54 / 155
ギルドからの依頼
第54話 打ち合わせ室
しおりを挟む
「受けるかどうかは少し相談してからにしたいのですが」
「もちろんです。十分に打ち合わせをして判断してください。もちろん受けないという判断をされてもペナルティ等はありません。ご安心ください」
「部屋借りますね」
「はい、今なら全室空いていますが、そうですね8番をお使いください。鍵はこちらです」
あたし達はロビーを横切り、指定の打ち合わせ室に向かった。
「さて、朝未としては実際のところどう思う?」
「え?いきなりね。でもそうですね。今のあたし達なら野営をしなければある程度は大丈夫ではないかと思います。補助魔法や各属性の初歩にある探知魔法を駆使すれば不意打ちされることもないでしょ」
「まあ、そうなんだけど、その辺りほとんど朝未頼りになるけど、魔力はもちそうかな?」
「ああ、そういう事も確認する必要がありますね。一度試してみましょう」
風魔法のウィンドイヤー、土魔法のグラウンドセンス、火魔法のヒートアイ、水魔法の……?あら水魔法の探知系魔法ウォーターソナーは水中用だから今は用は無いわね、いいわ、あとは聖魔法のマナセンスと、闇属性のマインドサーチ。重ね掛けして様子を見ましょう。
「うわあ、今のあたしのレベルでも半径50メートルの範囲ならどこにどのくらい強い人がいて何をしているか何を話しているか丸わかりですよ」
本当に壁だって関係ないし、話している内容だって聞き放題じゃないの。
「あれ?隣の部屋に誰か入ってきた」
「ん?他にも空きがあるのにわざわざ隣にかい?ちょっと不自然だね」
「二人組ですが、うーん、少し様子をうかがってみますね」
あたし達が使っているのは一番奥の部屋なので奥側には部屋は無い。もちろん屋外で聞き耳を立てることは出来るけど、あまりに不審で目立つから事実上むりよね。それに普通こういう打ち合わせ室を使う場合空きがあるなら隣は使わないものだと思うのよね。
あたしはウィンドイヤーに少し多めに意識を裂いて聞き耳を立てたわ。
「おい、大丈夫か?相手は魔法使いなんだろう?」
「さすがに、個室に入った後でまで警戒しないだろ」
「まあ、そうだろうけどなあ。あのアサミってのも怒らせるとヤバいってのは聞いたし」
「まあ戦闘力自体はあるみたいだけどな、弱み握ればどうにかなるだろ」
隣から聞こえて来たのは先日魔法の練習中に絡んできたジュゼとかいうハンターね。
どうしてくれようかしら。
「どうも先日絡んできたハンターが聞き耳を立てているみたいです」
あたしは瑶さんに耳打ちしたの。さすがにこれくらいなら隣で聞き耳立てたくらいじゃ聞こえないでしょ。
「ふむ。どうする?」
「風魔法にラウドネスという魔法があります。それを少し弄って収束させれば一人だけに効果が出るように出来ると思うんです」
「ああ、ラウドネスか」
瑶さんは、あたしの提案に人の悪い笑顔で頷いたわ。ラウドネス、声や音を任意の倍率で大きく出来る魔法。つぎ込む魔力によって、その範囲の大きさと倍率をコントロールできるのよね。通常は遠くにいる仲間に声を届けるための魔法なのだけど。範囲を隣のジュゼの耳周りのみに限定、倍率はそうね囁き声が確か30デシベルで近くでの落雷が130デシベルだったわね。記憶違いでなければ20デシベル差でエネルギーが10倍だったから10万倍で持続時間は0.1秒くらいなら気を失う位ですむかしら。
あたしは魔法を練り上げる、ちょっと特殊な運用なので集中力が必要なのよね。発動時にはその範囲に対するあたしのウィンドイヤーをブロックしないといけないしね。
「バカ」
あたしが魔法を発動すると隣で何かが倒れる音がしたわ。ショック症状でも起こしていなければ気を失う程度で済んでいるはず。盗聴の罰としてはこんなものかしら。
その後、隣からバタバタと慌てて出ていく音が聞こえ、地面からの振動で一人が人一人を背負って走り出すのを感じ、マナセンスで生命反応が2つくっついて移動していくのを確認したわ。間違いなく失神したジュゼを連れの男性が背負って逃げていったのでしょう。
あら瑶さんが苦笑いしているわね。瑶さんも隣の部屋くらいが対象ならあたしと同じ探知魔法を使えるはずだから何が起こったのか分かっているのでしょうね。
「非殺傷とは言え、朝未容赦ないな」
「あら、他パーティーの打合せを盗聴していたら何されても仕方ないと思うのだけど。むしろ、まだ優しいでしょ。多分後遺障害も残らないわ」
