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力をつけるために
第102話 暁影の空
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「クリフだとゴブリンやオークの討伐は常設依頼なのね」
「ええ、クリフに来ているパーティーという段階でゴブリンやオークの通常の変異種までは問題なく対応できると判断されているんです。なので特別に依頼が出るのは、わたしがアサミ様に救われた時のような特別な変異種が発生した場合か、より上位の魔物が近場に現れたような場合。それと魔物素材の採集依頼があった時ですね」
あたし達はハンターギルドで依頼を確認しているのだけど、エルリックと違ってほとんどが魔物や魔獣相手、しかもエルリックでは見たこともないオーガやトロールなんてものの名前まで上がっている。
「マルティナさん。オーガやトロールってどのくらいの強さなの?」
「そう、ですね。オーガもトロールも単体でオークの通常の変異種くらいの強さ、でしょうか。ただオーガもトロールもあまり群れない魔物ですので変異種に遭遇する心配はほぼ無いと思っていいと思います。クリフ周辺の森の第1層までは、ですが。私達であれば、むしろ第1層ではホブゴブリンやオークジェネラルの方が負けることはないにしてもやっかいではないかと思います」
あら、強さならオーガやトロールの方が上だと聞いているのだけどなぜかしら?
そんなあたしの疑問に気付いたらしく、マルティナさんが説明してくれた。
「たしかにオーガやトロールは強いです。でも所詮は単体戦力です。それもわたし達であれば対応できる程度だと考えます。むしろ単体での強さはそこまでではなくても数で押してくるホブゴブリンや、単体でもそこそこ強く下位のオークを多数統制して攻めてくるオークジェネラルは、3人という少ない人数で動くわたし達にはやっかいだということです」
「ああ、数の暴力的な?」
あたしの返事にマルティナさんはやや苦笑気味にうなずいてくれたわ。今のやり取りに苦笑するところあったかしら?
「まあ、ゴブリンやオークが常設なんだから、しばらくは浅いところで肩慣らし的に狩ってくればいいんじゃないかな?ここまでの街道での具合からして探すのに困るってこともなさそうだし」
苦笑する瑶さんの言葉にしたがってあたし達はとりあえず森の浅い場所でゴブリンとオークを狩ることにした。
「狩りに行くまえにパーティー名をつけましょう」
さあ、行こうというところでマルティナさんが提案してきた。
「あの、パーティー名を付けるのはいいのですけど、なぜこのタイミングで?」
「むしろこのタイミングだからです。アサミ様もヨウ様も、色々と秘密にしたいことがおありですよね。そしておふたりとも、ここクリフの地ではまだ名前が知られておりません。そこで最初からパーティー名を名乗ることでおふたりの名前をパーティー名の下に薄めることができます。何かあってもアサミ様やヨウ様個人の能力としてというより、パーティー全体の力として認識されるからです。そしてどうしてもごまかしきれない事態に陥った場合はパーティー名を捨て、新たなパーティー名を名乗ることである程度の隠蔽も可能となります。ですので今のうちにパーティー名をギルドに登録し、そのパーティー名を前面に出して活動するのが良いかと」
マルティナさんの言葉になるほどと納得したので3人でパーティー名を決めることにしたのだけど、中々いい名前って浮かばないのよね。
「天使の剣」
「却下です」
「ふむ、天使ちゃんとゆかいな仲間たち」
「それも却下です。クリフでまで天使なんて呼ばれたくありません」
瑶さん、思いつかないからってこれはないわ。
「聖者たちの夢というのはどうでしょう?」
「マルティナさん。それもちょっと避けたいかなと。聖者とか聖女とか連想させるものはやめてください。お願いします」
ふたりであたしをからかっているんじゃないでしょうね。
「なら朝の揺らぎはどうでしょう?」
