったって感じかしらね。あたしにはあれは無理だわ。
そして今、馬車でミーガンさんの常宿にしているという宿?ホテル?この世界だとどういった表現がいいのかしらね、に向かっているの。
「今日は申し訳ありませんでした」
いきなりミーガンさんが謝ってきたわね。
「なんのことですか?」
「いえ、わたしの不用意な一言でいきなりお持ちの深山ウサギの毛皮を手放させることになってしまいましたので」
「ああ、いいですよ。どのみち私達も当面の生活資金は必要でしたからね。それにこれで商業ギルドのギルマスターと面識を持てたと考えれば決してマイナスではありませんから」
「あ、あはは、瑶様、あなたは本当に恐ろしい方ですね」
「恐ろしいって、こんなに穏やかで優しい男のどこが恐ろしいっていうんですか」
「いえ、あなたを敵にするようなことがなくて良かったって事ですよ」
瑶さんとミーガンさんが何か意味深な話をしているわね。
「皆様、到着いたしました」
そんな微妙な雰囲気の中エルリさんが宿?に、もう宿で良いわね。宿に着いたことを伝えてくれて、雰囲気がリセットされたわね。あたしは”ホッ”と息をついて馬車から降りたのだけど、目の前にあったのは石造りのちょっとカッコイイ中世ヨーロッパの高級宿と言った感じの建物ね。さすがミーガンさんが常宿にするだけあって結構大きい感じだわ。
「女神の横顔にようこそ。ミーガンさんいつもご利用ありがとうございます。本日もいつものお部屋でよろしいでしょうか?」
「今日はいつものお部屋と、あと……」
そこでミーガンさんはあたし達を見てちょっと迷ったみたいね。
「2人部屋をお願いします」
あたしが言うのが一番よねきっと。
「ちょ、ちょっと、朝未。部屋は別の方がいいだろう。朝未も女の子なんだから」
あ、瑶さんが珍しく動揺してるわね。
「え、あたしみたいな子供に瑶さんは変なことしないでしょう」
そして続きは瑶さんの耳に口を寄せて囁くの。
「それにこの世界で1人きりは心細いわ」
あ、瑶さんが顔を顰めたわね。
「ふう、わかった。ミーガンさん、2人部屋でお願いします。
まったく女の子はどこでこんな手練手管を覚えるんだろうな」
ふふ、後半小声になっているけどちゃんと聞こえてますからね。
「しらない、女の子は自然と覚えるのよ」
これも瑶さんの耳に口を寄せてそっと囁いたの。
「では、少ししたら夕食の準備ができます。お呼びしますので1階のレストランにお越しください」
結局ミーガンさんの部屋の隣に2人部屋をとってもらって一度部屋で休ませてもらう事になったの。
「では、また夕食時に」
ミーガンさんもそう言って行ったのよね。
2人部屋、日本基準ならツインルームね。シングルベッドが2つと簡単なつくりの机。窓は鎧戸が開け放たれているわね。瑶さんも部屋を色々観察しているわ。でも、あたしは我慢できず柔らかそうなベッドに身体を横たえてしまったのよね。でも、うん、これは飛び込まなくて正解だったわ。飛び込んでいたら少しばかり痛い目にあっていたもの。もちろん、これまで木の上や地面で寝てたのを考えればずっと良いのだけど、やっぱり当然なのだろうけれど日本のベッドにはとても及ばないわね。
「まだガラスは普及していないみたいだね。それにまだ印刷も一般的ではないようだ」
そう言いながら瑶さんが何かの本を手渡してきたわ。見たことも無い文字なのだけど、何故か意味はわかるわ。どうもこの世界の聖書のようなものみたいね。文字が読めないのに意味だけわかるのはちょっと気持ち悪いわね。
「あの、この本を見ただけで印刷が一般的でないというのは何故わかるの?」
「この本は多分手書きだからだよ。ほらここのところのかすれ具合の変化。印刷だとこうはならないからね。多分羽ペンで手書きしているんだろうね。定期的にインクをつけなおしているのがわかるでしょ」
ふわあ、瑶さんそんなことまで分かるのね。
「ただ、文明の進みかたは地球とは違う感じかな。ほら……」
そういうと瑶さんは机の上に置いてあった道具を弄ってみせたわ。
あら、ひとつは明かり?もうひとつは……、え?お湯が沸いたわ。まるで卓上IHコンロね。
「魔法道具の存在で地球と文明の進歩を大きく違えているんじゃないかな?最初の明りは火を使っていないから少なくとも実用レベルの電球が開発された1890年以降バッテリー装備と考えれば1900年代後半かな。こっちの湯沸かしポットは正にIHだよねそうすると2000年近くじゃないかな。そして何より翻訳の魔法道具。地球でリアルタイム翻訳が実用的なレベルになったのは2010年頃だったと記憶しているから、日常の移動手段が徒歩と馬、馬車という文明レベルを考えるとかなり進み方が違うね」
本当に瑶さんはいったいどれだけの知識を持っているのかしら。それとも大人ならこのくらいの知識があって当たり前なの?