瑶さんはこの話はここまでとちょっと肩をすくめ、表情を戻したわね。
「さて、邪魔者は排除したわけだけど、どうかな?魔力の消耗具合は」
「うーん、そうですね。発動してまだ30分も経っていないので正確にはなんとも言えませんが、あまり気にならない程度の消耗ですね。多分1日中発動していても平気だと思います。戦闘にもほとんど影響は無いと思います」
「もちろんです。十分に打ち合わせをして判断してください。もちろん受けないという判断をされてもペナルティ等はありません。ご安心ください」
「部屋借りますね」
「はい、今なら全室空いていますが、そうですね8番をお使いください。鍵はこちらです」
あたし達はロビーを横切り、指定の打ち合わせ室に向かった。
「さて、朝未としては実際のところどう思う?」
「え?いきなりね。でもそうですね。今のあたし達なら野営をしなければある程度は大丈夫ではないかと思います。補助魔法や各属性の初歩にある探知魔法を駆使すれば不意打ちされることもないでしょ」
「まあ、そうなんだけど、その辺りほとんど朝未頼りになるけど、魔力はもちそうかな?」
「ああ、そういう事も確認する必要がありますね。一度試してみましょう」
風魔法のウィンドイヤー、土魔法のグラウンドセンス、火魔法のヒートアイ、水魔法の……?あら水魔法の探知系魔法ウォーターソナーは水中用だから今は用は無いわね、いいわ、あとは聖魔法のマナセンスと、闇属性のマインドサーチ。重ね掛けして様子を見ましょう。
「うわあ、今のあたしのレベルでも半径50メートルの範囲ならどこにどのくらい強い人がいて何をしているか何を話しているか丸わかりですよ」
本当に壁だって関係ないし、話している内容だって聞き放題じゃないの。
「あれ?隣の部屋に誰か入ってきた」
「ん?他にも空きがあるのにわざわざ隣にかい?ちょっと不自然だね」
「二人組ですが、うーん、少し様子をうかがってみますね」
あたし達が使っているのは一番奥の部屋なので奥側には部屋は無い。もちろん屋外で聞き耳を立てることは出来るけど、あまりに不審で目立つから事実上むりよね。それに普通こういう打ち合わせ室を使う場合空きがあるなら隣は使わないものだと思うのよね。
あたしはウィンドイヤーに少し多めに意識を裂いて聞き耳を立てたわ。
「おい、大丈夫か?相手は魔法使いなんだろう?」
「さすがに、個室に入った後でまで警戒しないだろ」
「まあ、そうだろうけどなあ。あのアサミってのも怒らせるとヤバいってのは聞いたし」
「まあ戦闘力自体はあるみたいだけどな、弱み握ればどうにかなるだろ」
隣から聞こえて来たのは先日魔法の練習中に絡んできたジュゼとかいうハンターね。
どうしてくれようかしら。
「どうも先日絡んできたハンターが聞き耳を立てているみたいです」
あたしは瑶さんに耳打ちしたの。さすがにこれくらいなら隣で聞き耳立てたくらいじゃ聞こえないでしょ。
「ふむ。どうする?」
「風魔法にラウドネスという魔法があります。それを少し弄って収束させれば一人だけに効果が出るように出来ると思うんです」
「ああ、ラウドネスか」
瑶さんは、あたしの提案に人の悪い笑顔で頷いたわ。ラウドネス、声や音を任意の倍率で大きく出来る魔法。つぎ込む魔力によって、その範囲の大きさと倍率をコントロールできるのよね。通常は遠くにいる仲間に声を届けるための魔法なのだけど。範囲を隣のジュゼの耳周りのみに限定、倍率はそうね囁き声が確か30デシベルで近くでの落雷が130デシベルだったわね。記憶違いでなければ20デシベル差でエネルギーが10倍だったから10万倍で持続時間は0.1秒くらいなら気を失う位ですむかしら。
あたしは魔法を練り上げる、ちょっと特殊な運用なので集中力が必要なのよね。発動時にはその範囲に対するあたしのウィンドイヤーをブロックしないといけないしね。
「バカ」
あたしが魔法を発動すると隣で何かが倒れる音がしたわ。ショック症状でも起こしていなければ気を失う程度で済んでいるはず。盗聴の罰としてはこんなものかしら。
その後、隣からバタバタと慌てて出ていく音が聞こえ、地面からの振動で一人が人一人を背負って走り出すのを感じ、マナセンスで生命反応が2つくっついて移動していくのを確認したわ。間違いなく失神したジュゼを連れの男性が背負って逃げていったのでしょう。
