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新天地へ
第91話 それってワニって言わないかな
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「ごちそうさま。いつも天使ちゃんの作ってくれる食事が美味すぎるな。なあヨウ、マルティナ、お前らっていつもこういうの食ってるってことだよな?」
「そうですね。エルリックで家を借りてからこっち朝未の作ってくれる料理を食べてますよ」
護衛を受けたマルタさんの目的地グライナーまであとおよそ3日となった夕食時、フアンさんが瑶さんとマルティナさんとおしゃべりしているわね。
「くう、こんな食事を毎日とか羨ましすぎる。戦えば並の傭兵じゃ10人がかりでも敵わないほど強くて、魔法も得意で、こんな美味い食事をつくれる可愛いくて天使と呼ばれるほどに優しい女の子。完璧じゃないか。傭兵ギルドのメンバーに嫁にしたいって思われてた以上だからな」
「へえ、傭兵ギルドでは朝未ってそんなに人気があったんですね」
「アサミ様の魅力を知れば、そうなっても不思議ではありません。むしろハンターギルドでの扱いが……いえ、あれはあれでアサミ様の魅力は浸透していましたね」
ああ、なんか3人であたしを褒め殺し?褒め殺しなの?顔を上げられないわ。
って、あら?拡大したマナセンスに反応があるわ。
「瑶さん、食事は匂いや音が出ます。盗賊ならあまり関係ないかもしれませんが、この辺りは魔獣が脅威らしいですから、一度見回りに行きたいんですが、一緒に行ってくれませんか?」
「っと、そうだね。一度しっかり見回りしてきた方がいいだろうね」
あたしの視線に事情をたぶん察してくれた瑶さんが、すぐに同意してくれてよかったわ。気づいてくれなかったらどうしようかと思ったもの。
「マルティナさんは、野営地の護衛をお願いします。魔獣相手の警戒は傭兵さんたちよりマルティナさんのほうが慣れていると思いますから。……一応ウィンドイヤーで聞いてますから、何かあったら呼んでください」
あたしは最後はマルティナさんだけに聞こえるように囁いて立ち上がる。
「わかりました。こちらの事はお任せください」
槍を構えてマルティナさんが頷いてくれた。
あたしは、そんなマルティナさんに笑顔で軽く手を振って”見回り”にでかける。そんなあたしの左斜め前を瑶さんが長剣を手に進んでいる。
「朝未、誘導頼むね。私の探知魔法では、まるでわからないから」
「はい、大丈夫です。あ、少し左方向です。距離はここからだとだいたい800メートル。数は5ですね。ただ、マナが結構大きいので少し手強いかもしれません」
「ふむ、具体的にはどのくらい?」
「そうですね、普通のオークの2倍までいかないくらいですね。今までの経験からするとマナセンスで感じるマナの大きさに強さは大体比例してた感じがするのでオーク以上ゴブリンの変異種未満と言った感じだと思います。戦力的には相性次第ですが、あたしと瑶さんのふたりなら対応できると思います」
「他には?」
「さすがに、この距離だとこれ以上はちょっと。もう少し近くなれば少しは分かると思います」
「わかった。もう少し近づいてからどうするか判断しよう」
あたし達は慎重に近づいていく。少しだけ風下側に回り込んだので遠回りになったけれど、距離が500メートルを切ったところで拡張したマナセンスとウィンドイヤーでの探知からグラウンドセンス、ヒートアイ、マインドサーチを追加した探知に切り替える。探知範囲が500メートルまで落ちるけど、情報量は増えるので探ってみるのにはいいのよね。そこで、いったん瑶さんの肩に手を置いて止まってもらった。
「相手は、おそらく4本足、地面への圧力からして1体あたり500キロくらいの体重、体重のわりに足音が小さいですね。知能というか言葉を使うかは分かりませんがとりあえず、あたしの理解できる言葉は口にしていません。あと敵意は結構強いです。放置すれば野営地を襲うと思います。」
「……。わかった、私と朝未で対処しよう。もう少し接近して目視で確認してから作戦を決めるということでいいね」
あたしの囁きに瑶さんが返してくれたのは予想通りの返事だったわ。あたしは小さくうなずいて探知魔法に意識をむけなおした。
慎重に近づきそろそろ目視出来そうな距離……、あ、もう日も暮れて暗くなっているのよね。あたしはヒートアイで普通に見えてるけど、瑶さんにはそこまで見えてないはず。うっかりしてたわ。