「かなり文明の進み具合が地球と違うのは分かりました。でもそれはそれでしょう?」
「いや、私達の持っている常識が常識じゃないって事だから、かなり気を使わないといけないってことだよ。そう考えると今日の商業ギルドでのやり取りはかなり有益だったと言えるね。100万スクルドというそこそこの当面の生活、活動資金が手に入り、商業ギルドのギルマスターというある程度の影響力のあると思われる人とつながりができ、しかもこの国での常識を教えてもらえる約束まで出来た。当初の予定からは大幅にズレたけれど、今のところこれ以上はない状況だよ」
「それで、これからはどうするのが良いのかしら?」
「私の考えでは、とりあえずハンターギルドに登録して当面この街エルリックを拠点に活動。かなと思う。その間にできれば文字や言葉を魔法道具無しで理解できるようになりたいかな」
「え?魔法道具は買わないの?」
「いや、もちろん翻訳の魔法道具は買う方向だけどね。文字や言葉は分かるに越したことはないからね。そして、生活を安定させつつ色々な情報を集めて、どこに行くのが良いか、地球に帰る方法は無いのか。そういった事を調べていくのがいいと思う」
そして今、馬車でミーガンさんの常宿にしているという宿?ホテル?この世界だとどういった表現がいいのかしらね、に向かっているの。
「今日は申し訳ありませんでした」
いきなりミーガンさんが謝ってきたわね。
「なんのことですか?」
「いえ、わたしの不用意な一言でいきなりお持ちの深山ウサギの毛皮を手放させることになってしまいましたので」
「ああ、いいですよ。どのみち私達も当面の生活資金は必要でしたからね。それにこれで商業ギルドのギルマスターと面識を持てたと考えれば決してマイナスではありませんから」
「あ、あはは、瑶様、あなたは本当に恐ろしい方ですね」
「恐ろしいって、こんなに穏やかで優しい男のどこが恐ろしいっていうんですか」
「いえ、あなたを敵にするようなことがなくて良かったって事ですよ」
瑶さんとミーガンさんが何か意味深な話をしているわね。
「皆様、到着いたしました」
そんな微妙な雰囲気の中エルリさんが宿?に、もう宿で良いわね。宿に着いたことを伝えてくれて、雰囲気がリセットされたわね。あたしは”ホッ”と息をついて馬車から降りたのだけど、目の前にあったのは石造りのちょっとカッコイイ中世ヨーロッパの高級宿と言った感じの建物ね。さすがミーガンさんが常宿にするだけあって結構大きい感じだわ。
「女神の横顔にようこそ。ミーガンさんいつもご利用ありがとうございます。本日もいつものお部屋でよろしいでしょうか?」
「今日はいつものお部屋と、あと……」
そこでミーガンさんはあたし達を見てちょっと迷ったみたいね。
「2人部屋をお願いします」
あたしが言うのが一番よねきっと。
「ちょ、ちょっと、朝未。部屋は別の方がいいだろう。朝未も女の子なんだから」
あ、瑶さんが珍しく動揺してるわね。
「え、あたしみたいな子供に瑶さんは変なことしないでしょう」
そして続きは瑶さんの耳に口を寄せて囁くの。
「それにこの世界で1人きりは心細いわ」
あ、瑶さんが顔を顰めたわね。
「ふう、わかった。ミーガンさん、2人部屋でお願いします。
まったく女の子はどこでこんな手練手管を覚えるんだろうな」
ふふ、後半小声になっているけどちゃんと聞こえてますからね。
「しらない、女の子は自然と覚えるのよ」
これも瑶さんの耳に口を寄せてそっと囁いたの。
「では、少ししたら夕食の準備ができます。お呼びしますので1階のレストランにお越しください」
