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新天地へ
第93話 焼肉?
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「な、なんだこれは?」
あたしが朝食の支度をしていると、起きてきたフランさんが叫び声をあげた。でも、あたしは手が離せないのよね。瑶さんは、と見回した視界にはいないし。
「昨夜の獲物です。今はちょっと手が離せないので、説明は後にさせてください」
夜だったことと、野営地の護衛のことを考えて、あたしたちはワニの解体は現地では諦めたのよね。一応血抜きだけはしておいたけど。なので今この野営地にはかなり大きなワニの死体が5体横たわっている。重量的に持ってくるのは無理かなって思ったのだけど、あたしと瑶さんの身体が思ったより高性能になっていて引きずってくる分には平気だったのよね。10代の乙女としては自分の力に現実逃避したくなったのは秘密なのだけど。事実としてあたしは1体だけでも数百キロはあるだろうワニの死体を野営地まで楽に2体引きずってきてしまった。瑶さんにいたってはリーダーワニを含めて3体を引きずってきたのだけど、あれは1トンを超えているわよね。
「それで、あれは?フォレストクロコだよな。どうしたんだ?」
朝食の準備がだいたい終わったところで、マルティナさんが片付けを引き受けてくれているので、あたしの手が空いているのをいいことにフランさんとマルタさんが聞いてきたわね。
「昨夜、あたしたちが見張りに立っているときに襲ってきたワニですね。少し離れた場所で斃したんですけど、魔獣じゃなさそうだったので食料にでもならないかなと思って持ってきておいたんです。あれフォレストクロコって言うんですか?」
「知らずに2人で戦ったのか。5頭相手に?こいつら普通の個体でもオークより手強いっていうし、このでかいのリーダーだろ?よく勝てたな」
「でも、ハイオークよりは弱かったですよ。あたしの魔法も瑶さんの剣も普通に通りましたから」
「さすがにハイオークと比べるのは……。さすがはクリフに2人で行こうってだけはあるってことか」
ん?クリフに行くのってそんな風に言われるようなことなのかしら。
まあ、行くことは決まっているんだから、行けば分かるわね。
「そんなにいうほど強いんですか、このワニ?」
「強いはずだな。俺たちは傭兵なんであまり相手をすることはないが、1頭あたり5級以上のハンター1パーティであたるのが当たり前だと聞くぞ」
そんなに強かったかしらね。それよりも今は、このワニが食べられるかどうかよ。
「それで、このワニ、フォレストクロコですか?これは食料になりますか?」
「ん、ああ。高級食材だぞ。とは言っても全部が全部食べられるわけじゃない。内臓や頭はほぼ食べられない。骨も使い道がない。実際に食用肉になるのは全体の半分といったところだろうな。それでも、この量だと……」
5体でおそらく2トン近いワニの死体。食用になるのがその半分程度だとしても約1トン。うん、とても食べきれるものではないわね。内臓は食べられないというのは腐りやすいからだと思うのだけど。とは言っても何でもかんでも口にするのはちょっと気が引ける。それでも肝臓と心臓は試してみたいわね。もし毒があっても、あたしや瑶さんなら平気だと思うし、マルティナさんなら、何かあってもあたしが治療すればいいもの。
となれば、少なくとも1体は朝食前に解体してしまいたい。いえ、むしろ朝食用に使うのがいいわね。
「今日は、昨夜襲ってきたフォレストクロコのステーキをつけてみました」
「アサミ様。アサミ様とヨウ様、それにマルティナ様の前にあるのはステーキだけでないようですが」
マルタさんが目ざとくあたしたちの前の皿の料理について聞いてきたわね。
「あー、これは。フォレストクロコの肝臓と心臓を少し焼いてみたんです」
レバーとかハツとか言ってもわからないだろうとこういう名前で説明したけどわかるかしら。
「え、それは……。食べることができるのでしょうか?」