「瑶さん、そろそろ目視できる距離ですけど、暗いですよね。見えます?」
「ん?ああ、大丈夫だよ。朝未ほど上手じゃないけど、私も探知魔法使えるからね。ヒートアイだけ程度なら戦闘中にもできるさ。朝未みたいに全属性の探知魔法を常時展開なんてことはできないし、探知範囲も数十メートルで限界だけどね。ま、近接戦闘なら私のヒートアイでも間に合うから大丈夫だよ。ただ、ここからだとボンヤリとしか分からないな。いるのは分かるけど細かいところは分からない感じだね。なんか随分と背が低そうかなとはわかるくらい」
「そうですね、じゃあ、簡単に見た感じを説明しますね。見た感じは大きなトカゲですね。動きもそんな感じです。小さい物が全長3メートルくらい、大きい個体だと5メートル近い感じです。マナサーチの反応でも大きな個体ほど強そうですが、何倍も強い感じはありません。戦闘になればわかりませんけど、移動速度はそれほど速くはないですね」
「朝未、それってワニって言わないかな、ひょっとして」
「あ、言われてみれば。距離があって小さく見えたからですかね最初にトカゲって思っちゃったみたいです」
「しかし、ワニか。となるといつのも朝未の開幕ヘッドショットは難しいかもしれないな」
「え?別に距離的には当てられると思いますよ。特に皮が硬いとかだときついかもしれませんけど」
「ああ、いやいや。これは地球のワニの場合ではあるんだけどね。ワニの脳って10g前後しかなくて、大きさとしてはそれこそクッキーくらいの大きさらしいんだよ。だからさすがにね」
「あはは、それは無理ですね。当たったとしても運ですよね。となると、最初1体くらいをファイヤーアローで頭ごと吹っ飛ばすのがせいぜいでしょうか」
「そうだね。そのあとは剣で仕留めるしかないかな」
「とすると、近接戦闘では瑶さんお願いします」
「あはは、もちろん。あと朝未は魔法で牽制頼むね」
「はい、森の中なのでホーリーで弱らせてストーンミサイルとアイスランス使いますね」
激しく動いている戦闘中だと魔法も外れることあるから森の中での戦闘では土属性魔法か水属性魔法になるのよね。風属性だとちょっと戦闘向けの魔法はちょっと上級になるうえに効果も微妙だもの。それだったらホーリー使ったほうがマシね。
風下から接近したので気づかれることなく20メートルくらいまで近づけたわ。あたしは瑶さんと自分自身に補助魔法をかけていく。そして、
「いきますね。ファイヤーアロー」
「そうですね。エルリックで家を借りてからこっち朝未の作ってくれる料理を食べてますよ」
護衛を受けたマルタさんの目的地グライナーまであとおよそ3日となった夕食時、フアンさんが瑶さんとマルティナさんとおしゃべりしているわね。
「くう、こんな食事を毎日とか羨ましすぎる。戦えば並の傭兵じゃ10人がかりでも敵わないほど強くて、魔法も得意で、こんな美味い食事をつくれる可愛いくて天使と呼ばれるほどに優しい女の子。完璧じゃないか。傭兵ギルドのメンバーに嫁にしたいって思われてた以上だからな」
「へえ、傭兵ギルドでは朝未ってそんなに人気があったんですね」
「アサミ様の魅力を知れば、そうなっても不思議ではありません。むしろハンターギルドでの扱いが……いえ、あれはあれでアサミ様の魅力は浸透していましたね」
ああ、なんか3人であたしを褒め殺し?褒め殺しなの?顔を上げられないわ。
って、あら?拡大したマナセンスに反応があるわ。
「瑶さん、食事は匂いや音が出ます。盗賊ならあまり関係ないかもしれませんが、この辺りは魔獣が脅威らしいですから、一度見回りに行きたいんですが、一緒に行ってくれませんか?」
「っと、そうだね。一度しっかり見回りしてきた方がいいだろうね」
あたしの視線に事情をたぶん察してくれた瑶さんが、すぐに同意してくれてよかったわ。気づいてくれなかったらどうしようかと思ったもの。
「マルティナさんは、野営地の護衛をお願いします。魔獣相手の警戒は傭兵さんたちよりマルティナさんのほうが慣れていると思いますから。……一応ウィンドイヤーで聞いてますから、何かあったら呼んでください」
あたしは最後はマルティナさんだけに聞こえるように囁いて立ち上がる。
「わかりました。こちらの事はお任せください」
槍を構えてマルティナさんが頷いてくれた。
あたしは、そんなマルティナさんに笑顔で軽く手を振って”見回り”にでかける。そんなあたしの左斜め前を瑶さんが長剣を手に進んでいる。
「朝未、誘導頼むね。私の探知魔法では、まるでわからないから」