結局ミーガンさんの部屋の隣に2人部屋をとってもらって一度部屋で休ませてもらう事になったの。
「では、また夕食時に」
ミーガンさんもそう言って行ったのよね。
2人部屋、日本基準ならツインルームね。シングルベッドが2つと簡単なつくりの机。窓は鎧戸が開け放たれているわね。瑶さんも部屋を色々観察しているわ。でも、あたしは我慢できず柔らかそうなベッドに身体を横たえてしまったのよね。でも、うん、これは飛び込まなくて正解だったわ。飛び込んでいたら少しばかり痛い目にあっていたもの。もちろん、これまで木の上や地面で寝てたのを考えればずっと良いのだけど、やっぱり当然なのだろうけれど日本のベッドにはとても及ばないわね。
「まだガラスは普及していないみたいだね。それにまだ印刷も一般的ではないようだ」
そう言いながら瑶さんが何かの本を手渡してきたわ。見たことも無い文字なのだけど、何故か意味はわかるわ。どうもこの世界の聖書のようなものみたいね。文字が読めないのに意味だけわかるのはちょっと気持ち悪いわね。
「あの、この本を見ただけで印刷が一般的でないというのは何故わかるの?」
「この本は多分手書きだからだよ。ほらここのところのかすれ具合の変化。印刷だとこうはならないからね。多分羽ペンで手書きしているんだろうね。定期的にインクをつけなおしているのがわかるでしょ」
ふわあ、瑶さんそんなことまで分かるのね。
「ただ、文明の進みかたは地球とは違う感じかな。ほら……」
そういうと瑶さんは机の上に置いてあった道具を弄ってみせたわ。
あら、ひとつは明かり?もうひとつは……、え?お湯が沸いたわ。まるで卓上IHコンロね。
「魔法道具の存在で地球と文明の進歩を大きく違えているんじゃないかな?最初の明りは火を使っていないから少なくとも実用レベルの電球が開発された1890年以降バッテリー装備と考えれば1900年代後半かな。こっちの湯沸かしポットは正にIHだよねそうすると2000年近くじゃないかな。そして何より翻訳の魔法道具。地球でリアルタイム翻訳が実用的なレベルになったのは2010年頃だったと記憶しているから、日常の移動手段が徒歩と馬、馬車という文明レベルを考えるとかなり進み方が違うね」
本当に瑶さんはいったいどれだけの知識を持っているのかしら。それとも大人ならこのくらいの知識があって当たり前なの?
「かなり文明の進み具合が地球と違うのは分かりました。でもそれはそれでしょう?」
「いや、私達の持っている常識が常識じゃないって事だから、かなり気を使わないといけないってことだよ。そう考えると今日の商業ギルドでのやり取りはかなり有益だったと言えるね。100万スクルドというそこそこの当面の生活、活動資金が手に入り、商業ギルドのギルマスターというある程度の影響力のあると思われる人とつながりができ、しかもこの国での常識を教えてもらえる約束まで出来た。当初の予定からは大幅にズレたけれど、今のところこれ以上はない状況だよ」
「それで、これからはどうするのが良いのかしら?」
「私の考えでは、とりあえずハンターギルドに登録して当面この街エルリックを拠点に活動。かなと思う。その間にできれば文字や言葉を魔法道具無しで理解できるようになりたいかな」
「え?魔法道具は買わないの?」
「いや、もちろん翻訳の魔法道具は買う方向だけどね。文字や言葉は分かるに越したことはないからね。そして、生活を安定させつつ色々な情報を集めて、どこに行くのが良いか、地球に帰る方法は無いのか。そういった事を調べていくのがいいと思う」
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