「もろにあたしと瑶さんじゃないですか。それじゃパーティー名に隠れることが出来ないでしょう」
「クリフでの狩りに慣れるには、ここからが良いと思います」
ギルドにパーティー名「暁影のそら(あきかげのそら)」を登録したあと、マルティナさんの言葉にあたし達は、クリフの南の森に来た。
「これ探知魔法を使うまでもなく、ゴロゴロしてますね」
ゴブリンやオークの群れがそれほど距離をとることなくたむろしているじゃないの。これって古典的なRPGみたいなエンカウント率になるやつじゃないの?いえそれどころか、1つの群れを狩ってる間に近くの群れが襲い掛かってきて延々と戦うパターン?まあ探知魔法を展開した感じ変異種はいなさそうだからよほどまで大丈夫だと思うけど。
「これは。朝未、弓で頼む」
は、そうね。向かっていけば囲まれるのならこっちに引いてくれば良いのよね。それにはあたしの弓が一番。あたしはいつもの補助魔法を掛けた後カタンパルの弓を構えた。
一番近くの群れの一番近くにいるゴブリンを狙う。いつもなら頭を狙うのだけど、今回はあえて胴体、それも肩口を狙い矢を放った。
「ギャギャギャ」
そのゴブリンは矢を肩に残したまま、あたしに向かってくる。狙い通りね。
いつもなら自ら飛び込んでいく瑶さんも今日は迎え撃つスタイル。
瑶さんを先頭に、その左後ろに槍を構えたマルティナさん、そしてあたしは右後ろで短剣を構えフォローする。
先頭のゴブリンは瑶さんに任せ、群れの中ほどの中程度のゴブリンにいつも通り魔法を放つ。
「ファイヤーアロー」
頭を失ったゴブリンがその場で崩れ落ちる。直後に続いていたゴブリン2体がその死体に躓いて転がったわ。その後ろの3体がそれを避けて1列に並んだ。チャンスね。いつもの初級火属性魔法ファイヤーアローでなく中級火属性魔法を選ぶ。
「フレアアロー」
同じアロー系の魔法だけど、威力が桁違いのはず。これまで実戦で使うことが無かったのは単にその機会がなかったからだけど、その威力は凄かった。
「ドゴン!!」
3体のゴブリンの身体を貫通しさらにその先の地面に直径3メートル近いすり鉢状の穴を作ってしまっている。
その威力にあたし自身も呆然としてしまった。そうしている間に3体のゴブリンの身体がサラサラと崩れ落ちる。
「え?ウソ!何が起きたの?」
「ええ、クリフに来ているパーティーという段階でゴブリンやオークの通常の変異種までは問題なく対応できると判断されているんです。なので特別に依頼が出るのは、わたしがアサミ様に救われた時のような特別な変異種が発生した場合か、より上位の魔物が近場に現れたような場合。それと魔物素材の採集依頼があった時ですね」
あたし達はハンターギルドで依頼を確認しているのだけど、エルリックと違ってほとんどが魔物や魔獣相手、しかもエルリックでは見たこともないオーガやトロールなんてものの名前まで上がっている。
「マルティナさん。オーガやトロールってどのくらいの強さなの?」
「そう、ですね。オーガもトロールも単体でオークの通常の変異種くらいの強さ、でしょうか。ただオーガもトロールもあまり群れない魔物ですので変異種に遭遇する心配はほぼ無いと思っていいと思います。クリフ周辺の森の第1層までは、ですが。私達であれば、むしろ第1層ではホブゴブリンやオークジェネラルの方が負けることはないにしてもやっかいではないかと思います」
あら、強さならオーガやトロールの方が上だと聞いているのだけどなぜかしら?
そんなあたしの疑問に気付いたらしく、マルティナさんが説明してくれた。
「たしかにオーガやトロールは強いです。でも所詮は単体戦力です。それもわたし達であれば対応できる程度だと考えます。むしろ単体での強さはそこまでではなくても数で押してくるホブゴブリンや、単体でもそこそこ強く下位のオークを多数統制して攻めてくるオークジェネラルは、3人という少ない人数で動くわたし達にはやっかいだということです」
「ああ、数の暴力的な?」
あたしの返事にマルティナさんはやや苦笑気味にうなずいてくれたわ。今のやり取りに苦笑するところあったかしら?