「はい、大丈夫です。あ、少し左方向です。距離はここからだとだいたい800メートル。数は5ですね。ただ、マナが結構大きいので少し手強いかもしれません」
「ふむ、具体的にはどのくらい?」
「そうですね、普通のオークの2倍までいかないくらいですね。今までの経験からするとマナセンスで感じるマナの大きさに強さは大体比例してた感じがするのでオーク以上ゴブリンの変異種未満と言った感じだと思います。戦力的には相性次第ですが、あたしと瑶さんのふたりなら対応できると思います」
「他には?」
「さすがに、この距離だとこれ以上はちょっと。もう少し近くなれば少しは分かると思います」
「わかった。もう少し近づいてからどうするか判断しよう」
あたし達は慎重に近づいていく。少しだけ風下側に回り込んだので遠回りになったけれど、距離が500メートルを切ったところで拡張したマナセンスとウィンドイヤーでの探知からグラウンドセンス、ヒートアイ、マインドサーチを追加した探知に切り替える。探知範囲が500メートルまで落ちるけど、情報量は増えるので探ってみるのにはいいのよね。そこで、いったん瑶さんの肩に手を置いて止まってもらった。
「相手は、おそらく4本足、地面への圧力からして1体あたり500キロくらいの体重、体重のわりに足音が小さいですね。知能というか言葉を使うかは分かりませんがとりあえず、あたしの理解できる言葉は口にしていません。あと敵意は結構強いです。放置すれば野営地を襲うと思います。」
「……。わかった、私と朝未で対処しよう。もう少し接近して目視で確認してから作戦を決めるということでいいね」
あたしの囁きに瑶さんが返してくれたのは予想通りの返事だったわ。あたしは小さくうなずいて探知魔法に意識をむけなおした。
慎重に近づきそろそろ目視出来そうな距離……、あ、もう日も暮れて暗くなっているのよね。あたしはヒートアイで普通に見えてるけど、瑶さんにはそこまで見えてないはず。うっかりしてたわ。
「瑶さん、そろそろ目視できる距離ですけど、暗いですよね。見えます?」
「ん?ああ、大丈夫だよ。朝未ほど上手じゃないけど、私も探知魔法使えるからね。ヒートアイだけ程度なら戦闘中にもできるさ。朝未みたいに全属性の探知魔法を常時展開なんてことはできないし、探知範囲も数十メートルで限界だけどね。ま、近接戦闘なら私のヒートアイでも間に合うから大丈夫だよ。ただ、ここからだとボンヤリとしか分からないな。いるのは分かるけど細かいところは分からない感じだね。なんか随分と背が低そうかなとはわかるくらい」
「そうですね、じゃあ、簡単に見た感じを説明しますね。見た感じは大きなトカゲですね。動きもそんな感じです。小さい物が全長3メートルくらい、大きい個体だと5メートル近い感じです。マナサーチの反応でも大きな個体ほど強そうですが、何倍も強い感じはありません。戦闘になればわかりませんけど、移動速度はそれほど速くはないですね」
「朝未、それってワニって言わないかな、ひょっとして」
「あ、言われてみれば。距離があって小さく見えたからですかね最初にトカゲって思っちゃったみたいです」
「しかし、ワニか。となるといつのも朝未の開幕ヘッドショットは難しいかもしれないな」
「え?別に距離的には当てられると思いますよ。特に皮が硬いとかだときついかもしれませんけど」
「ああ、いやいや。これは地球のワニの場合ではあるんだけどね。ワニの脳って10g前後しかなくて、大きさとしてはそれこそクッキーくらいの大きさらしいんだよ。だからさすがにね」
「あはは、それは無理ですね。当たったとしても運ですよね。となると、最初1体くらいをファイヤーアローで頭ごと吹っ飛ばすのがせいぜいでしょうか」
「そうだね。そのあとは剣で仕留めるしかないかな」
「とすると、近接戦闘では瑶さんお願いします」
「あはは、もちろん。あと朝未は魔法で牽制頼むね」
「はい、森の中なのでホーリーで弱らせてストーンミサイルとアイスランス使いますね」
激しく動いている戦闘中だと魔法も外れることあるから森の中での戦闘では土属性魔法か水属性魔法になるのよね。風属性だとちょっと戦闘向けの魔法はちょっと上級になるうえに効果も微妙だもの。それだったらホーリー使ったほうがマシね。
風下から接近したので気づかれることなく20メートルくらいまで近づけたわ。あたしは瑶さんと自分自身に補助魔法をかけていく。そして、
「いきますね。ファイヤーアロー」
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