「それは、実はわからないんです」
「わからないものを食べるのですか?」
マルタさんの目が見開かれた。
まあ、そうよね。この世界の医療レベルだと、何かあったらそのまま死んじゃうだろうし。
どう説明しようかしらね。
「わからないと言っても、予想もつかないというわけではないので」
あら、マルタさんが首をかしげて不思議そうな表情になったわね。多分大分年上だと思うけど、こういう顔をするとかわいらしいのよね。っとそうじゃなくて今は説明よね。
「肉は普通に食べられていますので毒は多分無いだろうなと思うんです。それでいて内臓はほぼ食べられないといわれたので、おそらくは街に持ち込むまでに内臓は傷んで食べられない状態になってしまうのではないかと思うんです。となれば、フォレストクロコを狩った人も無駄に重荷になる内臓は捨てるようになって、普通は食べられない、という話になったのだと予想したんです。ですが、ここでなら新鮮な状態で食べられますから、食べてみようかと……」
あたしの説明にマルタさんの視線が瑶さんに向いたわね。
「私達は、食べ物について朝未を信頼しています。朝未が大丈夫と言えば試すのはやぶさかでないですね」
あ、瑶さんその言い方はちょっと違うでしょう。あたしと瑶さんはちょっとくらいの毒なんか平気だっていうのが前提なのに。
「そうは言っても、普通は口にしないものとなれば皆さん抵抗があると思いましたので、これはあたし達だけで試そうと思ってこうさせていただきました。もちろんご希望があれば同じものを準備できます。ほかの肉と違って量は限られますけど」
あたしの言葉に納得した顔のメンバーを見て、あたしは、まずはレバーを試す。うん、美味しい。変な感じも無いので毒もなさそうね。見ると瑶さんもマルティナさんも美味しそうに食べているじゃないの。次はハツを口に運んでみる。うんこっちもコリコリした食感がいいわね。味も美味しい。
「あ、あの、俺たちにも焼いてもらえるかな?」
「ええ、いいですよ」
最初に言ってきたのは貫く剣のみんな。塩とハーブで味付けをしたレバーやハツを美味しそうに食べてるわね。
うんやっぱり美味しいは正義だわ。
あたしが朝食の支度をしていると、起きてきたフランさんが叫び声をあげた。でも、あたしは手が離せないのよね。瑶さんは、と見回した視界にはいないし。
「昨夜の獲物です。今はちょっと手が離せないので、説明は後にさせてください」
夜だったことと、野営地の護衛のことを考えて、あたしたちはワニの解体は現地では諦めたのよね。一応血抜きだけはしておいたけど。なので今この野営地にはかなり大きなワニの死体が5体横たわっている。重量的に持ってくるのは無理かなって思ったのだけど、あたしと瑶さんの身体が思ったより高性能になっていて引きずってくる分には平気だったのよね。10代の乙女としては自分の力に現実逃避したくなったのは秘密なのだけど。事実としてあたしは1体だけでも数百キロはあるだろうワニの死体を野営地まで楽に2体引きずってきてしまった。瑶さんにいたってはリーダーワニを含めて3体を引きずってきたのだけど、あれは1トンを超えているわよね。
「それで、あれは?フォレストクロコだよな。どうしたんだ?」
朝食の準備がだいたい終わったところで、マルティナさんが片付けを引き受けてくれているので、あたしの手が空いているのをいいことにフランさんとマルタさんが聞いてきたわね。
「昨夜、あたしたちが見張りに立っているときに襲ってきたワニですね。少し離れた場所で斃したんですけど、魔獣じゃなさそうだったので食料にでもならないかなと思って持ってきておいたんです。あれフォレストクロコって言うんですか?」
「知らずに2人で戦ったのか。5頭相手に?こいつら普通の個体でもオークより手強いっていうし、このでかいのリーダーだろ?よく勝てたな」
「でも、ハイオークよりは弱かったですよ。あたしの魔法も瑶さんの剣も普通に通りましたから」
「さすがにハイオークと比べるのは……。さすがはクリフに2人で行こうってだけはあるってことか」
ん?クリフに行くのってそんな風に言われるようなことなのかしら。