あら瑶さんが苦笑いしているわね。瑶さんも隣の部屋くらいが対象ならあたしと同じ探知魔法を使えるはずだから何が起こったのか分かっているのでしょうね。
「非殺傷とは言え、朝未容赦ないな」
「あら、他パーティーの打合せを盗聴していたら何されても仕方ないと思うのだけど。むしろ、まだ優しいでしょ。多分後遺障害も残らないわ」
瑶さんはこの話はここまでとちょっと肩をすくめ、表情を戻したわね。
「さて、邪魔者は排除したわけだけど、どうかな?魔力の消耗具合は」
「うーん、そうですね。発動してまだ30分も経っていないので正確にはなんとも言えませんが、あまり気にならない程度の消耗ですね。多分1日中発動していても平気だと思います。戦闘にもほとんど影響は無いと思います」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
【完結】おじいちゃんは元勇者
三園 七詩
ファンタジー
元勇者のおじいさんに拾われた子供の話…
親に捨てられ、周りからも見放され生きる事をあきらめた子供の前に国から追放された元勇者のおじいさんが現れる。
エイトを息子のように可愛がり…いつしか子供は強くなり過ぎてしまっていた…
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
神々の間では異世界転移がブームらしいです。
はぐれメタボ
ファンタジー
第1部《漆黒の少女》
楠木 優香は神様によって異世界に送られる事になった。
理由は『最近流行ってるから』
数々のチートを手にした優香は、ユウと名を変えて、薬師兼冒険者として異世界で生きる事を決める。
優しくて単純な少女の異世界冒険譚。
第2部 《精霊の紋章》
ユウの冒険の裏で、田舎の少年エリオは多くの仲間と共に、世界の命運を掛けた戦いに身を投じて行く事になる。
それは、英雄に憧れた少年の英雄譚。
第3部 《交錯する戦場》
各国が手を結び結成された人類連合と邪神を奉じる魔王に率いられた魔族軍による戦争が始まった。
人間と魔族、様々な意思と策謀が交錯する群像劇。
第4部 《新たなる神話》
戦争が終結し、邪神の討伐を残すのみとなった。
連合からの依頼を受けたユウは、援軍を率いて勇者の後を追い邪神の神殿を目指す。
それは、この世界で最も新しい神話。
召喚聖女に嫌われた召喚娘
ざっく
恋愛
闇に引きずり込まれてやってきた異世界。しかし、一緒に来た見覚えのない女の子が聖女だと言われ、亜優は放置される。それに文句を言えば、聖女に悲しげにされて、その場の全員に嫌われてしまう。
どうにか、仕事を探し出したものの、聖女に嫌われた娘として、亜優は魔物が闊歩するという森に捨てられてしまった。そこで出会った人に助けられて、亜優は安全な場所に帰る。
石塔に幽閉って、私、石の聖女ですけど
ハツカ
恋愛
私はある日、王子から役立たずだからと、石塔に閉じ込められた。
でも私は石の聖女。
石でできた塔に閉じ込められても何も困らない。
幼馴染の従者も一緒だし。
どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜
サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。
〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。
だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。
〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。
危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。
『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』
いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。
すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。
これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる