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力をつけるために
第103話 中級魔法
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あたしが放ったフレアアローに腰の引けたゴブリンの群れなど瑶さんとマルティナさんの前には敵ではなく、後ろから続いてきていた2つの群れを含む40体近いゴブリンは瞬く間に殲滅されてしまった。
「で、朝未。さっきの魔法は?」
「単なる中級火属性魔法のフレアアローです。同じ中級でもファイヤーランスより威力は落ちるはずなんですけど」
あんな威力が出るほど魔力込めたつもりはなかったのに。
「最近朝未は魔法に通常より魔力込める練習と魔力増加の練習をしているよね」
「え?ええ。大分効果が出てきてるのを感じてます」
マルティナさんと出会った頃に比べて魔法に魔力を込める速さも、込められる魔力量も、そしてあたしの中の魔力総量も3倍では済まない程度に向上しているのがわかる。それでもリザレクションを含む聖女専用魔法は魔力不足で使えないのよね。
「とっさのことで想定より多くの魔力を込めてしまったということは無いかな?」
瑶さんの言葉に、あたしはちょっと考え込む。どうだったかしら。
「ファイアーアローより貫通力のある魔法って思ってそれ以外は何も考えないで使っただけだから、そんなに魔力を込めてはいない……と思います。そんな大量の魔力を込める時間もなかったし……うん、魔力もそんなに減ってないです」
「……より上位の魔法は発動の敷居は高いけど、発動できれば効率は高いってことかな?それで朝未が使うと威力が高い?」
瑶さんが、何か考えているわね。
「でも、エルリックにいたころにはあんな威力はありませんでした。エルリックではファイヤーアローでほとんど済んでいましたからフレアアローを使う機会はあまりありませんでしたけど」
「色々、想像できることはありそうですけど、どこかで確かめてみるのは必要かもしれませんね。幸いクリフの周囲は、色々と特別ですので、少し森の中にはいってしまえば多少のことなら誰も気にしませんから」
「でも、森の中に入っていったらオーガとかトロールとかも出てくるんでしょ?」
「そうですね。でも、今の戦闘を見た感じ、まず問題は無いと思います」
マルティナさんが無茶を言い出したわね。
「でも、武器の性能が不足しているって……」
「ええ、確かにヨウ様とわたしの武器は森の中の魔物を斃すのに力不足と言わざるを得ません。でも、それでも斃せないまでも抑えることはできます。その間にアサミ様が魔法を使っていただければ大丈夫です」
それって大丈夫って言えるのかしら。ちょっとさすがに無理があるような気がするのだけど。
「勘違いをされないでくださいね。あくまでも現状のアサミ様の魔法の確認をするだけです。積極的に森の中で狩りをするわけでも、ましてや森を攻略するわけでもありません。森の中に入るのはそれを秘匿するためです。アサミ様も魔力に余裕をもって確認作業をしていただけるようお願いします」
「バシュッ」
「ドゴン」
「スパン」
あたし達の目の前には砕けた岩、地面が抉れて出来たクレーター、切り倒された巨木が並んでいる。そしてその音に引き寄せられたゴブリンやオークが瑶さんとマルティナさんに鎧袖一触斃されていく。
「オーガです。アサミ様の魔法を試すのに最適です。わたしとヨウ様で抑えます。中級の攻撃魔法を試してください」
オーガ、身の丈5メートル近い巨体がそこにはいた。
フレイムアローであれだけの威力があったのよね。同じ中級魔法でも貫通力の高いファイヤランスならどうかしらね。
使い慣れない魔法だから少し慎重に狙わせてもらおうかしら。瑶さんとマルティナさんがオーガの気を引いてくれている
からあたし自身は足を止めていられるものね。
深呼吸をして集中する。オーガが瑶さんに向けて振りかぶったところにマルティナさんが槍を突きつけオーガの動きが止まった。
「ファイヤーランス」
使い慣れたファイアーアローなら頭を狙うのだけど、実戦では初めて使うファイヤーランス。間違っても外すわけにはいかないわよね。となれば狙いは胴体、それも低い位置だともしもの時に瑶さんやマルティナさんを巻き込みかねないから胸部を狙った中級火属性魔法は頑丈と言われるオーガの胸部を貫通した。それはもうあっさりと。
「え?」
驚きのあまり呆然とするあたしをよそに、胸に大穴の空いたオーガは動きを止めそのまま倒れ、オーガの胸に大穴を開けたファイヤーランスはその向こうの木を薙ぎ倒し空の向こうに飛んで行ってしまった。
次に来たのは大きめのゴブリンの群れ。ざっと20体はいるわね。
「ストーンレイン」
中級地属性魔法にある範囲攻撃魔法。これも威力がおかしいわね。魔法書に書いてあった内容だと1センチ程度の石を3メートルくらいの範囲に降らせるような魔法だったはずなのに、野球のボールくらいのサイズの石が直径10メートルくらいの範囲に盛大に降り注いでいるじゃない。ストーンレインの降った場所には20体近いゴブリンの惨殺死体が転がっていた。どうやらもともと攻撃魔法としては威力の小さい地属性魔法ならその死体が崩れ落ちて消えるということはないみたいね。そんな確認をしながら最後に残った1体のゴブリンの頭をファイアーアローで消し飛ばした。
その後も、水属性魔法アイスランスを使った時には周辺ごとトロールが氷漬けになり、中級風属性魔法ストームカッターでグリーズベアを細切れにした時にはマルティナさんに