「まあ、ゴブリンやオークが常設なんだから、しばらくは浅いところで肩慣らし的に狩ってくればいいんじゃないかな?ここまでの街道での具合からして探すのに困るってこともなさそうだし」
苦笑する瑶さんの言葉にしたがってあたし達はとりあえず森の浅い場所でゴブリンとオークを狩ることにした。
「狩りに行くまえにパーティー名をつけましょう」
さあ、行こうというところでマルティナさんが提案してきた。
「あの、パーティー名を付けるのはいいのですけど、なぜこのタイミングで?」
「むしろこのタイミングだからです。アサミ様もヨウ様も、色々と秘密にしたいことがおありですよね。そしておふたりとも、ここクリフの地ではまだ名前が知られておりません。そこで最初からパーティー名を名乗ることでおふたりの名前をパーティー名の下に薄めることができます。何かあってもアサミ様やヨウ様個人の能力としてというより、パーティー全体の力として認識されるからです。そしてどうしてもごまかしきれない事態に陥った場合はパーティー名を捨て、新たなパーティー名を名乗ることである程度の隠蔽も可能となります。ですので今のうちにパーティー名をギルドに登録し、そのパーティー名を前面に出して活動するのが良いかと」
マルティナさんの言葉になるほどと納得したので3人でパーティー名を決めることにしたのだけど、中々いい名前って浮かばないのよね。
「天使の剣」
「却下です」
「ふむ、天使ちゃんとゆかいな仲間たち」
「それも却下です。クリフでまで天使なんて呼ばれたくありません」
瑶さん、思いつかないからってこれはないわ。
「聖者たちの夢というのはどうでしょう?」
「マルティナさん。それもちょっと避けたいかなと。聖者とか聖女とか連想させるものはやめてください。お願いします」
ふたりであたしをからかっているんじゃないでしょうね。
「なら朝の揺らぎはどうでしょう?」
「もろにあたしと瑶さんじゃないですか。それじゃパーティー名に隠れることが出来ないでしょう」
「クリフでの狩りに慣れるには、ここからが良いと思います」
ギルドにパーティー名「暁影のそら(あきかげのそら)」を登録したあと、マルティナさんの言葉にあたし達は、クリフの南の森に来た。
「これ探知魔法を使うまでもなく、ゴロゴロしてますね」
ゴブリンやオークの群れがそれほど距離をとることなくたむろしているじゃないの。これって古典的なRPGみたいなエンカウント率になるやつじゃないの?いえそれどころか、1つの群れを狩ってる間に近くの群れが襲い掛かってきて延々と戦うパターン?まあ探知魔法を展開した感じ変異種はいなさそうだからよほどまで大丈夫だと思うけど。
「これは。朝未、弓で頼む」
は、そうね。向かっていけば囲まれるのならこっちに引いてくれば良いのよね。それにはあたしの弓が一番。あたしはいつもの補助魔法を掛けた後カタンパルの弓を構えた。
一番近くの群れの一番近くにいるゴブリンを狙う。いつもなら頭を狙うのだけど、今回はあえて胴体、それも肩口を狙い矢を放った。
「ギャギャギャ」
そのゴブリンは矢を肩に残したまま、あたしに向かってくる。狙い通りね。
いつもなら自ら飛び込んでいく瑶さんも今日は迎え撃つスタイル。
瑶さんを先頭に、その左後ろに槍を構えたマルティナさん、そしてあたしは右後ろで短剣を構えフォローする。
先頭のゴブリンは瑶さんに任せ、群れの中ほどの中程度のゴブリンにいつも通り魔法を放つ。
「ファイヤーアロー」
頭を失ったゴブリンがその場で崩れ落ちる。直後に続いていたゴブリン2体がその死体に躓いて転がったわ。その後ろの3体がそれを避けて1列に並んだ。チャンスね。いつもの初級火属性魔法ファイヤーアローでなく中級火属性魔法を選ぶ。
「フレアアロー」
同じアロー系の魔法だけど、威力が桁違いのはず。これまで実戦で使うことが無かったのは単にその機会がなかったからだけど、その威力は凄かった。
「ドゴン!!」
3体のゴブリンの身体を貫通しさらにその先の地面に直径3メートル近いすり鉢状の穴を作ってしまっている。
その威力にあたし自身も呆然としてしまった。そうしている間に3体のゴブリンの身体がサラサラと崩れ落ちる。
「え?ウソ!何が起きたの?」
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