まあ、行くことは決まっているんだから、行けば分かるわね。
「そんなにいうほど強いんですか、このワニ?」
「強いはずだな。俺たちは傭兵なんであまり相手をすることはないが、1頭あたり5級以上のハンター1パーティであたるのが当たり前だと聞くぞ」
そんなに強かったかしらね。それよりも今は、このワニが食べられるかどうかよ。
「それで、このワニ、フォレストクロコですか?これは食料になりますか?」
「ん、ああ。高級食材だぞ。とは言っても全部が全部食べられるわけじゃない。内臓や頭はほぼ食べられない。骨も使い道がない。実際に食用肉になるのは全体の半分といったところだろうな。それでも、この量だと……」
5体でおそらく2トン近いワニの死体。食用になるのがその半分程度だとしても約1トン。うん、とても食べきれるものではないわね。内臓は食べられないというのは腐りやすいからだと思うのだけど。とは言っても何でもかんでも口にするのはちょっと気が引ける。それでも肝臓と心臓は試してみたいわね。もし毒があっても、あたしや瑶さんなら平気だと思うし、マルティナさんなら、何かあってもあたしが治療すればいいもの。
となれば、少なくとも1体は朝食前に解体してしまいたい。いえ、むしろ朝食用に使うのがいいわね。
「今日は、昨夜襲ってきたフォレストクロコのステーキをつけてみました」
「アサミ様。アサミ様とヨウ様、それにマルティナ様の前にあるのはステーキだけでないようですが」
マルタさんが目ざとくあたしたちの前の皿の料理について聞いてきたわね。
「あー、これは。フォレストクロコの肝臓と心臓を少し焼いてみたんです」
レバーとかハツとか言ってもわからないだろうとこういう名前で説明したけどわかるかしら。
「え、それは……。食べることができるのでしょうか?」
「それは、実はわからないんです」
「わからないものを食べるのですか?」
マルタさんの目が見開かれた。
まあ、そうよね。この世界の医療レベルだと、何かあったらそのまま死んじゃうだろうし。
どう説明しようかしらね。
「わからないと言っても、予想もつかないというわけではないので」
あら、マルタさんが首をかしげて不思議そうな表情になったわね。多分大分年上だと思うけど、こういう顔をするとかわいらしいのよね。っとそうじゃなくて今は説明よね。
「肉は普通に食べられていますので毒は多分無いだろうなと思うんです。それでいて内臓はほぼ食べられないといわれたので、おそらくは街に持ち込むまでに内臓は傷んで食べられない状態になってしまうのではないかと思うんです。となれば、フォレストクロコを狩った人も無駄に重荷になる内臓は捨てるようになって、普通は食べられない、という話になったのだと予想したんです。ですが、ここでなら新鮮な状態で食べられますから、食べてみようかと……」
あたしの説明にマルタさんの視線が瑶さんに向いたわね。
「私達は、食べ物について朝未を信頼しています。朝未が大丈夫と言えば試すのはやぶさかでないですね」
あ、瑶さんその言い方はちょっと違うでしょう。あたしと瑶さんはちょっとくらいの毒なんか平気だっていうのが前提なのに。
「そうは言っても、普通は口にしないものとなれば皆さん抵抗があると思いましたので、これはあたし達だけで試そうと思ってこうさせていただきました。もちろんご希望があれば同じものを準備できます。ほかの肉と違って量は限られますけど」
あたしの言葉に納得した顔のメンバーを見て、あたしは、まずはレバーを試す。うん、美味しい。変な感じも無いので毒もなさそうね。見ると瑶さんもマルティナさんも美味しそうに食べているじゃないの。次はハツを口に運んでみる。うんこっちもコリコリした食感がいいわね。味も美味しい。
「あ、あの、俺たちにも焼いてもらえるかな?」
「ええ、いいですよ」
最初に言ってきたのは貫く剣のみんな。塩とハーブで味付けをしたレバーやハツを美味しそうに食べてるわね。
うんやっぱり美味しいは正義だわ。
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