「これでは毛皮も取れませんね」
と、ため息をつかれてしまった。
「朝未、これだけ魔法を乱発したわけだけど魔力の残りはどうかな?」
「……全然問題ないですね。この程度の間隔でこの程度の魔法を使う分にはいくらでもいけそうです」
「で、朝未。さっきの魔法は?」
「単なる中級火属性魔法のフレアアローです。同じ中級でもファイヤーランスより威力は落ちるはずなんですけど」
あんな威力が出るほど魔力込めたつもりはなかったのに。
「最近朝未は魔法に通常より魔力込める練習と魔力増加の練習をしているよね」
「え?ええ。大分効果が出てきてるのを感じてます」
マルティナさんと出会った頃に比べて魔法に魔力を込める速さも、込められる魔力量も、そしてあたしの中の魔力総量も3倍では済まない程度に向上しているのがわかる。それでもリザレクションを含む聖女専用魔法は魔力不足で使えないのよね。
「とっさのことで想定より多くの魔力を込めてしまったということは無いかな?」
瑶さんの言葉に、あたしはちょっと考え込む。どうだったかしら。
「ファイアーアローより貫通力のある魔法って思ってそれ以外は何も考えないで使っただけだから、そんなに魔力を込めてはいない……と思います。そんな大量の魔力を込める時間もなかったし……うん、魔力もそんなに減ってないです」
「……より上位の魔法は発動の敷居は高いけど、発動できれば効率は高いってことかな?それで朝未が使うと威力が高い?」
瑶さんが、何か考えているわね。
「でも、エルリックにいたころにはあんな威力はありませんでした。エルリックではファイヤーアローでほとんど済んでいましたからフレアアローを使う機会はあまりありませんでしたけど」
「色々、想像できることはありそうですけど、どこかで確かめてみるのは必要かもしれませんね。幸いクリフの周囲は、色々と特別ですので、少し森の中にはいってしまえば多少のことなら誰も気にしませんから」
「でも、森の中に入っていったらオーガとかトロールとかも出てくるんでしょ?」
「そうですね。でも、今の戦闘を見た感じ、まず問題は無いと思います」
マルティナさんが無茶を言い出したわね。
「でも、武器の性能が不足しているって……」
「ええ、確かにヨウ様とわたしの武器は森の中の魔物を斃すのに力不足と言わざるを得ません。でも、それでも斃せないまでも抑えることはできます。その間にアサミ様が魔法を使っていただければ大丈夫です」
それって大丈夫って言えるのかしら。ちょっとさすがに無理があるような気がするのだけど。
「勘違いをされないでくださいね。あくまでも現状のアサミ様の魔法の確認をするだけです。積極的に森の中で狩りをするわけでも、ましてや森を攻略するわけでもありません。森の中に入るのはそれを秘匿するためです。アサミ様も魔力に余裕をもって確認作業をしていただけるようお願いします」
「バシュッ」
「ドゴン」
「スパン」
あたし達の目の前には砕けた岩、地面が抉れて出来たクレーター、切り倒された巨木が並んでいる。そしてその音に引き寄せられたゴブリンやオークが瑶さんとマルティナさんに鎧袖一触斃されていく。
「オーガです。アサミ様の魔法を試すのに最適です。わたしとヨウ様で抑えます。中級の攻撃魔法を試してください」
オーガ、身の丈5メートル近い巨体がそこにはいた。
フレイムアローであれだけの威力があったのよね。同じ中級魔法でも貫通力の高いファイヤランスならどうかしらね。
使い慣れない魔法だから少し慎重に狙わせてもらおうかしら。瑶さんとマルティナさんがオーガの気を引いてくれている
からあたし自身は足を止めていられるものね。
深呼吸をして集中する。オーガが瑶さんに向けて振りかぶったところにマルティナさんが槍を突きつけオーガの動きが止まった。
「ファイヤーランス」
使い慣れたファイアーアローなら頭を狙うのだけど、実戦では初めて使うファイヤーランス。間違っても外すわけにはいかないわよね。となれば狙いは胴体、それも低い位置だともしもの時に瑶さんやマルティナさんを巻き込みかねないから胸部を狙った中級火属性魔法は頑丈と言われるオーガの胸部を貫通した。それはもうあっさりと。
「え?」
驚きのあまり呆然とするあたしをよそに、胸に大穴の空いたオーガは動きを止めそのまま倒れ、オーガの胸に大穴を開けたファイヤーランスはその向こうの木を薙ぎ倒し空の向こうに飛んで行ってしまった。
次に来たのは大きめのゴブリンの群れ。ざっと20体はいるわね。
「ストーンレイン」
中級地属性魔法にある範囲攻撃魔法。これも威力がおかしいわね。魔法書に書いてあった内容だと1センチ程度の石を3メートルくらいの範囲に降らせるような魔法だったはずなのに、野球のボールくらいのサイズの石が直径10メートルくらいの範囲に盛大に降り注いでいるじゃない。ストーンレインの降った場所には20体近いゴブリンの惨殺死体が転がっていた。どうやらもともと攻撃魔法としては威力の小さい地属性魔法ならその死体が崩れ落ちて消えるということはないみたいね。そんな確認をしながら最後に残った1体のゴブリンの頭をファイアーアローで消し飛ばした。
その後も、水属性魔法アイスランスを使った時には周辺ごとトロールが氷漬けになり、中級風属性魔法ストームカッターでグリーズベアを細切れにした時にはマルティナさんに
「これでは毛皮も取れませんね」
と、ため息をつかれてしまった。
「朝未、これだけ魔法を乱発したわけだけど魔力の残りはどうかな?」
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